グローバル パラメータを使用して、モデル内ファミリ間のパラメトリック関係をコントロールします。
グローバル パラメータとは
グローバル パラメータは、モデル内で作成されるパラメータです。グローバル パラメータには特定のカテゴリがなく、複数のファミリに割り当てることができます。グローバル パラメータは、モデル内のパラメトリック関係の設定に使用できる単純な値を保持します。グローバル パラメータは複数のファミリとタイプに割り当てることができるため、一度に多数の要素をコントロールするために使用できます。
グローバル パラメータを使用する理由
プロジェクト内にパラメトリック コントロールを持たせる必要がある場合は、グローバル パラメータを使用します。これらを使用して、プロジェクト内のファミリの複数のインスタンスまたはタイプ パラメータを 1 つのコントロールで制御できます。グローバル パラメータを適用する例をいくつか示します。
- 建物のグリッドやレベルの間隔をパラメータでコントロールします。
- 複数の要素の距離の許容差や保持寸法をコントロールします。たとえば、隣接する壁からのドアのインセットや、レベルからの梁のオフセットなどです。
- マテリアル パラメータを一度に複数のファミリに適用します。
- 隣接しない均等寸法を作成します。
グローバル パラメータは、ユーザの想像力次第で無限の利用法があります。さまざまな状況で試してみるうちに、使用できるさまざまな方法が見つかるでしょう。これらの例について詳しく説明します。
ツールのある場所
グローバル パラメータの使用には 2 つの段階があり、最初にプロジェクト内にパラメータを作成し、次にグローバル パラメータを要素に割り当てます。
グローバル パラメータを作成する
[管理]タブ
[設定]パネル
(グローバル パラメータ)をクリックします。
ダイアログ ボックスで、プロジェクトで使用するグローバル パラメータを作成します。このダイアログ ボックスには、プロジェクトで使用できるパラメータのリストが含まれています。このダイアログ ボックスは、グローバル パラメータの値を変更するためにも使用されます。グローバル パラメータの作成の詳細については、「グローバル パラメータを作成する」を参照してください。
グローバル パラメータを適用する
グローバル パラメータは 2 つの方法でプロジェクトに適用されます。寸法文字列のラベルとして使用する方法と、インスタンスまたはタイプ パラメータとしてファミリに割り当てる方法です。
寸法値で使用する場合は、寸法文字列にラベルを割り当てます。寸法にラベルを付けると、グローバル パラメータが値をコントロールします。詳細については、「グローバル パラメータを使用して寸法にラベルを付ける」を参照してください。
グローバル パラメータは、インスタンス パラメータのプロパティ パレットおよびタイプ パラメータの[タイプ プロパティ]ダイアログで、関連付けられたパラメータ コントロールを使用して、ファミリのインスタンスとタイプの両方の値に割り当てられます。
詳細については、「グローバル パラメータを割り当てる」を参照してください。
次のビデオをご覧いただき、グローバル パラメータを作成および適用する方法を確認してください。
例
グリッド間隔を設定する
多くの建物は構造グリッドを使用して設計されます。設計の初期段階では、使用するグリッド間隔が不明の場合があります。この場合、グローバル パラメータをグリッドの寸法に適用できます。グローバル パラメータを使用して、1 つのコントロールからグリッド間隔を調整します。
- 建物のグリッドを作成し、グリッドラインに寸法を適用します。
- 寸法文字列を選択し、リボンにある[寸法にラベルを付ける]パネルの[ラベル]で、既存のグローバル パラメータを選択するか、
(パラメータを作成)をクリックします。
- [グローバル パラメータ プロパティ]ダイアログで、グリッド寸法の名前を指定し、[OK]をクリックします。
- 寸法文字列を選択すると、鉛筆のアイコンが表示され、寸法文字列にグローバル パラメータのラベルが付いていることが分かります。
- 鉛筆のアイコンをクリックして[グローバル パラメータ]ダイアログを開き、値を変更します。
- [OK]をクリックして、グローバル パラメータをグリッド間隔に適用します。
さらにこの例では、X 方向のグリッド間隔に 2 つのパラメータを作成して、間隔が一定ではないグリッド パターン(両端は等間隔で、異なる間隔のグリッドが中心を通るパターン)を作成できます。
同じ手法を使用してグローバル パラメータを寸法に適用するのは、床と床の間の高さを設定する、ドア オフセットの寸法を保持する、器具に特定の間隔を定義するなど、プロジェクト内の寸法をパラメータでコントロールするように設定することで迅速に編集できる条件がある場合です。
ファミリのマテリアルを変更する
グローバル パラメータを使用して、プロジェクト内のファミリに適用されるマテリアルを変更します。次の例では、キッチンの設計を行っており、さまざまなマテリアルの外観を検討します。収納家具ファミリすべてに、外観をコントロールするタイプ パラメータがあります。この例のレイアウトには、合計 16 種類のファミリ/タイプがあります。各ファミリには、メインの収納家具用のマテリアル パラメータと、ドア マテリアル用の別のパラメータがあります。1 つのマテリアルを変更する場合、その変更のためにすべてのファミリ全体で 32 個のパラメータ値を変更する必要があります。グローバル パラメータを使用すると、キッチンのすべての収納家具のマテリアルを 1 箇所で設定できます。もちろん、ファミリにある 32 個のマテリアル パラメータを変更する代わりにマテリアル要素自体の外観を変更したり、収納家具のオブジェクト スタイルにマテリアルを割り当てると、同じようにマテリアルを変更できます。この例では、このような方法がいずれも望ましくない場合を想定して、代わりにグローバル パラメータを使用してマテリアルの外観をコントロールします。
まず、各収納家具ファミリに割り当てるグローバル パラメータを作成します。
- [管理]タブ
[設定]パネル
(グローバル パラメータ)をクリックします。
- [グローバル パラメータ]ダイアログで、
(新しいグローバル パラメータ)をクリックします。
- [グローバル パラメータ プロパティ]ダイアログで、次のフィールドを入力します。
- (省略可)[ツールチップの説明]領域で、[ツールチップを編集]をクリックします。[ツールチップを編集]ダイアログで、ツールチップのテキスト(最大 250 文字)を入力し、[OK]をクリックします。
- [OK]をクリックします。
マテリアルのグローバル パラメータを作成したら、キッチンのレイアウトで使用するキャビネット ファミリのマテリアル パラメータの値に割り当てます。
- 要素を選択し、タイプ パラメータを見つけます。
- パラメータとその値の右にあるボタンをクリックします
。
[グローバル パラメータを関連付け]ダイアログが開きます。
専門分野とパラメータ タイプの両方が一致し、レポートを行わないグローバル パラメータを選択することができます。
- パラメータに割り当てるために前の手順で作成したマテリアルのグローバル パラメータを選択します。
- [OK]をクリックします。
グローバル パラメータをファミリに割り当てると、[グローバル パラメータ]ダイアログで、ファミリのマテリアルの割り当てをコントロールできるようになりました。
新しく作成したマテリアルのグローバル パラメータの値を修正するには、[管理]タブ

[設定]パネル

(グローバル パラメータ)をクリックします。別のマテリアルを選択すると、キッチンの収納家具に適用されます。各ファミリで個別にタイプ パラメータを修正する必要がなくなりました。
プロジェクトでグローバル パラメータを使用するようになると、多くの用途が見つかります。グローバル パラメータを試したことがない場合は、お試しいただき、このトピックにコメントを残してご意見をお寄せください。