[流出]タブ([集水域のプロパティ]ダイアログ ボックス)

[流出のプロパティ]タブを使用して、流出方法および集水域のさまざまな排水関連プロパティを変更することができます。

流出方法

降雨流出の決定方法を指定します。選択すると、タブのさまざまなプロパティが表示されます。[時間面積]、[土壌保全局(SCS)]、[EPA SWMM]、または[Santa Barbara Urban Hydrograph (SBUH)]を選択します。

注: このタブで定義されている方法、パラメータ、および設定は、排水解析にのみ使用されます。

時間面積

集中時間に基づいて集水域をサブエリアに分割し、流出量を推定する方法です。各サブエリアからの流出量が計算され、結合されて、全体的な流出量のハイドログラフが生成されます。

集水域のプロパティ

• 面積。集水域の計算された面積が表示されます。
• 集中時間。計算された移動時間の合計値を表示します。
• 計算方法。流出計算の方法を表示します。
• 流出係数。集水域の流出係数を指定します。指定できる値は 0.01 から 1.00 の間です。流出係数は有理式によって流出を計算するときに使用されます。

土壌保全局(SCS)

Natural Resources Conservation Service (NRCS) (旧称は土壌保全局(SCS))による方法です。SCS は、降雨超過ハイエトグラフを無次元ユニット ハイドログラフに畳み込むことによって流出ハイドログラフを計算します。降雨超過は、まず、計画水量における SCS 曲線番号法流出方程式を使用して決定されます。ユニット ハイドログラフは、集水域の特性に基づいて、時間経過に伴う降雨超過の 1 単位を表します。

集水域のプロパティ

• 面積。集水域の計算された面積が表示されます。
• 集中時間。計算された移動時間の合計値を表示します。
• 計算方法。流出計算の方法を表示します。

SCS 一般プロパティ

• シェイプ タイプ。SCS 計算のシェイプ タイプを指定します。[曲線]または[三角形]を選択します。
• シェイプ係数。NEH-4 第 16 章で定義されているシェイプ係数またはピーク流量係数を指定します。典型的なハイドログラフの値は 484 で、これは三角形のユニット ハイドログラフの下降側の体積が曲線のユニット ハイドログラフの上昇側の体積の 1.67 倍である場合の値です。
• 初期損失タイプ。降水からの初期損失は、降水量のより小さい総深度として、または降水量の割合として表すことができます。[深度]または[割合]を指定します。
  • 初期損失深度。降水量の浅い方を表します。
  • 初期損失割合。降水量の割合(0 から 1)を表します。
• 複合曲線番号。計算で使用される荷重 CN です。次のように計算されます: CN = (PIMP / 100 * 98) + ((1 - (PIMP / 100)) * PACN)

  各変数は、次のとおりです。

  • PIMP = 不浸透の割合
  • PACN = 浸透領域の曲線番号

EPA SWMM

集水域を理想化された長方形の領域としてモデル化するために等価幅を使用する、環境保護庁の雨水管理モデル(EPA SWMM)の流出量推定法です。浸透とくぼ地貯留を考慮し、浸透領域と不浸透領域を別々にモデル化します。

集水域のプロパティ

• 面積。集水域の計算された面積が表示されます。

一般流出プロパティ

• 不浸透率。水が地面に浸透するのを防ぐ、硬い表面の集水域の割合を指定します。
• 平均勾配(x1)。集水域全体の勾配を鉛直距離: 水平距離で指定します。
• 等価幅。等価な矩形集水域の理論上の幅を指定します。
• 内部経路。集水域内の浸透領域と不浸透領域の間の流出の流れを指定します。次のいずれかを選択します。
  • 浸透へ。不浸透領域からの流出のうち、浸透領域に流れる指定された割合です
  • 不浸透性へ。浸透領域からの流出のうち、不浸透領域にくぼ地貯留で流すことができる指定された割合です。
  • 直接。内部経路は、他のマンホール蓋タイプを経由しません。
• 経路割合。内部経路方法の[浸透へ]と[不浸透へ]の割合を指定します。

不浸透領域

• 面積。計算された不浸透領域の合計を表示します: 集水域領域 * (不浸透率 / 100)。
• くぼ地の貯留量深度。集水域の不浸透部分のくぼ地の貯留量深度を指定します。この値は、降雨後の水たまりを考慮します。
• マニングの粗度計数集水域の不浸透部分を流れる地表流動のマニング粗度係数を指定します。
• くぼ地なしくぼ地貯留のない不浸透領域の割合を指定します。

浸透領域

• 面積。計算された浸透領域の合計を表示します: 集水域領域 * ((100 - 不浸透率)/100)。
• くぼ地の貯留量深度。集水域の浸透部分のくぼ地の貯留量深度を指定します。この値は、降雨後の水たまりを考慮します。
• マニングの粗度計数集水域の浸透部分を流れる地表流動のマニング粗度係数を指定します。

浸透

流出モデルの浸透方法を定義します。Horton、Green Ampt、または SCS 曲線番号を選択します。

• Horton
  • 計算方法
    • 標準。経験的観察に基づき、長期間の降雨期間中に浸透が初期の最大浸透率からある最小浸透率まで指数関数的に減少することを示しています。この方法に必要な入力パラメータには、最大浸透率と最小浸透率、時間の経過とともに浸透率が低下する速度を表す減衰係数、および完全に飽和した土壌が完全に乾燥するまでにかかる時間が含まれます。
    • 修正。従来の Horton 法の修正版であり、状態変数として(Horton 曲線に沿った時間の代わりに)最小率を超える累積浸透量を使用し、降雨強度が低い場合に、より正確な浸透量を推定します。従来の Horton 法と同じ入力パラメータを使用します。
  • 最大浸透率。最大浸透率を指定します。
  • 最小浸透率。最小浸透率を指定します。
  • 最大浸透量。面積からの最大浸透量を決定するために使用される深度を指定します。
  • 減衰定数。浸透率に適用する減衰定数を指定します。
  • 乾燥時間。集水域の乾燥に要する時間を指定します。これは通常、2 日から 14 日です。
• Green-Ampt
  • 計算方法
    • 標準。土柱に急激な湿潤前線が存在し、下層の初期含水比の高い土壌と上層の飽和土壌を分離すると仮定します。必要な入力パラメータは、土壌の初期水分欠乏、土壌の透水係数、および浸潤前線における吸引ヘッドです。乾燥期間中の水分欠乏の回復率は、経験的に透水係数に関連しています。
    • 修正。元の Green-Ampt の手順を修正し、初期の低降雨期間中に、表面層の土壌の水分欠乏が解消しないようにします。この変更により、降雨強度が土壌の飽和透水係数を下回るような初期期間の長い暴風雨に対して、より現実的な浸透動作を生成することができます。
  • 吸気水頭。土壌の平均毛管吸引力を指定します。
  • 透水係数。土壌飽和透水係数を指定します。
  • 初期欠乏。土壌の空隙率と初期含水率の差を指定します。
• SCS 曲線番号
  • 複合曲線番号。NEH-4 第 9 章に記述されているように、集水域の浸透率の流出曲線番号を指定します。典型的な値は、浸透能力や遮断能力の高い領域での 20 から、不浸透領域での 98 までさまざまです。これは、水文学的土壌グループ、被覆タイプ、処理、水文学的条件、および先行する水分条件に依存する無次元数です。この数値の有効範囲は 0 から 100 です。
  • 乾燥時間。集水域の乾燥に要する時間を指定します。これは通常、2 日から 14 日です。

Santa Barbara Urban Hydrograph (SBUH)

カリフォルニア州サンタバーバラの Flood Control and Water Conservation District による流出ハイドログラフを簡単に作成する方法です。SCS 曲線数法の流出方程式を使用して、超過雨量の増分を計算します。SCS 法の単位ハイドログラフ法を使用する代わりに、集水域の集中時間に等しい時間遅延で仮想貯水池を経由する瞬間ハイドログラフを方程式で直接計算します。

一般的なプロパティ

• 面積。集水域の計算された面積が表示されます。
• 集中時間。計算された移動時間の合計値を表示します。
• 計算方法。流出計算の方法を表示します。

一般流出プロパティ

• 複合曲線番号。一般的に流出量と降雨量を関連付ける無次元係数(0 - 100)を指定します。これは土地被覆や土地利用の関数であり、土壌タイプや流域の傾斜に基づくこともあります。これは、集水域全体の平均曲線番号を表し、複合曲線番号は、それぞれの面積に基づいて加重平均されます。

合理式法と修正合理式法

合理ベースの流出方法は、雨水流出の見積りに広く使用されています。集水域の面積、流出係数、および Intensity-Duration-Frequency (IDF)解析から算出される降雨強度に基づいて、ピーク流出量を計算します。

重要: 排水解析に IDF 降雨データを使用するには、設計内のすべての集水域を合理式流出方法または修正合理式流出方法で指定する必要があります。動的ハイエトグラフ流出方法を含む集水域がある場合、IDF 降雨データ セットは解析に使用できません。

一般的なプロパティ

• 面積。集水域の計算された面積が表示されます。
• 集中時間。計算された移動時間の合計値を表示します。
• 計算方法。流出計算の方法を表示します。
• 流出係数。集水域の流出係数を指定します。指定できる値は 0.01 から 1.00 の間です。流出係数は有理式によって流出を計算するときに使用されます。

一般流出プロパティ

• 計算方法。合理式法と修正合理式法のいずれかによる計算を指定します。
  • 合理。雨水のピーク流出率を見積もるために一般に使用されている計算。集水域の面積、流出係数、集中時間の降雨強度に基づいてピーク流出量を計算します。これにより、集中時間中に発生し、減衰部乗数に基づいてさらに拡大するピーク流量を持つ三角形のハイドログラフが生成されます。
  • 修正合理。雨水貯水設備のサイズ設定に使用される合理式法のバリエーション。ピーク流量を決定する降雨強度は、ピーク期間に基づきます。これにより、集中時間中にピークに達し、ピーク期間に及ぶ台形のハイドログラフが生成され、流出量をより正確に表現できます。
• 減衰部乗数。雨水ハイドログラフの減衰部分の持続時間を決定する数値係数を指定します。
• ピーク期間(修正合理のみ)。発生中の最大流出率を指定します。これは、集中時間プロパティ以上の値である必要があります。