Arnold for Maya 5.5.4

Maya 2026.3 用の Arnold for Maya (MtoA) 5.5.4 には、新しい推論イメージャ、グローバル ライト サンプリングおよび GPU ボリュームでのパフォーマンス向上、その他の強化とバグ修正が含まれています。

最近追加された機能とバグ修正の完全なリストについては、「Arnold for Maya リリース ノート」を参照してください。

グローバル ライト サンプリングを使用したレンダリングの高速化

グローバル ライト サンプリングを使用したシーンのレンダリングが、当社テストにおいて最大 2.5 倍高速化しました。次の数値は、同じノイズ レンダーのものです。(ARNOLD-13091)

GPU レンダリングにおける光沢のあるマテリアルの Global Light Sampling (GLS)の改善

GPU レンダリング(Arnold 7.3.7.0 以降の CPU レンダリングと同様)は、サンプリング時にマテリアルの光沢を考慮するようになりました。これにより、特に小さなライトが多数存在する場合の品質が大幅に向上します。下のロボット シーンでは、アダプティブ レンダリングによって約 3 倍のスピードアップを実現しています。(ARNOLD-15833)

7.4.2、AA 固定 7.4.3、AA 固定、GLS 光沢有効

GPU でのボリューム レンダリングの高速化

ボリュームを含むシーンが、最大 3.3 倍高速にレンダリングされます。OpenPBR のマテリアルを含むシーンが、最大 1.2 倍高速にレンダリングされます。(ARNOLD-11077、ARNOLD-16304)

インスタンス化された球体 - 1.18 倍高速 Byc cloud - 3.3 倍高速 夕焼けの雲 - 1.76 倍高速

推論イメージャ

推論イメージャONNX フレームワークを使用して、イメージからイメージへの機械学習モデルで推論を実行できます。(ARNOLD-16071)

OpenPBR の薄壁サブサーフェスの改善

インスタンサにライトが含まれている場合、instance_inherit_xform が有効な場合はローカル マトリックスが考慮されるようになりました。薄壁モードにおける OpenPBR のサブサーフェス ローブでは、subsurface_weight を使用して拡散ローブとサブサーフェス ローブの間をブレンドしつつ、エネルギー保存を維持します。これにより、たとえば紙の拡散透過や反射をモデリングできます。(ARNOLD-15982)
以前の動作
7.4.3

OpenPBR のエネルギー保存メタル

OpenPBR のメタル ローブがエネルギー保存に対応するようになり、ファーネス テストに合格しました。(ARNOLD-16327)
以前の動作
7.4.3

HTML レポートの改善

Arnold レンダリング レポートで統計情報の並べ替えがサポートされるようになりました、また、最終レンダリングの統計情報のみが表示されるようになり、グラフとテーブルのサイズ変更のスタイルが改善されました。(ARNOLD-15600、ARNOLD-16011、ARNOLD-16562)

レンダリングによって自動的に出力ディレクトリが作成される

kick や DCC のコマンドライン プロセスなどでレンダリングするたびに、出力フォルダが存在しない場合は、Arnold の出力ドライバが出力フォルダを自動的に作成します。(ARNOLD-3476)

イメージャの最適化

イメージャ フレームバッファ管理が改善され、イメージャ チェーン間のオーバーヘッドが低減されるようになりました。特に、多数のイメージャ チェーンを扱う場合に顕著に認めることができます。たとえば、4096 x 2160 解像度のレンダリングでは、イメージャ間のオーバーヘッドが Arnold 7.4.2.2 と比較して 4 分の 1 になり、イメージャ チェーンごとに約 1 秒短縮されます。(ARNOLD-16261、ARNOLD-16264、ARNOLD-16281)

インタラクティブ性の向上

インタラクティブ レンダリングのパフォーマンスが向上しました。特に、カメラを移動したり、ライティングを変更したりした場合のパフォーマンスが向上しています。(ARNOLD-16200)

サポート対象の GPU が見つからない場合の CPU フォールバック

サポート対象の GPU が存在しない場合、Arnold は render_device_fallback オプションの値に従って CPU レンダリングにフォールバックします。(ARNOLD-16277)

ジオメトリの統計情報の改善

トップ レベル オブジェクトに対するメモリ使用量が正しく計算されるようになり、メモリの統計情報に新しい項目が追加されました。(ARNOLD-16350)

1 対 1 のパス マッピング ルール

Arnold のパスマップ ファイルで 1 対 1 のマッピング ルールがサポートされるようになり、特定のパス参照を簡単に置き換えられるようになりました。これらのルールは JSON ファイル内の path_map セクションで定義されます。(ARNOLD-16351)
{
    "path_map": {
        "linux": {
            "S:/textures/plastic_basecolor.exr": "plastic_basecolor.exr",
            "S:/textures/plywood_normal.exr": "/mnt/plywood_textures/01/normal.exr"
        }
    }
}

kick の出力ディレクトリをオーバーライドする

kick コマンドに、新しい引数 -od が追加され、出力ディレクトリ パスを指定できるようになりました。この出力ディレクトリは必要に応じて作成され、シーン内のドライバによって指定された出力ファイル名にプレフィックスとして追加されます。(ARNOLD-16513)

プロシージャルでのライトの可視性

プロシージャルの可視性を 0 に設定することで、プロシージャル内のすべてのライトを無効にできるようになりました。0 以外の可視性を指定すると、ライトが有効になります。これはインスタンスごとに評価されるため、一部のプロシージャル インスタンスではライトを無効にし、他のプロシージャル インスタンスではライトを有効にすることができます。(ARNOLD-16206)

OpenColorIO のエイリアス

srgb_texture などの OCIO のエイリアスを入力カラー スペースとして使用できるようになりました。組み込みの OCIO 環境設定は、srgb_texture エイリアスおよび Maya 2026.2 に対応する他の調整にも対応しています。(ARNOLD-16465、ARNOLD-16467)

MaterialX 1.39.3

MaterialX のバージョンが 1.38.10 から 1.39.3 にアップグレードされました。詳細については、MaterialX リリース ノート全文を参照してください。(ARNOLD-16361)

USD の機能強化

API の変更点

互換性のない変更

バグ修正

動作環境