ユーザ定義プロパティの管理

ファイルを Vault にチェックインするとき、有効に設定されたファイル プロパティのみが自動的に抽出され、既定でインデックスされます。抽出されたすべてのプロパティは、Vault によって追跡管理されていますが、[プロパティ定義]ダイアログ ボックスを使用して管理することができます。[プロパティ定義]ダイアログ ボックスには、次が表示されます。

プロパティ名

インタフェースに表示されるプロパティの名前。管理者は、表示名を編集することができます。

データ タイプ

プロパティによって表されるデータのタイプ。データ タイプには、テキスト、数値、日付、ブールがあります。

使用状況

プロパティを現在使用しているファイルの数を示します。この情報を使用して、使用率の高いプロパティを調べ、Vault から削除しても支障のないプロパティを判定することができます。

ステータス

プロパティのインデックスが有効であるかどうかや、プロパティがユーザに表示されるかどうかを示します。

  • [有効]: プロパティが[有効]に設定されている場合、そのプロパティはインデックスされ、Vault に追加またはチェックインされるときにファイルから抽出されます。
  • [無効]: プロパティが[無効]に設定されている場合、そのプロパティはインデックスされず、Vault に追加またはチェックインされるときにファイルから抽出されません。管理者は、不要なプロパティを[無効]に指定して整理することができます。
関連付け プロパティを使用できるエンティティ クラスが一覧表示されます。クラスには、ファイル、フォルダ、アイテム、カスタム オブジェクトおよび変更管理があります。
ファイル カテゴリ プロパティがファイル カテゴリに関連付けられている場合に、カテゴリ名が表示されます。プロパティのオーバーライド属性が有効になっている場合は、カテゴリ値がプロパティ値をオーバーライドします。
アイテム カテゴリ プロパティがアイテム カテゴリに関連付けられている場合に、カテゴリ名が表示されます。プロパティのオーバーライド属性が有効になっている場合は、カテゴリ値がプロパティ値をオーバーライドします。

フォルダ カテゴリ

プロパティがフォルダ カテゴリに関連付けられている場合に、カテゴリ名が表示されます。プロパティのオーバーライド属性が有効になっている場合は、カテゴリ値がプロパティ値をオーバーライドします。

カスタム オブジェクト カテゴリ

プロパティがカスタム オブジェクト カテゴリに関連付けられている場合に、カテゴリ名が表示されます。プロパティのオーバーライド属性が有効になっている場合は、カテゴリ値がプロパティ値をオーバーライドします。

基本検索 基本検索機能を使用するときに、文字列プロパティが検索されるかどうかを示します。可能な値は次のとおりです。
  • 検索済み: プロパティは基本検索に含まれます。
  • 検索しない: プロパティは基本検索から除外されます。
  • Not Allowed: プロパティは文字列値でないので、基本検索には組み入れられません。

重要: 新しいユーザ定義プロパティを作成したときに、どのカテゴリにも関連付ける必要はありません。ただし、プロパティをエンティティ(ファイル、フォルダ、カスタム オブジェクト、変更管理、アイテムなど)に関連付けても、どのカテゴリにも関連付けられていなければ、プロパティはそのエンティティ タイプのプロパティ グリッドに表示されません。

既存の Vault データベースを移行するとき、[有効]に設定されている既存のプロパティはすべて移行されます。ただし、新しいプロパティはすべて既定で[無効]に設定されます。インデックスのパフォーマンスを向上させるために、マッピングされていないプロパティはすべて、管理者によって指定されていなければ作成されません。

名前を変更する

プロパティの表示名を変更して、わかりやすい名前にすることができます。[プロパティ定義]ダイアログ ボックスで[編集]を選択することにより、システム定義の名前とユーザ定義の名前の両方を変更できます。

ステータスを変更する

プロパティのステータスによって、そのプロパティが Vault インデックスに入れられるかどうかが決まります。

ステータスを[有効]に設定すると、Vault に入れるプロパティを指定できます。管理者は、プロパティを[有効]に指定して、使用されていないプロパティを Vault から削除できます。無効の場合、プロパティはどのファイルにも関連付けられておらず、インデックスから削除されています。この結果、プロパティが少なくなるため、検索が全体的に効率化されます。未使用のプロパティを検索することはできません。また、未使用のプロパティをグリッド内の列として表示したり、プロパティを未使用のファイル プロパティにマッピングすることはできません。ステータスを[有効]に変更し、サーバ コンソールを使用してプロパティを再インデックスすると、未使用のプロパティをファイルに再度関連付けることが可能です。再インデックスに関する詳細は、Autodesk Server Console のヘルプを参照してください。

注: プロパティのステータスを変更するためには、サーバ コンソールを使用して Vault の再インデックスを実行する必要があります。Vault の再インデックスの詳細については、Autodesk Server Console のヘルプを参照してください。

使用数を調べる

プロパティの使用数は、Vault 全体でプロパティがどの程度使用されているかを示します。[使用状況]列の数値は、プロパティが関連付けられているファイルの数です。プロパティが[無効]になっていると、その使用数は 0(ゼロ)に設定されます。

プロパティの使用数を表示するには、[プロパティ定義]ダイアログで[使用数を取得]ボタンを選択します。

検索可能なプロパティを指定する

プロパティの基本検索設定によって、基本検索を実行するときにそのファイル プロパティが検索されるかどうかが決まります。基本検索設定は、基本検索にのみ適用されます。クエリ ビルダや[検索]ダイアログを使用した検索には適用されません。文字列タイプ ファイル プロパティのみが[検索済み]に設定されます。

[検索済み]に設定された文字列タイプ ファイル プロパティは基本検索に利用できます。[未検索]に設定されたプロパティは、現時点では、基本検索に利用できません。未使用のファイル プロパティを[未検索]に設定すると、検索のパフォーマンスを向上させることができます。[許可されていません]に設定されたプロパティは、文字列タイプ プロパティではなく、基本検索に利用できません。[許可されていません]に設定されたプロパティは、他の設定に変更することができません。

プロパティのステータスが[無効]に設定されているとき、基本検索設定は自動的に[未検索]に設定されます。そのプロパティが後で[有効]に設定された場合でも、基本検索設定は[未検索]のままになります。プロパティを基本検索で利用可能にするには、管理者は、手動でプロパティを[検索済み]に設定する必要があります。

注: すべてのアイテムおよび変更管理文字列タイプ プロパティが[検索済み]に設定され、必ず基本検索に組み入れられます。

ユーザ定義プロパティの管理

  1. [ツール] [管理] [Vault 設定]の順に選択します。
  2. [Vault 設定]ダイアログ ボックスで、[動作]タブをクリックします。
  3. [プロパティ]セクションで、[プロパティ]をクリックします。
  4. このツールを使用すると、以下のことが可能です。
    • [New]をクリックすると、ユーザ定義プロパティを作成できます。
    • プロパティを選択してから[編集]をクリックすると、プロパティ定義を修正できます。
    • ユーザ定義プロパティを選択してから、[削除]をクリックすると、ユーザ定義プロパティを削除できます。
  5. [設定]タブをクリックすると、選択したプロパティの設定を表示できます。タブに表示される設定は、選択したプロパティのタイプに従って変わります。

ユーザ定義プロパティを作成する

プロパティのマッピングと書き戻しの基本設定をカスタマイズするには、新しいユーザ定義プロパティ(UDP)を作成します。これらの作業を実行するには、管理者のアクセス権が必要です。

  1. [ツール] [管理] [Vault 設定]の順にクリックします。
  2. [Vault 設定]ダイアログ ボックスの[動作]タブで、[プロパティ]をクリックします。
  3. [プロパティ定義]ダイアログ ボックスで、[新規作成]をクリックします。
  4. [新規プロパティ]ダイアログ ボックスに名前を入力します。
  5. [タイプ]リストでプロパティ タイプを選択します
  6. ユーザ定義プロパティを 1 つまたは複数のカテゴリに割り当てるには、[関連付け]ドロップダウン リストの[カテゴリ]チェック ボックスをオンにします。このリストに表示されるカテゴリは、[プロパティ定義]ダイアログ ボックスで定義済みのフィルタに基づいて、事前に選択しておくことができます。必要に応じて、カテゴリをオンまたはオフにします。

    ユーザ定義プロパティを作成したときに、どのカテゴリにも関連付ける必要はありません。ただし、新しいユーザ定義プロパティをどのカテゴリにも関連付けなかった場合、そのファイル、アイテム、または変更管理のプロパティ グリッドに表示されません。

    重要: プロパティは、同じカテゴリにあるときも手動で関連付けられたときも、エンティティ(ファイル、フォルダ、カスタム オブジェクト、アイテム、変更管理)とともにのみ表示されます。プロパティをカテゴリに手動で関連付けるには、[プロパティを追加/削除]を表示します。

[設定]タブでは、一部のプロパティ設定項目に値が入力されています。これらの値は、前の手順で入力した名前やタイプに基づいて定義されています。

リスト値を定義する

[設定]タブで、[初期値]行を選択します。プロパティのタイプによって、右側のセルの形式(変更可能フィールド、既存の値から選択するドロップダウン リスト、または値の追加が可能なドロップダウン リスト)が異なります。

  1. 次のいずれかの作業を実行します。
    • プロパティ タイプがテキスト型の場合は、値を入力して最後の手順に進みます。
    • プロパティ タイプがブール型または日付型の場合は、適切な値を選択して最後の手順に進みます。
    • 値の作成が可能なドロップダウン リスト フィールドの場合は、[...]をクリックして、次の手順に進みます。
  2. [プロパティ一覧]ダイアログ ペインで、[値を一覧表示]のリスト内でクリックし、新しい値の名前を入力します。さらに値を追加して、リストを完成します。
  3. 次のいずれかを実行します。
    • 任意のリスト値を選択して、[既定として設定]をクリックします。既定のリスト値を選択しないと、最後に入力された値が既定値になります。
    • リストの先頭に空白の値を配置するには、[追加]をクリックし、値を空白のままにして、[既定として設定]をクリックします。これにより、エンド ユーザは、一覧から何も選択しないでおくことができます。
    • リストの任意の位置に新しい値を挿入します。値を選択し、[追加]をクリックすると、選択した値の上に空白行が挿入されます。値の名前を入力します。
    • リストの任意の位置に新しい値を挿入します。値を選択し、[追加]をクリックすると、選択した値の上に空白行が挿入されます。値の名前を入力します。
    • リストから値を削除するには、値を選択して[削除]をクリックします。
    • リストの値の表示順序を調整するには、値を選択し、必要に応じて[上へ移動]または[下へ移動]をクリックします。
  4. [OK]をクリックして、[プロパティ一覧]ダイアログ ボックスを閉じ、[新規プロパティ]ダイアログ ボックスに戻ります。
  5. [新規(プロパティ)]ダイアログ ボックスで、[OK]をクリックします。
注: プロパティ定義の名前およびデータ タイプは、作成後に変更できません。

ユーザ定義プロパティを追加、削除する

ユーザ定義プロパティ(UDP)は、ファイル、フォルダまたはアイテムに追加したり、削除することができます。これらの作業を実行するには、管理者のアクセス権が必要です。以下の手順は、3 つのエンティティ タイプすべてに該当します。

プロパティを追加、削除する

  1. 1 つまたは複数のファイル、フォルダ、カスタム オブジェクト、変更管理、またはアイテムを選択して、次に[開く]をクリックします。
    注: [プロパティを追加/削除]コマンドは、一度に 1 つのエンティティでのみ使用できます。複数のエンティティ タイプを選択している場合、メニュー アイテムが使用できなくなります。
  2. [アクション] [プロパティを追加/削除]の順にクリックします。
  3. [プロパティを追加/削除]ダイアログ ボックスで、[プロパティ]一覧からプロパティを選択します。
  4. プロパティの[アクション]の値で、ドロップダウン リストから[追加]または[削除]を選択します。
    • [追加]選択したオブジェクトに既定値のプロパティが追加されます。選択したオブジェクトに、追加するプロパティが既に割り当てられている場合、処理は実行されません。
    • [除去]: 選択した 1 つまたは複数のオブジェクトからプロパティが削除されます。選択したオブジェクトに、プロパティが割り当てられていない場合、処理は実行されません。
  5. [OK]をクリックします。
注: カテゴリによって割り当てられているプロパティは、ファイルから削除できません。カテゴリへの割り当てを削除すると、削除の操作を再び実行できます。
注: 選択したオブジェクトで何らかの制約が発生した場合、プロパティの追加および削除は実行されずに、エラー メッセージが表示されます。

ユーザ定義プロパティを削除する

ユーザ定義プロパティ(UDP)は、それがカテゴリに関連付けられておらず、Vault オブジェクト(ファイル、フォルダ、アイテム、変更管理、またはカスタム オブジェクト)によって使用されていない場合のみ削除できます。これらの作業を実行するには、管理者のアクセス権が必要です。

  1. [ツール] [管理] [Vault 設定]の順にクリックします。
  2. [Vault 設定]ダイアログ ボックスの[動作]タブで、[プロパティ]をクリックします。
  3. [プロパティ定義]ダイアログ ボックスで、[プロパティ名]一覧からプロパティ定義を選択し、[削除]をクリックします。
  4. [プロパティ定義の削除警告]ダイアログ ボックスで、[はい]をクリックします。

    制約によりプロパティを削除できない場合は、[プロパティ定義の削除エラー]ダイアログ ボックスが表示されます。

  5. エラー レポートのドキュメントを作成するには、[印刷プレビュー]をクリックします。作成したドキュメントは印刷、エクスポート、または電子メールで配布することができます。