Adaptive Sampling

Arnold は、Adaptive Sampling が有効な場合にピクセルごとのサンプリング レートを調整する機能を備えており、サンプル値で大きく変化するピクセルに、多数のカメラ サンプルを適用することができます(そのため、レンダリング時間も長くなります)。使用した場合、すべてのピクセルがカメラ(AA)サンプル以上のサンプリング レートになりますが、AA Samples Max を超えることはありません。 アダプティブ サンプラのノイズに対する感度は、Adaptive Threshold レンダー オプションを介してコントロールできます。しきい値を低くすると、高いサンプリング レートが適用されるピクセルの数が増えます。

イメージの小さな領域内に、多くのサンプル数をクリーンアップする必要がある高レベルのノイズが存在する場合は、アダプティブ サンプリングが適しています。たとえば、明るいシーン、モーションブラーが適用された鏡面反射光、DOF、高度なリム ライト、またはヘア シェーダを含むシーンなどです。

重要:

ガウス フィルタでアダプティブ レンダリングまたはプログレッシブ レンダリングを使用する場合、メモリに影響があります。これを回避するには、アダプティブ レンダリングまたはプログレッシブ レンダリングを無効にするか、代わりにボックス フィルタを使用します。

アダプティブ/プログレッシブと IPR

最終的なサンプリング レートでレンダリングする前に、プレビュー目的で AA を低く設定して一連のレンダー パスを実行する Arnold プラグインではすべての Adaptive Sampling を無効にする必要がありますが、パフォーマンスを改善するには、最終レンダー パスを有効にする必要があります。

同様に、Progressive Render レンダリング モードを使用する場合、パフォーマンスを最適化する目的で、カメラ(AA)が 1 以上に設定されたプレビュー レンダーの実行がプラグインによって省略されることがあります。これは、プログレッシブ レンダリング モードでは 1 からユーザが選択した設定までの中間 AA サンプリング ステップすべてがレンダー ビュー ドライバに表示されるためです。

アダプティブ サンプラとカスタム フィルタ

アダプティブ サンプリングでは、レンダリングされるフレーム(画像領域)内にサンプルを不均質に配置します。このため、一部のピクセルでサンプルの密度が他のピクセルよりも高くなります。このことは、加重平均フィルタを使用することで考慮する必要があります。加重平均フィルタを使用しないと、フィルタリング後の高密度領域でサンプル値の表現が過剰になり、フィルタリング後の低密度領域でサンプル値の表現が不十分になります。

各サンプルのサンプリング密度は、サンプル フィルタリングのループで AiAOVSampleIteratorGetInvDensity() 関数呼び出しを介して取得できます。スカラーの戻り値を使用して乗算を行うと、加重平均フィルタの各サンプル値を適切に調整することができます。

AA_inv_density AOV は、アダプティブ サンプリングでサンプル密度を視覚化するのに役立ちます。Heatmap フィルタと組み合わせて使用します。

Enable

Adaptive Sampling の有効と無効を切り替えます。

Max.Camera (AA)の効果を示す分散フィルタ。

スーパーサンプリングの最大量を設定します。これは、ピクセルごとの最大サンプリング レートをコントロールし、Camera (AA)で使用される単位と同じです。 Adaptive Sampling は、Max.Camera (AA) > Camera (AA)サンプルで、Camera (AA) サンプル >= 2 の場合に有効になります。被写界深度またはモーション ブラーが大きいシーンでは、より大きな値を[Max.Camera (AA)]で指定する必要があります。このパラメータは、鏡面反射光とヘア シェーディングでの目立つノイズにも役立ちます。

Camera (AA)サンプルを 1 以下に設定すると、Arnold はアダプティブ スレッショルドに必要な測定値を計算できず、Max.Camera (AA)Camera (AA)サンプル以下に設定すると、アダプティブ AA サンプルのマージンが残りません。

Max. Camera (AA) の効果を示す variance_filter

Adaptive Threshold

アダプティブ AA をトリガ/終了するしきい値です。この値はアダプティブ サンプリング アルゴリズムのノイズに対する反応のしやすさを調整します。値を小さくするほど、より多くのノイズが検出されます。既定値(0.015)は、ほとんどのシーンで適切に機能するはずです。

アダプティブしきい値の効果を示す分散フィルタ