非線形静的応力の理論的背景

非線形静的応力スタディは静的応力スタディを基盤として構築されています。理論的背景の基本については、「静的応力スタディの理論的背景」セクションに概説されています。非線形静的応力スタディで異なるのは、材料とジオメトリの非線形性の処理です。

材料の非線形性

フックの法則(F=kx)の重要な仮定の 1 つは、材料剛性 k が解析全体を通じて定数を保持することです。対象の材料および材料の応力の度合いに応じて、これは不正確な仮定となる場合があります。非線形静的応力スタディでは、剛性がすべての平衡反復で更新されます。したがって、構造のグローバルな応答を決定すると反復的なプロセスになり、適用荷重および境界条件の増分が必要になります。

ジオメトリの非線形性

また、フックの法則では、適用される荷重に対し構造物の線形(小さな変位)の応答を前提としています。この場合も、対象の材料および材料のひずみの度合いに応じて、不正確な仮定となる場合があります。大規模なジオメトリの変形では、ひずみが変位のグラデーションの非線形関数となります。荷重増分は元の構造ではなく変形した構造について解く必要があります。