剛体モードを解除する
時として、自然に発生する変形を制限または防止せずにモデルを拘束するのが困難なことがあります。モデルを非拘束のままにしても構わない場合は、[剛体モードを解除]を選択して、解析中の剛体運動(または自由物体の運動)を除外することができます。拘束されたモデルで[剛体モードを解除]を使用するには、力の合計がゼロでモーメントの合計がゼロであることを確認する必要があります。
[剛体モードを解除]は、次のシミュレーション タイプで使用できます。
スタディのアイコン |
スタディ名 |
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静的応力 |
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熱応力 |
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シェイプ最適化 |
[剛体モードを解除]は、モデルにグローバル加速度を適用することで機能します。この加速度(a)は、パーツの質量(m)に基づいて、力(F)を生成します(F=ma)。この力は、モデルに作用するバランスのとれていない荷重と反対に作用します。
注: グローバルな加速度に加えて、ソルバーは、静的安定性(自由物体の移動または回転なし)を確実にするために、微弱バネ拘束のセットも追加します。バネは、モデルの重力の中心に固定されます。他の終端は、モデルの境界ボックスのコーナーに最も近いノードにアタッチされます。バネは、荷重と加速の力の不完全な数値のバランスを調整するために、若干の不均衡が残されることが考慮されています。ただし、グローバル加速度は、主要な安定化要素です。微弱バネ拘束の結果に影響するとしてもごくわずかです。プロセスは完全に自動で実行されるため、追加の設定は必要ありません。
モデルを非拘束にしておく場合
- シャフトが球状の軸受で支えられているとします。この種の軸受は、シャフトがラジアル荷重を受けて曲がると、ハウジング内で旋回します。シャフトが軸受全体に延びていて、その一部分に任意のタイプの拘束を適用した場合、シャフトは組み込み梁のような挙動をします。球状の軸受とは異なり、拘束が原因となって、シャフトが曲がったときに軸受が回転できなくなります。
- アセンブリのパーツ間の表面接触を想像してください。多くの場合、パーツは他のパーツとの接触のみを原因として拘束されます(直接は拘束されません)。このような場合は、解析中に剛体運動が発生することがあります。通常は、剛体運動を防ごうとして拘束を適用すると、1 つまたは複数のパーツが過剰に拘束されます。