カーブやサーフェスを作成するとき、あるいはカーブやサーフェスをスキャンデータに合わせて調整するときは、分割されたサーフェスをどのように使用して全体的なモデルを作成するかを決める必要があります。
非常に単純なモデルでない限り、サーフェスを 1 つだけ使ってモデル全体を作成しようとは思わないでしょう。個々のサーフェスをどの境界で区切るかが明確なときもあります。しかし、自然な境界がはっきりわからない場合は、1つの大きな領域をどのように個々のサーフェスに分割するかを決める必要があります。
これを決めるのは一種の職人技です。モデラが異なれば、優先順位も分割方法も異なってきます。ここでは、そのプロセスの大まかな概要を説明します。
以下の断面図をよく見てください。
左側は曲率の低いシェイプ、中央は曲率の高いシェイプです。右側にあるシェイプは、曲率が2箇所で変化しています。
曲率が高くなり始める地点で、大きな領域を低曲率と高曲率の領域に分割するとよいでしょう。
曲率の低い領域では、シェイプの作成にそれほど多くの CV を必要としないため、1 つのスパンと次数の低いカーブを使用できます。このような領域に分割されたサーフェスを使用すれば、さらに単純なジオメトリの使用が可能になります。
曲率の高い領域では、より正確なシェイプを作成するために CV の数を増やす必要があります。このような領域に分割されたサーフェスを使用すれば、次数の高いサーフェスや複数のスパンを使ってCVを増やすことができます。
たとえ少ないCVで「首尾よく」シェイプを作成できたとしても、CVに過度の負担がかかっていることがあります。つまり、1つ1つのCVが制御するカーブやサーフェスの領域が大きすぎて、後から細かい変更を加えることが非常に難しいことがあるということです。
曲率の方向が変わる地点(次の左側の図、反曲点と呼ばれています)と曲率が変化し始める地点(次の右側の図)でシェイプを分割するのがよいでしょう。
どの場合でも、モデルの分割には CV を最大限に使用することが必要です。つまり、「負担が重すぎる」(カーブやサーフェスの形状に及ぼす影響が大きすぎる)CV がなく、CV が滑らかに分布している状態を作り出すことです。この両方がそろっていれば、形状と継続性をさらに維持しやすくなります。
負担の重すぎる(またはテンションの高い)CV とは、制御するカーブからの距離があったり、カーブやサーフェスの形状に多大な影響を及ぼす CV のことです。
下に示す簡単な例では、左側のカーブ上にある2番目のCVに明らかに負担がかかりすぎています。カーブのシェイプを左側に引っ張るのは、ほとんどこのCVだけで行っています。
このため、カーブのシェイプが編集しにくくなっています。カーブの1セクション(次の図の印をつけた部分)のシェイプの大部分を1つのCVが制御しているため、セクション内のどこを変更するにもその1つのCVを移動させなければならないからです。
CVを動かすたびに、変更するカーブの細かい部分だけではなくさらに広い領域が影響を受けるため、CVを非常に細かく調整しなければならず神経を使います。
分割されたカーブ(次の右側の図)を使えば、この状況は即座に改善されます。これで、分割された両方のカーブの各CVがカーブに及ぼす影響はだいたい同じになります。
良好な分布: