ビュー リプレゼンテーションでは、アセンブリの表示設定に名前を付けて保存するので、アセンブリに対する次回の作業を行うときにその名前を指定して呼び出すことができます。たとえば、コンポーネントを表示または非表示、 有効 または 無効 に設定できます。また、コンポーネントの外観、ズームの倍率、表示角度、およびブラウザの拡張状態も変更できます。
ビューの作成時に、図面内でビュー リプレゼンテーションを指定します。必要なコンポーネントのみが表示されるため、ビューを簡略化できます。
ビュー リプレゼンテーションは、ブラウザの最上部にある[リプレゼンテーション]フォルダに保存されます。
ビュー リプレゼンテーションに保存される情報
ビュー リプレゼンテーションは、次の表示特性を取得します。
- コンポーネントの表示設定(表示/非表示)
- 表示設定の状態が[オブジェクトの表示設定]コマンドによって制御される場合は、スケッチ フィーチャの表示設定(ブラウザ内でスケッチがオンまたはオフにされる場合、表示設定の状態は取得しません)
- 作業フィーチャの表示設定(表示/非表示)
- コンポーネントの選択状態( 有効 / 無効 )
- アセンブリに適用されている外観とスタイルの特性
- ズームの倍率
- 表示角度
- パーツ ビュー リプレゼンテーション
溶接用のグループ レベルおよびフィーチャ レベルのロールバックは、ビュー リプレゼンテーションではサポートされていません。
ビュー リプレゼンテーションの利点
ビュー リプレゼンテーションを使用すると、設計工程でアセンブリの表示状態をコントロールできます。
- 現在のタスクを単純化するため、コンポーネントの表示設定のオン/オフを切り替えることができます。
- コンポーネントに一意の外観を割り当てます。たとえば、あるビューのコンポーネントにはオパーク グレーを、別のビューでは透明な青を設定することができます。
- 適切なコンポーネントの表示設定、カメラ ビュー角度、呼び出すズーム領域を含む表示設定を作成します。
- [オブジェクトの表示設定]コマンドによって制御されるスケッチの表示設定をコントロールします(ビュー リプレゼンテーションは、ブラウザ内で制御されるスケッチの表示設定の状態は取得しません)。
- 作業フィーチャの表示設定をコントロールします。
- 作業中のアセンブリ設計のビューを保存して、作業アイデアを保存します。
- アセンブリの作成を助けるビューを作成します。たとえば、カバー付きのビューをオフにして、コンポーネントの内部を見ます。
- 一意のビューを作成し、図面のパーツ一覧をフィルタします。たとえば、組み立て手順をドキュメント化します。
- 必要のないコンポーネントをすべてオフにすることで、ポジション リプレゼンテーションを作成するタスクを単純化します。
- 表示していないコンポーネントをオフにすることで、図面ビューの作成が早くなります。たとえば、内部コンポーネントです。
- [詳細レベルにコピー]を使用する前に、詳細レベル リプレゼンテーション作成のためのアセンブリを準備します。
- 派生プロセスに必要なコンポーネントのみに含まれるビュー リプレゼンテーションを作成することで、派生アセンブリを作成するためのアセンブリを準備します。
図面のビュー リプレゼンテーション
ビュー リプレゼンテーションを使用して、図面ビューを作成できます。アセンブリ内で、コンポーネントのビューの向き、表示設定、外観などの属性を指定してビュー リプレゼンテーションを設定します。それぞれのビュー リプレゼンテーションに一意の名前を付けて保存し、図面ビューを作成するときに、使用するビュー リプレゼンテーションの名前を指定します。図面ビューにアセンブリの新しいコンポーネント インスタンスがいつ表示されるかをコントロールするため、ビュー リプレゼンテーションをロックして、
図面ビューとの関連付けを有効にします
。
簡素化されたビュー リプレゼンテーションを使用して、オーバーレイ ビューに必要なコンポーネントのみを表示します。たとえば、各オーバーレイが互いに重なって表示され、さまざまな位置にあるコンポーネントを示す場合などです。
パフォーマンスの向上とメモリの節約を有効に活かすには:
- そのファイルに含まれるグラフィックスがメモリにロードされないように、図面ビューを作成するアセンブリ ファイルを閉じます。
- 図面ファイルで、作成するビューをクリックします。[図面ビュー]ダイアログ ボックスで、必要なコンポーネントのみを表示するビュー リプレゼンテーションを選択します。
ビュー リプレゼンテーション内で非表示になっているコンポーネントはメモリにロードされません。
チームで設計作業を行う場合のビューリプレゼンテーション
チームを組んで設計作業を行う場合、アセンブリ設計の相互に関連する部分を別々の設計者が担当します。各設計者が、特定のグループのコンポーネントを参照します。アセンブリの共有機能によって、設計者はコンポーネントの サブアセンブリ を参照しながら 最上位アセンブリ の共通の部分を表示できます。設計者がアセンブリに対して行うことができる作業は次のとおりです。
- 設計プロセスの特定の要求に合ったビュー リプレゼンテーションに名前をつけて保存します。
- アセンブリが開いているときに名前を指定して再呼び出しできる一意のビューを作成します。ビューでは、別の設計者が同じファイルを開いて作業しているときでも、各設計者が最後にアセンブリを編集したときと同じ内容が表示されます。
- 任意のアセンブリ コンポーネントの外観を非表示にしたり、オーバーライドできます。このような表示特性はビュー リプレゼンテーションに保存され、他の設計者がアセンブリやコンポーネントを編集する場合も、設計者が個別に表示特性を設定できます。
[すべて非表示]ビュー リプレゼンテーション
Autodesk Inventor のビュー リプレゼンテーションを使用すると、コンポーネントの表示設定のオン/オフを切り替えることができるため、大規模なアセンブリでの作業が簡単になります。当面は作業しないコンポーネントの表示設定をオフにすることで、表示上の混乱が少なくなり、コンポーネントの選択が容易になります。
大規模なアセンブリを開くときは、すべてのコンポーネントをオフにした状態で開き、表示するコンポーネントのみを手動でオンにすると便利です。このようにすると、ユーザが選択して表示したいくつかのコンポーネントのみがアセンブリに含まれているかのようにシステムが動作するため、アセンブリの変更に対するシステムの応答性を大幅に改善することができます。
[開く]を使用して(またはクイック アクセス ツールバーから[開く]を選択して)アセンブリを開くときに、[オプション]をクリックして、[すべて非表示]というラベルが付いたビュー リプレゼンテーションを指定します。すると、すべてのコンポーネントの表示設定がオフの状態で開きます。アセンブリ ブラウザにアセンブリの内容が(各コンポーネント アイコンで非表示の色を使用して)表示されるため、作業するコンポーネントのみを手動でオンにすることができます。大規模なアセンブリを開いたり、配置するときに、すべて非表示ビュー リプレゼンテーションを使用すると、すべてのコンポーネントを表示する場合よりグラフィックス メモリの消費が少なくなります。詳細レベル リプレゼンテーションを開くことで、システム メモリの使用量が最小化します。
[開く]を選択し、[すべて表示]ビュー リプレゼンテーションを指定します。 インポートしたビュー リプレゼンテーション
アセンブリをサブアセンブリとして別のアセンブリ内に配置する場合、アセンブリのモデリング中に作成されたビュー リプレゼンテーションが役立ちます。ビュー リプレゼンテーションをインポートすることで、任意の最上位アセンブリ内に、以前に作成したこれらのビューを適用することができます。
以前に作成したビュー リプレゼンテーションを使用してサブアセンブリを配置すると、グラフィックス メモリを効率的に使用することができます。サブアセンブリを最上位アセンブリに配置すると、その表示設定と使用可能の状態が有効になります。必要な情報のみがグラフィックス メモリにロードされます。
アセンブリの他のカスタム ビューと組み合わせたビュー リプレゼンテーション
アセンブリのカスタム ビューを組み合わせて設計意図を提示するにはさまざまな方法があります。
コンポーネント除外。ビュー リプレゼンテーションをポジション リプレゼンテーションとともに使用することにより、アセンブリ内の注目すべき部分を個別に表示できます。たとえば、複数のサブアセンブリの運動学的動作を確認するには、対象のコンポーネントだけを選択して右クリックし、[選択のみ表示]を選択して、その他すべてのコンポーネントの表示設定をオフにします。後から簡単に呼び出せるように、ビュー リプレゼンテーションを作成してこのビューを保存します。
一部のコンポーネントを選択して表示しているときに、右クリックして[選択のみ表示を取り消し]を選択すると、元の表示状態にただちに復帰します。
ビュー リプレゼンテーションをコピーする。同様のビュー リプレゼンテーションを複数使用すると便利な場合があります。たとえば、数通りの位置でサブアセンブリを表示して、コンポーネントを複数のフレキシブル状態で確認する場合です。このような場合、ビュー リプレゼンテーションをコピーし、次にそれぞれのビューを必要に応じて変更します。図面ビューを作成している場合には、変更したビュー リプレゼンテーションを 1 つずつ選択して、それぞれのフレキシブル状態で図面ビューを表示することができます。ビュー右クリック メニューの[詳細レベルにコピー]をクリックすることでも、ビュー リプレゼンテーションを詳細レベルへコピーすることができます。
変更をロックする。ビュー リプレゼンテーションをロックして、コンポーネントの追加などの変更ができないようにしてビューを保護することができます。サブアセンブリのインポートしたビュー リプレゼンテーションを使用して不要な小さなコンポーネントをメモリにロードしないようにしている場合、該当するビュー リプレゼンテーションをロックするために各サブアセンブリを編集する必要があることがあります。このような場合、アクティブなアセンブリ ファイルで、ブラウザでビュー名を右クリックし、次に[ロック]を選択します。ロック シンボル はロックされたビューの横に表示されます。
既定の外観を復元する。特定のコンポーネントに、保存されたコンポーネントの外観と異なる特定の外観を設定する場合があります。コンポーネントの外観を元のスタイルに復元するには、右クリックして、[外観のオーバーライドを削除]を選択します。
プライベート ビュー リプレゼンテーション
プライベート ビュー リプレゼンテーションは Inventor でサポートされなくなりました。プライベート ビュー リプレゼンテーションは、ビュー情報をアセンブリの外側のファイルに格納します。ファイルの拡張子は .idv です。アセンブリにプライベート リプレゼンテーション ファイルが存在する場合、アセンブリを開くとリプレゼンテーション情報がインポートされます。