アセンブリは、物理的なサブアセンブリを組み合わせたパーツで構成されています。設計時には、あるパーツが必要だとわかっていても、サブアセンブリをどのようにグループ化するかがまだ決まっていない場合があります。Autodesk Inventor では、最終的なアセンブリ構造でのコンポーネントの位置を気にせずに、アセンブリにコンポーネントを配置または作成できます。
以前に配置したパーツの実際の位置を変えずに、パーツやグループ化したパーツ、コンポーネント パターン、サブアセンブリ全体をブラウザの階層内で移動できます。
アセンブリの階層内でコンポーネントの位置はどのように変更されるか
コンポーネントは配置された順にブラウザ階層に表示されます。ただし、ドラッグすることによってコンポーネントの位置やコンポーネントが所属するサブアセンブリを変更できます。このほか、右クリック メニューのオプションの[上の階層に移動]または[下の階層に移動]を使用して、ブラウザ階層内でコンポーネントを移動します。
アセンブリ コンポーネントのパターンも、右クリック メニューのオプションの[上の階層に移動]または[下の階層に移動]を使用して位置を変更できます。ただし、コンポーネント パターンをドラッグで移動することはできません。
コンポーネントが所属するサブアセンブリを決めたら、コンポーネントを移動できます。既定では、別のアセンブリから移動したコンポーネントはアセンブリ ツリーの一番下に配置されます。
複数のユーザが使用する設計環境では、ファイルが使用中であったり、変更されないようにロックされていたりすることがあります。コンポーネントを移動するには、元のアセンブリと移動先のアセンブリの両方に対して書き込み権限が必要です。
アセンブリが再作成されるときに、コンポーネントの動きにどのような影響があるか
コンポーネントまたはコンポーネント パターンを別のサブアセンブリに移動するときには、次の点に注意します。
- アセンブリの再作成は、関係に影響する場合があります。
- 移動したコンポーネントのアダプティブ ステータスは保持されます。
- 移動したコンポーネントの有効/無効、表示/非表示、および色のステータスは、新しいアセンブリの、名前の付いたデザイン ビュー リプレゼンテーションで保持されます。
アセンブリが再作成されるときに関係は保持されるか
Inventor は、アセンブリの再作成時にコンポーネント間の関係を維持します。関係が維持されない状況では、この関係が異常 
として識別され、[不具合を表示]、[自由移動]、[Design Doctor]などの修復用のツールが提供されます(「Design Doctor」を参照してください)。
通常、アセンブリ関係が指定されると、それらの関係は、コンポーネントと共通の最も低いレベルの親ノードの配下に配置されます。
- Subassembly1:1 は、Insert:1 拘束によって拘束される Part1:1 および Part2:1 拘束で構成されています。Insert:1 拘束ノードの位置を確認してください。ノードの位置は、Subassembly1:1 コンポーネント間の拘束を表します。
- Subassembly1:1 と Part3:1は Assembly1 内に配置されます。コンポーネントは、互いに Mate:1 拘束によって拘束されます(Part2:1 と Part3:1 間)。ただし、最も低いレベルの共通の親ノードは Assembly1 であるため、そのレベルにある拘束ノードは即座にクリアされません。Subassembly1:1 コンポーネントの Part3:1 が拘束されます。この場合に、拘束の交差コンポーネントを表示するには、ブラウザでカーソルを Mate:1 拘束の上に重ねて止める必要があります。
たとえば、次のいずれかを入力します。
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ブラウザで、コンポーネントの位置を変更すると、最下層の共通の親のルールに従って関係への変更が評価されます。
例: コンポーネントを下の階層に移動
- Part1:1 と Part2:1 は移動されていないので、Insert:1 拘束ノードは、Subassembly1:1 のレベルに残ります。
- Mate:1 拘束が、最下層の共通の親である Subassembly1:1 内に配置されます。Mate:1 が Part2:1 と Part3:1 の間にあることを確認できます。
Part3:1 が Subassembly1:1 に移動されます。
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例: コンポーネントを上の階層に移動
- Part2:1 は Subassembly1:1 内ではなくなったため、Insert:1 固定ノードが、最下層の共通の親である Assembly1 内に配置されます。
- Mate:1 拘束ノードは、依然として最下層の共通の親である Assembly1 内に残されます。
Part2:1 が、Subassembly1:1 から上の階層に移動されます。
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一般的な注意事項
- アセンブリ階層の場合は複雑になり、すべての関係が Inventor によって維持されるようにすることは困難です。アセンブリの再作成後、関係が設計の意図したとおりに設定されていることを確認してください。
- あるコンポーネントを上の階層に移動し、コンポーネントの数が減る場合には、警告のメッセージが表示されます。再作成の操作を続けると、いくつかの関係が孤立します。孤立した関係は、ブラウザ内で異常な関係としてマークされ、修復するか置き換える必要があります。
アセンブリが再作成されるときに iMate は保持されるか
iMate の定義
iMate 定義 が存在するアセンブリ内またはそのアセンブリよりも下にコンポーネントを移動した場合、iMate 定義は固定したまま残され、参照はそのコンポーネントに再接続されます。iMate 定義が存在するアセンブリよりも上にコンポーネントが移動された場合、コンポーネントを参照できなくなるためソース内の iMate 定義は異常となります。
iMate 結果
通常、 iMate 結果 は、コンポーネントが再作成されたときアセンブリ拘束として動作します。ブラウザで、コンポーネントの位置を変更すると、最下層の共通の親のルールに従って iMate 結果への変更が評価されます。
- iMate 結果内の 1 つの交差コンポーネントのみを下の階層に移動する場合、下の階層に移動したコンポーネント内の iMate 定義がターゲット アセンブリにコピーされます。ただし、iMate 結果内の他の交差コンポーネントがターゲット アセンブリの場合、その iMate 結果は削除されます。
- iMate 結果内の 1 つの交差コンポーネントのみを上の階層に移動する場合、iMate 結果がそのコンポーネントと共にターゲット アセンブリに移動されます。他のコンポーネントの iMate 定義は、ソース アセンブリにコピーされます。
- iMate 結果内の 1 つの交差コンポーネントのみをクロスモートする場合、iMate 定義が適切なアセンブリにコピーされ、最下層の共通の親に iMate 結果が存在するように維持されます。
iMate 結果の再作成を実現するには、iMate 定義を次のように更新します。
- コンポーネントの変更によって、iMate 結果に異常が発生した場合は、[不具合を表示]、[自由移動]、[Design Doctor]を使用します。
- iMate 定義は、そのコンポーネントが iMate 結果内の交差コンポーネントである場合にのみコピーされます。
一般的な注意事項
アセンブリが再作成されるときにアセンブリ フィーチャは保持されるか
アセンブリ フィーチャを維持および修復するように試行されます。これには、アセンブリの再作成操作の影響を受けるアセンブリ スケッチも含まれます。再作成されたコンポーネントのいずれかが次の状態にある場合、アセンブリ フィーチャは再作成の操作の影響を受けたとみなされます。
- アセンブリ フィーチャの交差コンポーネント リスト内にある
- アセンブリ スケッチのスケッチ平面を定義するために使用されている
- アセンブリ スケッチ内にジオメトリを関連付けて投影するために使用されている
- アセンブリ フィーチャの端末処理に使用されている
アセンブリ フィーチャが、アセンブリ関係のようにアセンブリ再作成の操作で移動されることはありません。影響を受けたフィーチャは現在の位置で修復が試行されます。再作成の操作によって、コンポーネントがフィーチャから可視でなくなった場合や、コンポーネントの数が減った場合には、アセンブリ フィーチャの修復はできません。異常のあるフィーチャの特定や修復には Design Doctor を利用します。
アセンブリが再作成されるときにコンポーネント パターンは保持されるか
アセンブリの再作成操作の影響を受けたアセンブリのコンポーネント パーツは、自動的に修復するように試行されます。パターンが自動的に修復されない場合、そのパターンは異常となり、最も適切な対処方法を決定する必要があります。アセンブリ コンポーネント パターン は、次にいずれかが発生した場合に影響を受けます。
- 再作成されたコンポーネントが、方向や回転の軸のパターンを定義するために使用されている場合
- 再作成されたコンポーネントが、関連するパーツ パターンを検出するパターンの機能に不可欠なものの場合
- 再作成されたコンポーネント パターンが、外部にある再作成されないコンポーネントを使用している場合。パターン外部のコンポーネントは、(複数の)方向ベクトルを定義するためや、特定のパーツ パターンを結合的に参照するために使用されます。