熱伝達

金型は熱を吸収して金型外に伝達するため、熱交換器として考えることができます。

金型の主な熱源は、キャビティに充填された高温の樹脂です。ホット ランナーも熱源になります。

金型充填中の除熱は、次の 3 つのメカニズムによって行われます。

冷却回路内の冷媒流
溶融樹脂から金型に伝達した熱の約 80~95% は、金属から冷却管の表面に伝導により移動し、熱伝達流体に放散されます。
射出成形機金型への伝導
熱の大部分は冷媒流によって取り除かれます。金型を高温で稼動している場合、金型を伝わり外部に放出される熱が、溶融樹脂から供給される熱量を超えることもあります。
外部への対流と放熱
熱の金型表面上の対流と成形機への伝導は、通常、熱流量全体の 5~15% しか占めないため、あまり重要性は高くありません。通常、放射される熱流は全体の 5 % 以下であるため、金型が高温である場合 (85 ℃以上の場合) にのみ放射伝熱を考慮します。

溶融樹脂からの熱供給に加えて、ホット ランナーおよびマニホールドによっても金型は加熱されます。冷媒が気温よりもはるかに高温である場合は、冷媒は熱源となります。

エアー ギャップ

空気の層が、効果的な熱伝達を妨げることがあります。このため、金型インサートと金型プレートの間のエアー ギャップ、および冷却管内のエアー ポケットを除去する対策を講じます。

温度差

成形品の表側と裏側の温度差を最小限に保持し、高精度が要求される成形品では 10℃ を超えないようにします。