従来の射出成形のモデリングに比べ、ガスアシスト充填+保圧解析のモデリングでは、ガスが浸透する領域のメッシュの詳細に注意を払う必要があります。
これには、特定のモデリングとメッシュの技術が必要となります。
ガスアシスト プロセスの主な目的は、ガスのキャビティ壁面への漏れや大気への放出を防止して、最大限にガスを注入することです。そのためには、ガスのフロー パスと浸透を解析で正確に予測することが必要です。解析精度は、フロー パスの形状とメッシュ品質に依存します。
ガス チャンネル (一般に厚肉リブ) は、樹脂に浸透するガスの推奨流路を示します。この流路は、管の幅と厚みの比率に応じて、シェルまたはビーム要素を使用して、モデリングおよびメッシュ化を行います。
一般に、ガスアシスト成形のリブのある成形品の設計では、下図に示すように、幅と厚みの比率が 4:1 を超えています。
このようなリブ形状(a)は、リブ形状に応じて、肉厚が段階的に変化する領域(b)としてモデリングします。階段状形状の最適なモデリングには、下図に示すように、肉厚変化領域をモデリングする必要があります。解析の不安定化を防止するため、フロー ソルバは階段状に肉厚変化する領域を滑らかにします。肉厚変化領域を設けることで、より的確にリブ形状を表現できます。
上図の内、下の 2 つの図が解析によって解釈された形状です。肉厚変化領域のモデリング (R) の形状定義がより正確なことが分かります。
ガス チャンネル断面の幅と厚みの比率が 4:1 未満の場合、下図のように、ガス チャンネルは、適切な断面寸法を設定した[成形品ビーム]タイプのカーブとしてモデリングします。ビーム要素は、幅と厚みの比率が 4:1 未満の厚肉リブのエッジ全体の熱伝達効果をより的確に表現できます。熱伝達は冷却および固化層の予測の主要な決定要素です。このため、ガス浸透ルートを定義する上で重要な要素となります。
下図は、ビーム要素としてモデリングする必要のある他のガス チャンネルの例です。
ガス浸透の予測精度は、最終ガス フロー フロントの任意の点のメッシュ要素に依存します。このため、ガスが浸透する可能性の高い近接した領域には、可能な限り低アスペクト比の小さな要素を割り当てるべきです。以下はシェルタイプのメッシュ作成時の目標です。
小さな要素は、グローバルエッジ長を低い値に設定する、または、対象領域のローカル メッシュ密度を調整することで生成できます。