3D 充填+保圧解析オプション

流動現象は、非ニュートン粘性に対しては、Navier-Stokes 方程式を使用した 3D メッシュでモデリングします。 速度、精度、メモリ使用を考慮した調整に使用できる多数のオプションがあります。 特に、慣性効果のシミュレーションをオン/オフにするオプションを使用することで、解析速度を大幅に向上できます。

慣性効果のシミュレーション

非ニュートン粘性に対する完全な古典的な Navier-Stokes 方程式(慣性を含む)は、計算時間が長くなりますが、最も完全なソルバー オプションです。慣性とは、運動量方程式の質量 - 速度項です。これは流体に速度がある場合は、他の力がそれに作用しない限り、その速度を維持する傾向があることを意味します。他の力には、せん断変形に起因する粘性力 (応力) が含まれます。特に樹脂射出成形において、粘性応力は慣性項と比べて非常に大きいものです。これは溶融樹脂の粘度が相対的に高く (空気などの他の流体と比較して)、樹脂が射出されるキャビティが狭いためです。つまり言い換えると、射出成形では、流動のレイノルズ数が通常 1 よりもかなり小さく、慣性項は大きくないということです。

一般に、レイノルズ数が 1 よりも大きいことが予想される場合、慣性オプションを使用します。その場合にも、解析にこのような精度が必要であるかを検討してください。小さなゲート領域には高い速度が見られることがあります。しかし、ゲートが全体の射出圧力に対して与える影響が小さい場合には、慣性オプションを使用しても結果には大きな違いはありません。

慣性項を運動量方程式から取り除いた場合、計算は簡素化され、解析速度の向上が見られます。大抵、慣性項を取り除いても、射出成形の予測には差が見られないため、慣性オプションをオフにすることをほとんどのユーザーにお勧めできます。慣性項を含まない Navier-Stokes 解析は、Stokes 解析と呼ばれることがあります。解析速度は、約 10%~30% 速くなります。

既定では慣性オプションはオフになっています。

重力効果のシミュレーション

ほとんどの成形状況では、射出および応力などによって引き起こされる他の力に比べて、重力は大きな要因ではありません。しかし、重力の影響をモデリングする必要がある場合は、このオプションを使用することができます。

GPU テクノロジ

GPU(グラフィックス プロセッシング ユニット)カードを使用することで、解析でカード自体で集中的な数値計算ができるため、3D 流動解析の解析速度が速くなります。このオプションを並列化と一緒に使用した場合、解析速度の大幅な改善が実現できます。

GPU テクノロジは既定でオンになっています。