絶対および相対充填プロファイル

ラム速度プロファイルおよび充填プロファイルには、基本的に異なる 2 つのプロファイルがあります。

射出成形機を選択していない場合は、相対ラム速度プロファイルが使用できます。スクリュー直径や最大値射出率などの主要な成形機パラメータが分かっている場合は、絶対ラム速度プロファイルが使用できます。

クッション警告限界を入力できますが、これはプロファイルには影響を与えません。クッションとは、スクリュー前進位置とゼロ スクリュー位置の間の距離であり、キャビティの充填後にバレル内に残った樹脂を含みます。クッション内の樹脂の大部分は、保圧段階における補充のために使用します。解析中にスクリューがクッション警告限界を超えると、警告が発生します。

特に成形機限界を設定しない限り、下表の既定の設定が使用されます。

5000 cm3/s

最大成形機射出率

180MPa

最大成形機射出圧力

7000 ton

最大成形機型締力

注:

相対プロファイル

相対プロファイルは、成形品、ランナー システム、ゲートの形状から決定する総射出容量またはストロークの関数から、ラム速度を適用します。相対プロファイルは、通常、実際の射出成形機を選択していないときに使用します。

次の相対ラム速度プロファイルが使用できます。
  • 流量 % VS 射出体積 %
  • ラム速度 % VS ストローク %

相対ラム速度プロファイルのストローク 100 パーセントとは、可塑化後に次のショット開始準備が完了しているときのスクリュー位置を指し、ストローク 0 パーセントとは射出完了時のスクリュー位置を指します。射出体積 100 パーセントとは成形品が完全に充填していることを示し、射出体積 0 パーセントとは射出がまだ開始していないことを示します。

注: 最大ストローク パーセンテージ値に 100 未満の値、または、最小ストローク パーセンテージ値に 0 を超える値を入力した場合は、最も近いデータ入力のラム速度パーセンテージ値を使用してプロファイルが拡張されます。たとえば、下の表 1 のプロファイルは、表 2 のプロファイルように拡張されます。
元のプロファイル
ストローク % ラム速度 %
80 75
60 100
40 50
20 10
プロファイルの拡張
ストローク % ラム速度 %
100 75
80 75
60 100
40 50
20 10
0 10

絶対プロファイル

絶対プロファイルは、スクリュー直径や最大射出率などの主要な成形機パラメータが分かっている場合に使用します。絶対ラム速度プロファイルを使用して解析を実行することで、成形機を使用して取得される実際の結果とシミュレーションの結果を比較できます。

絶対ラム速度プロファイルは、射出成形機プロパティに次の成形機の設定を使用します。このダイアログボックスにアクセスするには、[プロセス設定] [ホーム]タブ > [成形プロセス設定]パネル > [プロセス設定]を選択し、[アドバンス オプション]を選択し、[射出成形機]を編集し、[射出装置]タブを選択し、[スクリュー直径]を入力します。

ストロークまたはラム位置は正の値として測定されます。これは、ラムがバレル終端に達したために、これ以上前進できない点からのオフセットです。開始ラム位置は射出容量を定義します。プロファイルのラム位置が射出容量と一致しないときは、プロファイルは開始ラム位置値まで拡張されるか、開始ラム位置値で中断されます。

絶対プロファイル ステップのゼロまたは負の速度値は無視されます。

次の絶対ラム速度プロファイルを使用できます。
  • ラム速度 VS ラム位置
  • 流量 VS ラム位置
  • 最大ラム速度 % VS ラム位置
  • ラム速度 VS 時間
  • 流量 VS 時間
  • 最大ラム速度 % VS 時間