キャビテーションとは、多くの高速液体流れで発生する物理的な現象です。液体圧力が蒸気圧を下回ると、液体の中に蒸気泡が形成されます。キャビテーションは、高性能のバルブや流れを制御する装置、ポンプ内でよく見られ、これらの装置の効率を大幅に悪化させる場合があります。キャビテーションが長く続くと、装置の孔食、壊食が発生する恐れがあり、費用のかかる停止期間や修理の必要性につながります。
キャビテーションモデルは蒸気泡の体積分率を計算し、流れの中での気泡の発生と位置を予測します。これは小さいキャビテーション領域の予測に最も適しており、大量の蒸気が発生するような場合には適していません。キャビテーションモデルは小さな気泡の集まりを想定しており、全体的なキャビテーション領域に対応したものではありません。
キャビテーションを有効にすると、液体の圧力は飽和蒸気圧を下回りません。(キャビテーションを無効にすると、圧力は???理的制限を下回るまで低下することが許容されます)。これにより、キャビテーションが存在する場合に、壁面の計算によって計算される力の精度が向上します。
使用方法
液体のキャビテーションをシミュレートするには:
- 流体部品に液体材料相を割り当てます。
- キャビテーションが予測される領域にメッシュを集中させます。これを行うにはメッシュ細分割領域が有効です。
- キャビテーションを有効にするには実行クイック編集ダイアログを開き、物理現象タブのアドバンストをクリックします。キャビテーションを選択します。
- 流れが温度変化にさらされる場合、液体材料は温度によって変化(浮力)しますが、蒸気状態での飽和蒸気圧は一定に保たれます。
キャビテーションが発生している液体の蒸気プロパティを定義するには:
- 材料エディタで液体材料を開き、相ボタンをクリックします。
- 2つの変化方法は、飽和蒸気圧と結合された蒸気材料です。
- 液体の蒸気圧(蒸気状態にある時)を指定するには飽和蒸気圧を選択します。
- デフォルト材料データベース内のほとんどの液体には材料定義の一部として蒸気圧が保存されています。蒸気圧の値が保存されていればこのフィールドは自動的に入力されます。
- 蒸気圧がわかっており、別の材料に蒸気プロパティが定義されていない場合にはこのオプションを使用します。
- また、これはキャビテーションの計算をしない場合にも、液体のクリッピング圧力を指定するのに使用できます。これは液体で物理的に発生することのできる最小圧力です。この値以下の圧力が計算された場合この値にリセットされます。
- 蒸気材料を選択された液体材料に関連づけるには結合された蒸気材料を選択します。
- 別の材料に蒸気特性を定義している場合にはこのオプションを使用します。
- これを使用するには、メニューから蒸気材料を選択します。同じ材料データベース内の材料のみが使用できます。(リンクされる蒸気材料は材料の液相と同じ材料データベース内になくてはなりません。)
- 液体材料にリンクされた蒸気材料は、液体材料の定義からリンクが削除されない限りデータベースから削除できません。
注: 液体の蒸気状態がどの材料データベースでも定義されていない場合には、水蒸気の物性値が使用されます。
可視化
解析の実行後に、キャビテーション蒸気体積分率のプロットにより、キャビテーションが発生している領域を可視化します。この数は0~1の間を変化する小数で、1は100%の蒸気泡を示します。キャビテーションの場所を可視化する最も便利な方法は、等値面を使用する方法である。値を1(またはそれに近い値)にすると、キャビテーションが発生している領域を3次元で確認できます。
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[計算]ダイアログにおけるキャビテーションの設定
数学的基盤