熱解析にいくつかの非線形効果(温度依存のプロパティ、輻射など)が含まれると、ログ ファイルに収束履歴が記録されます。反復が開始されると、アナリストはこのテキストを監視することにより、解析を停止してパラメータを変更する必要があるかを判断しやすくなります。解析を再度実行する必要がある場合、収束パラメータを変更することで解析結果をより早く得られます。
収束履歴に含まれる各列は次のとおりです(図 1 を参照)。
01 | **** BEGIN NON-LINEAR ITERATIONS | ||||
02 | Nonlin Iter. | Incr. Norm(T) | Incr. Norm(Q) | Rel. Norm(T) | Rel. Norm(Q) |
03 | ------ | ------ | ------ | ------ | ------ |
04 | 1 | 1.134E+02 | 1.024E+02 | 2.630E+00 | 3.333E+00 |
05 | 6 | 8.471E+00 | 1.039E+02 | 1.351E-01 | 4.422E-01 |
06 | 11 | 2.025E+00 | 2.997E+01 | 3.033E-0 | 9.484E-02 |
07 | 16 | 3.682E-0 | 7.019E+00 | 5.461E-03 | 2.085E-02 |
08 | 21 | 6.236E-02 | 1.504E+00 | 9.233E-04 | 4.409E-03 |
09 | 25 | 1.488E-0 | 4.227E-01 | 2.203E-04 | 1.236E-03 |
10 | **** END NON-LINEAR ITERATIONS | ||||
11 | |||||
12 | **** CONVERGED SOLUTION OBTAINED | ||||
図 1: ログ ファイルのサンプル テキスト
後続の説明を補助するために行番号が追加されています。 |
上記の説明では、サンプル ログ ファイルは次のように解釈できます。
解析に温度依存の熱生成が含まれると、生成される熱の量は温度が計算されるまでわかりません。この問題は上述のとおり反復解となります。計算済みの熱生成は、各タイム ステップの最後 3 つの反復で指定されます。非定常熱伝導解析では、結果は各タイム ステップではサマリー ファイルに、最後のタイム ステップではログ ファイルに含められます。定常熱伝導解析の場合、結果は両方のファイルに含められます。(サマリー ファイルおよびログ ファイルを表示するには、レポート環境を使用します。例として、次の行があります。
**** The specified heat source generated
8.233E+00 8.234E+00 8.235E+00 (Energy/time)
in the last 3 iterations, respectively.
これらの行では、生成された熱が最後 3 つの非線形反復においてわずかに変化し、解の収束が見込まれることを示しています。さらに重要なこととして、最後の値 8.235 energy/time はモデル内のすべての温度依存の熱生成の合計であることが挙げられます。エネルギーと時間の単位は、ファイル冒頭付近でリストされるモデル単位に基づきます。