制御温度

制御温度の機能

  • 制御温度はモデル内の節点、表面、またはパーツに割り当てることができます。複数の節点を選択している場合、各節点には制御温度パラメータが割り当てられています。表面の制御温度は、選択した表面上の各節点に温度を割り当てます。パーツ制御温度は、選択したパーツの各節点に制御温度を割り当てます。
  • 定常熱伝導解析では、制御温度は解析を通じて節点を一定の温度に固定するために使用されます。熱は、[剛性]フィールドで指定された熱剛性を伴う要素を通じて、モデル上の節点に伝達されます。熱流は、節点制御温度および節点の計算された温度の差と剛性の積に等しくなります。剛性値が高いと、モデル上の節点が、適用された節点温度の大きさに近づきます。剛性値が低いと、モデル上の節点の温度が、節点制御温度の大きさとは大幅に異なる可能性があります。剛性値が適切なものであったかを判断するには温度結果を確認します。
    • 非定常熱伝導解析では、制御温度は解析を通じて節点の温度を制御するために使用できます。任意の一定時間における制御温度の大きさは次のとおり計算されます。

      ここで

    • TRef は制御温度(周囲ソース/シンクの温度)です。
    • 荷重関数は([荷重曲線]画面内の)荷重曲線について定義される係数です。
    • スケール係数は、[制御温度]ダイアログ ボックスで定義される[スケール]値です。
    • 剛性は、[制御温度]ダイアログ ボックスで定義される[剛性]です。
    • 節点温度は、制御温度について定義される大きさです。
    注: TRef を求める計算において、スケール係数と剛性は互いに打ち消しあうように見えますが、このことはスケール係数と剛性に任意の値を使用できることを示すものではありません。剛性値によって周囲(TRef)から節点までの熱伝達率が制御されるため、剛性は適切に(この場合は高く)設定する必要があります。 計算式を見ると、時間に対する節点の温度を制御する最も容易な方法は、節点制御温度 0 と、剛性値に等しい尺度値を加算することです。その後、荷重曲線に、解析を通じて目的の温度に等しい係数を割り当てます。たとえば、t = 2 秒における荷重曲線係数が 150、スケール係数と剛性がともに 1E8 と定義され、制御温度の大きさが 0 と定義されている場合、2 秒の時点における節点温度は 150 となり、上記の計算式の結果は Tref = (150 * 1E8 / 1E8) + 0 = 150 となります。

制御温度を適用する

節点、表面、またはパーツを選択している場合、表示領域を右クリックして[追加]プルアウト メニューを選択できます。[節点制御温度][表面制御温度]、または[部品制御温度]コマンドをそれぞれ選択します。このコマンドには、リボンからアクセスすることもできます([セットアップ] [熱荷重] [制御温度])。

[大きさ]フィールドに各選択オブジェクトに適用される制御温度の大きさを、[剛性]フィールドに制御温度の剛性を指定します。 大きな剛性値を使用して、節点を[大きさ]に入力された値で固定します(モデル内の材料の伝導率よりも 2 ~ 3 オーダ高い大きさ)。

非定常熱伝導解析を実行する場合で、解析を通じて節点の温度を変化させるときは、[時間によって変化]チェック ボックスをアクティブにします。解析を通じて節点制御温度の大きさを制御する荷重曲線を指定します。荷重曲線は[解析パラメータ]ダイアログ ボックスで定義する必要があります。[尺度]フィールドに制御温度の尺度を指定します。これが節点の温度にどのように影響するかについては、上述のトピックを参照してください。

制御温度を解析の途中でアクティブにする場合は、[有効化時間]フィールドにこの時間を指定します。ここで指定した時間まで、制御温度はモデルに影響しません。有効化時間に、荷重曲線は時間 0 の係数から開始し、解析時間が終了するまで継続します。

ヒント:
  • 解析時に制御温度が適切に使用されるためには、[解析パラメータ]ダイアログ ボックスの[乗数]タブで[境界温度乗数]を割り当てる必要があります。[境界温度乗数]は温度を調整するものです。乗数を 0 に設定することによって、節点指定温度が無効になることはありません。乗数を 0 に設定すると、大きさが 0 に変更されます。
  • 複数のパーツが合流する重複した頂点への節点荷重の適用方法に関する情報については、「荷重および拘束」ページの「重複した頂点への荷重と拘束の適用」のコメントを参照してください。