Autodesk 疲労解析ウィザード

疲労解析ウィザード ソフトウェアを使用すると、どの経験レベルの CAE エンジニアも有限要素解析の結果を利用して、高度で正確な疲労寿命計算を実行することができます。このソフトウェアは、30 年以上にわたる有限要素解析と耐久性評価の経験と知識を兼ね備えた CAE エンジニアたちが開発に従事しました。

疲労解析ウィザードでは、複雑な疲労寿命計算の実行に必要な作業をステップ バイ ステップで行うことができます。解析結果は、疲労解析ウィザードのポスト プロセッサを使用して寿命または安全率として表示したり、Autodesk® Simulation Mechanical にエクスポートして表示することができます。疲労解析ウィザードを使用すると、最小限の作業と時間でカスタマイズ可能なレポートを作成できます。

疲労解析ウィザードを起動するには

Simulation Mechanical リボンに表示される[疲労解析]コマンドから疲労解析ウィザードを起動します。このコマンドは、[解析]タブの[解析]パネルにあり、FEA エディタ環境および結果環境で表示されます。

注: 大きなモデル、または多くの荷重ケースや時間ステップのあるモデルでは、ファイルを準備し、疲労解析ウィザードにデータを転送して開始するのに 30 秒以上かかる場合があります。その間、何も起こっていないように見えることがありますが、しばらくすると進行状況バーが表示されます。コマンドを複数回クリックしないでください。
注: 疲労解析が完了すると、Simulation Mechanical の結果環境ウィンドウを閉じ、再度開くことが必要な場合があります。これによって利用可能な結果を再び読み込んで、新しく作成された疲労解析結果を選択および表示できるようになります。

サポートされる解析および要素タイプ

疲労解析ウィザードは、次の 3 つの Simulation Mechanical 解析タイプの結果をサポートしています。

次のソリッド要素のみがサポートされています。

重要: FEA [要素タイプ][4 面体]で、[要素定義]ダイアログ ボックスで中間節点が有効になっていない場合は、疲労解析を実行しないでください。また、中間節点の有無に関係なく、[要素タイプ][4 面体]である場合、非線形構造解析シミュレーションから疲労解析を実行しないでください。いずれの場合も、エラーメッセージが表示され、疲労解析は中止されます。

疲労解析ウィザードの機能

すべての機能を搭載(SN および EN)

疲労解析ウィザードでは、従来の応力に基づいた(SN)解析から、塑性補正を伴う低サイクルのひずみに基づいた(EN)解析に至る、さまざまな解析の結果を対象に高度な疲労寿命解析を実行できます。標準的な方法に基づいて、平均応力補正を考慮に入れることができます。サーフェス仕上げや温度などの疲労修飾子をすべて使用できます。疲労解析ウィザードの機能の詳細については、各機能のリンクをクリックして参照してください。

複数の荷重ケース(非比例)

疲労解析ウィザードでは、複数の荷重ケースの応力解析結果を基に疲労計算を実行できます。最大 30000 個の点で構成される個別の荷重履歴を使用して、複数の荷重ケースの解析結果を個別にスケーリングしたり、結合した荷重ケースとして解析することができます。また、個別の荷重ケースの応力状態を順番に使用して、繰り返し応力履歴を作成することもできます。

各荷重ケースと荷重履歴を個別にスケーリングして、荷重ケースに対する疲労寿命の感度を特定できます。

材料データベース

疲労解析が成功するかどうかは、材料データの精度によって全面的に決まります。疲労解析ウィザードには、応力-寿命曲線(SN)、ひずみ-寿命曲線(EN)、および BS7608 の溶接継手の豊富なデータベースが付属しています。利用可能になったデータをデータベースに追加することができます。

疲労解析ウィザードは、標準的な経験的関係に基づいて、利用可能な材料特性からひずみ寿命材料データを推定する機能を備えています。

ポスト プロセス

疲労解析ウィザードはポスト プロセス ツールを備えています。ウィザードのインタフェース内に OpenGL の解析結果ポスト プロセッサが搭載されています。寿命または安全率のコンターを確認してから、what-if 解析を実行することができます。

疲労解析ウィザードは自動レポート作成ツールも備えています。実行する解析の要約レポートを作成してエクスポートすることができます。この機能により、解析に費やす時間を最大限に活用できます。

解析オプション

疲労解析ウィザードには、追加の詳細フォームがあります。解析オプションでは、平均応力補正および使用する FEA 応力をコントロールできます。また、ランク付けされた最大応力範囲に基づいて、解析する FEA モデルの部分を制御することもできます。疲労解析からパーツを除外することもできます。

符号付きフォンミーゼス応力、トレスカ応力、最大絶対主応力などの相当応力を使用して、疲労計算を実行できます。また、分解されたサーフェス垂直応力またはサーフェスせん断応力を使用する臨界面法も実施できます。

解析速度

疲労解析ウィザードには、計算速度の向上を図るためのオプションが複数用意されています。必要な速度、信頼性、および目的の出力に応じて、オプションを個別に選択できます。モデル全体を解析したり、モデルのパーツを解析することができます。定義したグループに基づいてモデルを選択的に解析したり、ランク付けされた最大応力範囲に基づいて指定した節点の割合でモデルを選択的に解析することができます。