モデル

コマンドの起動方法: [メッシュ] [メッシュ] [3D メッシュ設定] [オプション] [モデル]ボタン

[モデル メッシュ設定]ダイアログ ボックスの[オプション]ボタンをクリックし、[モデル]アイコンをクリックすると、[一般]タブがあるダイアログ ボックスが表示されます。[モデル]アイコンは、[モデル メッシュ設定]ダイアログ ボックスの[メッシュ タイプ]領域でどのラジオ ボタンをクリックしても表示されます。

[モデル] [一般]タブに表示されるオプションは、[メッシュ] [メッシュ] [VCAD を使用]チェック ボックスのオン/オフによって異なります。下記で説明するコントロールごとに、VCAD メッシャを使用する場合のコントロールか、従来のメッシャを使用する場合のコントロールか、どちらのメッシャでも指定できるコントロールかを明記しています。

注: VCAD とは、メモリ内での CAD モデルの表現である仮想 CAD のことです。[メッシュ] [メッシュ] [VCAD を使用]チェック ボックスをオンにすると、仮想 CAD メッシュ エンジンが使用されます。オフにすると、旧バージョンの 21 メッシュ作成ルーチンが使用されます。従来のメッシュ エンジンよりも仮想 CAD メッシュ エンジンの方が多くの利点があるため、従来のメッシュ エンジンは、特定のモデルで仮想 CAD メッシュ エンジンを使用して問題が生じた場合にのみ使用することをお勧めします。

[一般]タブ

[既定 メッシュ作成オプション]領域:

[サーフェスメッシュを自動的に細分化]: (従来のメッシュ エンジンを使用する場合にのみ指定可能)モデルのメッシュ作成時に[一般]タブのこのチェック ボックスをオンにすると、モデルにサーフェス メッシュが作成されます。サーフェス メッシュの作成後に、ジオメトリに応じて細分化節点が追加されます。モデルは細分化節点が有効になった状態でメッシュが再作成されます。[モデル メッシュ設定]ダイアログ ボックスの[メッシュ タイプ]領域で[ソリッド]ラジオ ボタンをクリックした場合は、ソリッド メッシュが作成されます。

[ジオメトリ ベースの自動メッシュ サイズ関数を使用]: (VCAD メッシュ エンジンを使用する場合にのみ指定可能)通常、複数の入力項目を設定する必要があるサーフェスメッシュのさまざまな特性を 1 つのコントロールで定義します。一般的には、曲面領域のメッシュを自動的に細分化します。個別の効果の要約を次の表に示します。

オンにした場合

オフにした場合

(スライダによる)自動の割合に基づいてメッシュ サイズが設定されると、パーツごとに異なるメッシュ サイズが使用されます。メッシュ サイズは、個別のパーツのサイズ、曲線の数、パーツの境界領域の寸法、曲線の長さの平均値などを基準にします。

メッシュ サイズは、パーツごとに同一であり、モデル全体のサイズを基準にします。

サーフェスの曲率に応じて、より高い精細度で曲面のメッシュが作成されます。平面要素と曲面との偏差などに基づいて制限が適用されます。

曲面は、ユーザが入力したメッシュ サイズとリファインメント設定に基づいてメッシュ作成されます。

メッシュ サイズは、曲面について異方性があります。つまり、要素の幅で除算した要素の長さの比率は 1 に強制的に近似されません。たとえば、メッシュ サイズが 1 インチだとします。半径 0.5 インチ、長さ 20 インチのフィレットのメッシュの場合、要素のサイズは約 0.25 インチ×1 インチになります。

メッシュ サイズは等方性があります。幅で除算した要素の長さは 1 に近似します。

[モデル メッシュ設定][サーフェス]ダイアログ ボックスの[オプション]タブのリファインメント設定は無効になります。ユーザは値を設定できません。

リファインメント設定を変更できます。

一般的に既定のメッシュ サイズは大きくなります。

一般的に既定のメッシュ サイズは小さくなります。

[解析時にソリッド メッシュを作成]: (両方のメッシュ エンジンで指定可能)[モデル メッシュ設定]ダイアログ ボックスの[メッシュ タイプ]領域で、このチェック ボックスをオンにして[ソリッド]ラジオ ボタンをクリックすると、解析が実行されるまでモデルのソリッド メッシュは作成されなくなります。これは、ソリッド メッシュの作成に長時間を要する大きなモデルの場合に役立ちます。このオプションをオンにすると、メッシュの作成と解析を別々に処理するのではなく、メッシュの作成時間と解析時間が組み合わされます。このチェック ボックスをオフにすると、サーフェス メッシュが作成された直後にモデルのソリッド メッシュが作成されます。

[ソリッド メッシュ用のスレッド/コアの数]: ソリッド メッシュの作成時に使用するコンピュータのスレッド/コアの数を設定します。既定値は[すべて]です。

ソリッド メッシュを作成する場合、サーフェス メッシュの検証時に複数のコアが使用されます。その他のメッシュ処理では、1 つのコアが使用されます。各パーツは、複数のコア間で分割されずに 1 つのコアでメッシュ作成されます。

[バーチャル インプリンティングを使用]: (VCAD メッシュ エンジンを使用する場合にのみ指定可能)オンに設定した場合、異なる CAD パーツの面がメモリ内で分割され、追加のサーフェス番号が作成されずに、分割された面が互いに交差します(つまり、サーフェス間で仮想インプリンティングが行われます)。仮想モデルは、サーフェス メッシュ作成の基礎として使用されます。一致する仮想サーフェスは一度しかメッシュ作成されないため、メッシュの質が高くなります。オフに設定した場合、メッシュの一致は、パーツの両方のサーフェスをメッシュ作成して、一方のパーツのメッシュが他方のパーツのメッシュと一致するよう調整することで行われます。図 1 を見てください。

ヒント: スマート接着(下記の「[可能な時には接触ペアのメッシュをマッチさせない]」を参照)を最大限に活用するには、[バーチャル インプリンティングを使用]をオフにします。これにより、メッシュの不一致が促進されます。ただし、モデルの他のパーツでサーフェス接触を使用する場合は、[バーチャル インプリンティングを使用]をオンにすると有効です。

[許容誤差]: バーチャル インプリンティングの許容誤差は、メッシュ一致許容誤差とは別に指定します。[バーチャル インプリンティングを使用]チェック ボックスのすぐ下にある[許容誤差]フィールドを使用して、交差を作成する距離の範囲内となる、サーフェスと隣接するフィーチャとの間の最大距離を指定します。有効な交差が欠落している場合は、許容値を大きくします。近接はしているが実際には接触していないオブジェクトの間に不要な交差が作成されている場合は、許容値を小さくします。

(a) 複数のパーツのアセンブリで構成されるソリッド モデルの例

(b)[バーチャル インプリンティングを使用]をオフにした場合。矢印の位置に仮想サーフェスは作成されません。

(c)[バーチャル インプリンティングを使用]をオンにした場合。ポールのサーフェスが分割され、矢印で示した位置でガセットが接触し、モデルの仮想コピーで新しいサーフェスが作成されます(実際のモデルでは新しいサーフェスは作成されません)。

図 1: ソリッド モデルでのバーチャル インプリンティングの使用

注: バーチャル インプリンティングは隣接するパーツが接触している場合に行われるため、パーツが 1 つのモデルで作業している場合、[バーチャル インプリンティングを使用]は表示されず、無効になります。

[パーツ内でのインプリンティングを実行]: 単一のパーツ内の異なるサーフェスが互いに接している仮想交差を作成します。この操作は、パーツ間のインプリンティングに類似しています。この機能は、プレート/シェルの FEA モデルの基礎として使用する CAD サーフェス モデルで役立ちます。このようなモデルでは、各モデルが複数の異なるサーフェスから構成される単一のパーツを頻繁に使用しますが、隣接するサーフェスとの交差が発生するサーフェスに沿ったフィーチャ ラインが存在しません。

(a) 1 つのパーツで構成されるプレート モデルの例

[パーツ内でのインプリンティングを実行]をオフにした場合。矢印の位置に仮想フィーチャ ラインは作成されません。ガセットのメッシュはポールのメッシュと一致しない可能性があります。

[パーツ内でのインプリンティングを実行]をオンにした場合。ポールのサーフェスが分割され、矢印で示した位置でガセットが接触し、モデルの仮想コピーで新しいフィーチャ ラインが作成されますメッシュは一致します。(実際のモデルでは、新しいフィーチャ ラインは作成されません)。

図 2: プレート/シェル モデルでのバーチャル インプリンティングの使用

注:
  • モデルのサーフェス分割は、インプリンティングに類似していますが、別の機能です。サーフェス分割では、実際のモデルで追加のサーフェスとフィーチャ ラインが作成されます。サーフェス分割は、サーフェス領域が共通しているパーツ間でのみ機能します。一方、インプリンティングは、パーツ間および単一のパーツ内で機能します。インプリンティングは、領域、ライン、および点の交差も作成できます。サーフェス分割の詳細については、「モデルを開く」の「サーフェス分割」を参照してください。
  • [バーチャル インプリンティングを使用]は、あるサーフェスのフィーチャ ラインが、隣接するパーツのサーフェスまたは隣接するサーフェスと交差する位置を検出します。2 つのサーフェスが互いに通過する場合(干渉など)、交差は作成されません。
  • 前述の[許容誤差]値はパーツ間およびパーツ内のインプリンティング両方に適用されます。

[メッシュ一致]領域

CAD モデルは完璧ではありません。完璧な接触でパーツを作成しても、サーフェスの内部を表示すると、対応するサーフェスが実は一致していない場合もあります。また、製作したパーツにより寸法が変わる可能性があっても、機械加工によるストレスのない条件でパーツが作成される場合もあります。たとえば、作成した圧入アセンブリのパーツに干渉があるとします。メッシュ一致許容誤差は、このような不一致を補正する目的で使用します。メッシュ一致許容誤差の範囲内にある任意の 2 つの節点は一致すると見なされます。

[サーフェス許容誤差のベース]: (両方のメッシュ エンジンで指定可能)

  • [サーフェスのメッシュ サイズの割合]: このオプションを選択した場合、[許容誤差]フィールドの値と(周辺領域にある)要素の長さの平均値の積で定義された半径の範囲内にある節点が検索されます。この半径の範囲内にある節点は一致していると見なされます。したがって、メッシュ サイズが変わると、モデルの領域ごとにマッチング許容誤差も変わります。
  • [絶対長さ寸法]: このオプションを選択した場合、一致するサーフェスのメッシュの一致を図る、各節点の[許容誤差]フィールドで指定した半径の範囲内にある節点が検索されます。
  • [自動メッシュ作成サイズの割合]: このオプションは、[許容誤差]フィールドの値で乗算したメッシュ サイズの距離の範囲内にある場合、節点は一致していると見なされる点で[サーフェスのメッシュ サイズの割合]と似ています。相違点は、対象の領域にある要素のサイズがメッシュ サイズの基準にならない点です。代わりに、100% のメッシュ サイズで作成された場合のメッシュのサイズが基準になります。したがって、メッシュ サイズが異なっていたり、リファインメントを使用しても、許容誤差の寸法は影響を受けません。ただし、100% のメッシュ サイズは、メッシュ作成用に選択されたパーツの影響を受けます。

[許容誤差]: メッシュを一致させる一致サーフェス上の節点の検索範囲(距離)を指定します。この値の意味は、[サーフェス許容誤差のベース]ドロップダウン ボックスで選択したオプションによって決定します(長さの単位による寸法または乗数)。

[可能な時には接触ペアのメッシュをマッチさせない]: (VCAD メッシュ エンジンを使用する場合にのみ指定可能)このオプションは、メッシュの一致または 2 つの接触サーフェスの位置合わせを強制しない場合に使用します。 メッシュが一致しなくなるため、パーツは互いに接続しなくなります。(ただし、メッシュ サイズ自体は変わらないため、サーフェスの面積が同じ場合は一致する可能性があります)。このオプションは次のような状況の場合にのみ使用します。

  • 解析でスマート接着を使用するように設定した場合(「メッシュ作成の概要」の「接触ペアを作成する」の「接触のタイプ」を参照)
  • 2 つのサーフェス間にサーフェス間接触を定義した場合のメカニカル イベント シミュレーション(MES)および非線形応力解析(2 つの接触サーフェス間でメッシュの一致を行わないため、解析の処理速度が向上します)

他の解析タイプの場合、接触タイプを[自由]に設定すると、パーツが分離できるようになるため、このオプションと同じ目的を実現できます。

注:
  • [可能な時には接触ペアのメッシュをマッチさせない]が機能するには、モデルのメッシュ作成を行う前に、適用可能な接触タイプを定義します。モデルのメッシュを作成した後に、適用可能な接触タイプを定義した場合は、節点の一致を強制しないようにモデルのメッシュを再作成する必要があります。
  • メッシュの位置が必ず一致する場合もあります。同じサイズの 2 つの立方体が接触しているとします。4 つのコーナーが同じ位置にあるため、これらの節点は一致します。その他のメッシュは一致を強制されません。4 つのコーナーは一致しますが、モデルの解析時に個別の分離した節点が作成されます。
  • MES では、サーフェス間接触で[点間]接触タイプを使用する場合、[可能な場合、接触ペアのメッシュを一致させない]を使用しないでください。[点間]接触タイプでは、メッシュを一致させる必要があります。