一般に、FEA では、正確な結果を得るために必要なメッシュ サイズを決めることが課題となります。CAD モデルを使って作業する場合は、この課題を解決するメッシュ評価ウィザードを使用できます。メッシュ評価ウィザードでは、さまざまなメッシュ サイズでのモデルのメッシュ分割、解析の実行、および結果の問い合わせを自動で行います。
モデルを設定する
メッシュ評価を実行する前に、次の手順に従って設定を行います。
- Autodesk Simulation で CAD モデルを開きます。
- 解析タイプを[線形材料による静解析]に設定します。
- メッシュ タイプ(ソリッド、中立面、プレート/シェル )、細分化節点、メッシュ一致の許容誤差など、特殊なメッシュ化オプションを必要に応じて設定します。
- サーフェス、エッジ、またはパーツの荷重や拘束をモデルに追加します。CAD パーツに追加される節点荷重は、評価中は保持されません。
- 必要に応じて、モデルをメッシュ化します。
- 要素定義を設定します。
- 材料特性を設定します。
- 解析パラメータを設定します。
- 必要に応じて、[モデルをチェック]を実行するか、または解析を実行します。
ヒント:
- モデルおよび設定に問題がないかどうかを確認するために、モデルを事前にメッシュ分割することをお勧めします(ただし必須ではありません)。
- 細分化節点を追加する場合は、メッシュ サイズ タイプではなく分割係数タイプを使用することをお勧めします。この方法では、細分化ポイントの周りのメッシュが、すべての反復で同じサイズになるのではなく、メッシュ サイズ全体よりも小さい係数になります。(詳細については、「細分化節点」を参照してください。)
- モデルおよび設定に問題がないかどうかを確認するために、[モデルをチェック]または解析を実行することをお勧めします(ただし必須ではありません)。
メッシュ評価を設定する
[解析]
[解析]
[メッシュ スタディ ウィザード]をクリックし、[次へ]をクリックして設定を開始します。
モデルが既に開かれており、適用可能な設計シナリオがロードされている場合:
現在ロードされている設計シナリオがメッシュ評価の基準として使用されます。「すべてのメッシュ評価で共通のステップ」の手順に進みます。
現在モデルが開かれていない場合:
Autodesk Simulation セッションが空白の場合、メッシュ評価ウィザードに追加の画面が表示され、使用するモデルと設計シナリオを指定します。
[モデルを選択]: 参照ボタンをクリックして、モデルの場所に移動します。モデルは、設計シナリオが少なくとも 1 つ含まれていて、解析タイプは「線形材料による静解析」であることが必要です。[開く]をクリックしてモデルを読み込みます。[次へ]ボタンをクリックして次に進みます。
[設計シナリオを選択]: メッシュ評価に使用される設計シナリオを選択します。解析タイプが「線形材料による静解析」である設計シナリオのみ使用できます。[次へ]ボタンをクリックして次に進みます。残りの手順については、「すべてのメッシュ評価で共通のステップ」で説明します。
注: 選択した設計シナリオはモデル内で変更されません。代わりに、評価パラメータで指定したメッシュ サイズごとに新しい設計シナリオが作成されます。
すべてのメッシュ評価で共通のステップ:
[メッシュ サイズ]: このステップでは、評価用に使用するメッシュ サイズを設定します。
- 使用するメッシュ サイズ コントロールのタイプを[タイプ]ドロップダウン ボックスで指定します。選択可能なオプションは、[自動百分率]および[絶対メッシュサイズ]です。これらのオプションについては、「モデル メッシュ設定」の「サーフェス」を参照してください。)
- メッシュ サイズの範囲を、[開始サイズ]フィールドと[終了サイズ]フィールドで指定します。
- 解析の実行回数を、[総反復数]フィールドで指定します。開始時のメッシュ サイズと終了時のメッシュ サイズの差は、総反復数の値に応じて均等に分割されます。たとえば、反復が 2 回の場合、解析は開始サイズと終了サイズで実行されます。反復が 3 回の場合は、解析は開始サイズ、終了サイズ、およびその中間のメッシュ サイズで実行されます。
[次へ]ボタンをクリックして次に進みます。
[結果の定義]: このステップでは、各解析について記録される結果、およびその結果が生じた大まかな場所を設定します。設計の評価が完了すると、メッシュ サイズと結果のグラフが表示されます。
- [位置]ドロップダウン ボックスで、[要素節点]と[節点]の 2 種類の結果を選択できます。[要素節点]は、要素ベースの結果で、すべての要素のすべての節点での結果が与えられます。そのため、複数の要素が共有している節点は複数の結果を持つことになります。このタイプに該当するのは、応力やひずみに関する結果です。[節点]は、節点ベースの結果で、節点での結果のみが与えられます。このタイプに該当するのは、変位や反力に関する結果です。
- 記録する基本の結果タイプを[出力計算]ドロップダウン ボックスで選択します。選択できるオプションは、[位置]ドロップダウン ボックスで何を選択したかによって異なります。基本の結果タイプについては、次の 2 つのドロップダウンを使用してさらに詳しい設定ができます。たとえば、フォンミーゼス応力、または最大主応力を得るには、[出力計算]で[応力テンソル]を選択します。
- 結果タイプに対して実行する演算を、[単項演算子]ドロップダウン ボックスから選択します。この演算はベクトル値(応力テンソルなど)をとり、演算結果は単独のスカラー値となります(ベクトル値の 1 つの成分を抽出、または結果としてスカラー値が得られる計算を実行)。したがって、[出力計算]でスカラーの結果を選択した場合は、[単項演算子]で選択できるオプションはありません。ひずみテンソルまたは応力テンソルを選択した場合は、個々のテンソル、フォンミーゼス、トレスカ、または主応力の値を演算子として選択できます。節点の結果を選択した場合は、X、Y、Z のいずれかの成分、または大きさを演算子として選択できます。
- モデルから得られる値のうち記録対象にするものを、[アグレゲータ]ドロップダウン ボックスで指定します。メッシュ評価では、各解析についてモデル全体から得られる結果が 1 つ記録されます。たとえば、最大の結果や、全結果の合計などを選択できます。
注: 要素節点の結果では、平滑化されない値が使用されます。要素ベースの結果と節点ベースの結果、平滑化された結果と平滑化されない結果の詳細については、「結果」>「
結果環境」を参照してください。
メッシュ評価の実行
ウィザードの[完了]ボタンをクリックして先に進みます。ウィザードに、新しい設計シナリオの生成、メッシュ分割、解析の実行などの処理の進行状況が表示されます。処理の各ステップですべての反復が実行されてから、次のステップが開始されます。つまり、最初に新しい設計シナリオがすべて作成され、次にそれらがメッシュ分割され、その後解析が実行される、というように処理が行われます(それぞれのステップで進行状況バーが 0 ~ 100% まで進みます)。
結果を表示する
メッシュ評価が完了すると、結果とメッシュ サイズのグラフが表示されます。グラフ ウィンドウ内で右クリックすると、レイアウトをカスタマイズしたり、グラフを画像として保存するなど、グラフに関する各種機能を実行できます。(このグラフは、結果環境に表示されるグラフと同様に動作します。したがって、こうしたグラフのカスタマイズやエクスポート操作に慣れている場合は、メッシュ評価のグラフも同じように操作できます。)
また、各解析の結果は新しい設計シナリオとしてモデルに保存されます。Autodesk Simulation でモデルを開き、目的の設計シナリオを読み込めば、入力や結果を確認することができます。
結果グラフを表示する
メッシュ評価を実行した後は、次の方法で結果のグラフを表示できます。
- [マイ コンピュータ]を開いて、モデルが保存されているフォルダの内容を表示します。
- 別のウィンドウで[マイ コンピュータ]を開き、Autodesk Simulation のインストール フォルダ(たとえば、C:¥Program Files¥Autodesk¥Autodesk Simulation (この後にソフトウェアのバージョン番号が付きます))の内容を表示します。
- 1 つ目のウィンドウから modelname.msw というファイルをドラッグし、2 つ目のウィンドウの MeshStudyViewer.exe プログラムにドロップします。