注:
このセクションの情報は、サーフェス荷重をサポートするすべての線形構造解析および非線形構造解析に適用されます。
軸受荷重は円筒サーフェスにのみ適用できます。サーフェスは、完全な 360°の円筒である必要はなく、円筒の一部である場合があります。また、サーフェスが CAD ベースのモデル、手動で作成したモデル、または構造メッシュに属している場合もあります。軸受荷重は、シャフトと軸受またはブッシング間の接触領域で発生する一般的な圧縮荷重の分布を表します。
軸受荷重の特性
- 軸受荷重は、ラジアル荷重、スラスト荷重(軸方向)、またはその両方で構成されます。
- 軸受荷重は節点力に変換されます。この変換の効果は結果環境で確認できます。エッジおよびコーナーの節点の力は、サーフェスの内部にあり、隣接する節点の力と比較して大幅に小さくなります。この挙動は正常です。これは、エッジまたはコーナーの荷重が、内部にある節点の場合よりも小さな要素の面の面積に関連しているためです。
- スラスト荷重は、次に示すように、選択した円筒サーフェスのすべての節点に沿って分布されます。
- ラジアル荷重は、放物線状に分布して適用され、ラジアル ベクトルの方向から +/- 90°の円筒の最大荷重領域に常に制限されます。次の各図を確認してください。これらの図は、状況によってラジアル荷重がどのように分布されるかを示しています。
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(a)完全な 360°の円筒サーフェスにかかるラジアル荷重 |
(b)ラジアル方向のベクトルとエッジが交差する半円筒にかかるラジアル荷重。この例のエッジは 6 時と 12 時の位置にあります。 |
(c)ラジアル方向のベクトルがサーフェスの中央を通過する 180°未満の円筒にかかるラジアル荷重 |
(180°の荷重領域) |
(90°の荷重領域) |
(サーフェス全体に適用される荷重) |
重要: 単一の軸受荷重に含まれている部分サーフェスの数に関係なく、ダイアログ ボックスの[大きさ]には、
合計
荷重の大きさの値を指定します。この対応は、選択した各エンティティに指定の大きさを適用する他の Autodesk Simulation の荷重と異なります。たとえば、円筒を 4 つの 90°のサーフェスに分割し、選択した 4 つのサーフェスすべてに 1,000 ポンドの軸受荷重を定義する場合、合計荷重は 1,000 となります。一方、1,000 ポンドのサーフェス力を適用する場合、合計荷重は 4,000 ポンド(1 サーフェスにつき 1,000 lbs. x 4 サーフェス)となります。
- 円筒サーフェスの軸方向は自動的に計算されます。スラスト ベクトルの方向は、常に軸方向であるため手動で指定できません。ただし、[ベクトル方向を切り替える]ボタンをクリックして、方向を逆にすることはできます。
- ラジアル荷重の方向は次の 3 種類の方法で指定できます。
- [X]、[Y]、または[Z]ラジオ ボタンを使用して、全体方向を指定します。
- [X]、[Y]、および[Z]フィールドにカスタム ベクトル成分を手動で入力します。
- [ラジアル ベクトル セレクタ]ボタンをクリックし、モデル上で点を 2 つクリックして、方向をグラフィカルに指定します。
指定したベクトルがサーフェスの純ラジアル方向に対して傾斜している場合は、純ラジアル方向と一致するよう自動的に調整されます。
- 軸受荷重は、内部サーフェス(軸受内径の内側など)または外部サーフェス(軸受が配置されるシャフト延長部など)に対して作用する場合があります。ソリッド要素の場合、次の図に示すように内部荷重と外部荷重の特定が自動的に行われます。
ベクトルの方向はどちらのパーツでも同じです。選択したサーフェスに基づいて、荷重が内部か外部かが特定されます。この例の場合、どちらの荷重も +Y 方向で適用されます。左側の荷重はブッシングの内部サーフェスに適用されます。右側の荷重は外部サーフェスに適用されます。
- 平面要素(プレート/シェル)の場合、荷重を内面に適用するか、外面に適用するかを指定する必要があります。プログラムでは、ベクトルだけで目的の荷重を推測することはできません。平面要素に軸受荷重を適用する場合、ダイアログ ボックスに追加の入力フィールド([荷重の適用先])が表示されます。他の要素タイプの場合、このフィールドは表示されません。次に示すプレート/シェルの例を確認してください。
ベクトルの方向はどちらのパーツでも同じです(+Y)。左側の荷重は[内面]オプションを選択した場合に発生します。右側の荷重は[外面]オプションを選択した場合に発生します。
注: [軸受荷重オブジェクト]ダイアログ ボックスで指定する内面または外面は、要素の法線点と無関係です。要素の法線点は、他のタイプの荷重で平面要素の方向を設定する場合に使用します。