線形 4 面体要素は、4 節点の一定応力要素のまたは 10 節点の線形応力要素のどちらかです。これらの要素は 1 節点あたり 3 自由度(X、Y、Z 方向それぞれの移動自由度)を持つ 3D 空間で形成されます。10 節点要素はアイソパラメトリック要素のため、応力は節点で計算されます。適用される要素ベースの荷重は次のとおりです。
図 1: 10 節点 4 面体要素
4 面体要素のサーフェス番号の決定
4 面体要素のサーフェス番号に荷重を適用する場合、一部のモデルは同一サーフェス番号にロードされるサーフェス上のラインが足りないことがあります。この状態では次のような現象が起こります。モデルが CAD ソリッド モデルを元とする場合、CAD モデルのサーフェスに一致するすべての面は、ラインのサーフェス番号に関わらず、荷重を受けます。自作モデルのパーツと CAD パーツとの関連付けが外れるように変更された自作モデルと CAD パーツ上では、サーフェスを定義する 3 本のラインのうち 2 本が共通であるサーフェス番号により、要素面のサーフェス番号が決定されます。
4 面体要素は本質的に回転自由度(DOF)を持つことはできません。これは、境界条件の適用時にこれらの DOF を解放した場合でも同様です。ただし必要であれば、並進 DOF を適用することはできます。
このパーツの 4 面体要素にアクティブな中間節点を追加する場合、[中間節点]ドロップダウン メニューの[含む]オプションを選択します。このオプションを選択した場合、4 面体要素に各エッジの中点で定義した節点が追加されます。(CAD ソリッド モデルのメッシュでは、中間節点は、メッシュ作成前に選択したオプションに応じて、CAD サーフェスのオリジナルの曲率に従います。変更される自作のモデルおよび CAD モデルでは、中間節点はコーナー節点間の中間に置かれます。)4 節点 4 面体要素が 10 節点 4 面体要素に変わります。中間節点が追加された要素は、勾配計算でより正確な結果が得られます。この効果は、屈曲した平面での複数要素の曲げ挙動をモデル化しようとする場合に特に有効です。中間節点を持つ要素は処理時間が増大します。メッシュが極めて小さい場合は、中間節点による大幅な正確性向上は見込めないことがあります。
次に、このパーツの 4 面体要素に使用する積分オーダを[積分オーダ]ドロップダウン メニューで選択します。長方形の要素の場合は、[第 2 オーダ]オプションを選択します。中程度に変形した要素の場合は、[第 3 オーダ]を選択します。過度に変形した要素には、[第 4 オーダ]を選択します。要素剛性の定式化にかかる計算時間は、積分オーダの 3 乗に比例して増大します。このため、許容できる結果が導かれる積分オーダのうち最も次数の小さいものを使用した方が、処理時間を短縮できます。
このパーツで熱応力解析を実行する場合は、このパーツの要素で熱誘起応力が生じない温度を[応力なしの参照温度]フィールドに指定します。熱増加の拘束に関連付けられた要素ベースの荷重は、節点データラインに対して指定した温度の平均を使用して計算されます。参照温度は、温度変更の計算で使用されます。熱荷重は、その他のタイプのメンバー荷重を取得するために使用される場合があります。こうした場合には、等価な温度変化(dT)が使用されます。