シーンのレンダリングには、Quicksilver ハードウェア レンダラーや NVIDIA® iray® レンダラーも使用できます。
レンダリングを説明している他のチュートリアルでは、既定のスキャンライン レンダラーまたは mental ray レンダラーのいずれかを使用しています。Autodesk 3ds Max 2015 の Quicksilver ハードウェア レンダラーは、インタフェースが強化され、フォトリアリスティックなレンダリング以外のスタイルにも対応しています。このリリースで新たに導入された iray レンダラーでは、わずかな事前設定だけで物理的に正確なレンダリングを行うことができます。
スキル レベル: 初級から中級
所要時間: 45 分(完全な iray レンダリングを作成する場合はさらに 1 時間以上)
ご使用のグラフィック ハードウェアが何であるか分からない場合は、3ds Max で[ヘルプ](Help)
[ビデオ ハードウェアを診断](Diagnose Video Hardware)を選択してください。すると、ご使用のグラフィック構成の詳細が記載されたダイアログ ボックスが表示されます。これに含まれる[GPU シェーダ モデル サポート](GPU Shader Model Support)にシェーダ モデルのバージョン番号が記載されています。
システムで Quicksilver ハードウェア レンダラーを実行できない場合は、次の「iray レンダラーによる物理的に正確なレンダリング」セクションに進んでください。
シーンを設定する:
窓と椅子があるリビングのシーンが表示されます。壁には絵が飾られています。

Quicksilver レンダラーを使用してシーンをレンダリングする:
([レンダリング設定](Render Setup))をクリックします。
[共通](Common)タブで、[レンダリングを割り当て](Assign Renderer)ロールアウトまで下にスクロールします。このロールアウトが開いていない場合は開きます。
([レンダラーを選択](Choose Renderer))ボタンをクリックします。 
プロダクション レンダラーは、完成した出力のレンダリングに使用されるレンダラーです。
3ds Max によって[レンダラーを選択](Choose Renderer)ダイアログ ボックスが開きます。

3ds Max によって、Quicksilver レンダラーを使用してシーンがレンダリングされます。

Quicksilver レンダラーでは、レンダリングするシーン データの準備にシステムの CPU を使用します。実際のレンダリングの実行には、グラフィック カード(グラフィックス プロセッシング ユニット、GPU)を使用します。シーンを初めてレンダリングするときは、レンダリングで使用するシェーダを CPU でコンパイルする必要があります。これには少し時間がかかりますが、この処理が必要なのはシェーダごとに 1 回だけです。以降のレンダリングは最初のレンダリングよりも高速です。たとえば、あるシステムではこのシーンを最初にレンダリングするのに 1 分 45 秒ほどかかりますが、以降のレンダリングには 30 秒もかかりません。
Quicksilver ハードウェア レンダラーでは、使用できるマテリアルとマップ(シェーダ)の種類が制限されています。詳細については、「Quicksilver ハードウェア レンダラー」を参照してください。
Quicksilver レンダラーでは、シーンをすばやくレンダリングするために、影などのシーンの細部が簡略化されます。これは、同じシーンを Quicksilver でレンダリングしたものと iray でレンダリングしたもの(このレッスンで後ほど示します)を比較するとよくわかります。
Quicksilver レンダラーのフォトリアリスティック以外のスタイルを試す:
[ビジュアル スタイル](Visual Style)グループで、[レンダリング レベル](Rendering Level)ドロップダウン リストをクリックして開き、そのリストから[グラファイト](Graphite)をクリックして選択します。 
3ds Max によって今度は鉛筆によるスケッチのスタイルで、シーンが再度レンダリングされます。

その他のフォトリアリスティック以外のスタイルでも椅子のレンダリングを試してみてください。
iray レンダラーでは、光路のトレーシングによってイメージを生成します。これは特に、反射(このシーンのような光沢反射など)や自己照明オブジェクトのレンダリングに適しています。Quicksilver レンダラーと同様に、使用できるマテリアルとマップ(シェーダ)の種類は制限されています。詳細については、「iray レンダラー」を参照してください。物理学に基づいたマテリアル(Autodesk マテリアルなど)とフォトメトリック ライトを使用したシーンであれば、iray レンダラーを使用して、物理的に正確なレンダリングを作成できます。
iray レンダラーは CPU だけで実行することができ、特別なグラフィック カードは必要ありません。ただし、CUDA (Compute Unified Device Architecture)に対応したグラフィックス プロセッシング ユニット(GPU)を備えたグラフィック カードを使用すれば、結果には影響せずに、iray レンダラーのパフォーマンスを向上させることができます。
シーンを設定する:
iray レンダリングを作成する:
([レンダリング設定](Render Setup))をクリックします。
[レンダリングを割り当て](Assign Renderer)ロールアウトで、[プロダクション](Production)ラベルの右にある
([レンダラーを選択](Choose Renderer))ボタンをクリックします。 
3ds Max によって[レンダラーを選択](Choose Renderer)ダイアログ ボックスが開きます。


iray レンダラーのメインのコントロールで設定する項目はレンダリングの時間だけです。時間、分、および秒で時間を設定するか、反復の回数を指定するか、または無制限にレンダリングを実行するように設定することができます。夜間にレンダリングを実行する場合は、[制限なし](Unlimited)オプションが適しています。
[反復](Iterations)の値を既定の 500 のままにした場合、このシーンのレンダリングには 5.5 分ほどかかります(デュアルプロセッサの 64 ビット システム、2.6GHz、グラフィック カード アクセラレーションありでテスト)。レンダリングが期待よりも長くかかっている場合は、キャンセルして反復の回数を減らすことができます。
3ds Max によって、iray レンダラーを使用してシーンがレンダリングされます。
1 回目の結果は、暗くてざらつきもかなりあります。

反復のたびに細部が鮮明になり、ざらつきが減っていきます。何回か反復処理すると、シーンがはっきり見えるようになってきます。

500 回まで反復が完了すると、次のようになります。

Quicksilver の[リアリスティック](Realistic)モードでレンダリングした結果と比較すると、ライトと影がはるかに鮮明になり、前の結果では確認できなかったカーテンとその影の細部が表現されています。絵のライトと反射も鮮明になっています。
影の暗い部分にまだ少しざらつきが残っていますが、無制限にレンダリングを実行すると修正されます。

[制限なし](Unlimited)オプションは夜間に実行すると便利ですが、このモデルの場合は、影の部分のざらつきを修正してもそれほど時間はかかりません。
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