ファイル パス変数

MAYA_APP_DIR

これは、個人的な Maya アプリケーション ディレクトリを定義するための変数です。このディレクトリには、プロジェクトの他、次のような重要な項目が含まれます。

  • prefs ディレクトリ
  • projects ディレクトリ
  • mayaRenderLog.txt
  • mayaLog
  • mayaJournal
  • scripts ディレクトリ
  • Maya.env の作成を選択した場合は、このファイルもこのディレクトリに保存されます

MAYA_APP_DIR はオペレーティング システムからのみ設定できます。Maya.env は使用できません。Mac OS X オペレーティング システムでこの変数を設定した場合、ターミナル(Terminal)ウィンドウから Maya を起動する必要があります。 このようにしない場合、Maya は設定値を使用しません。

MAYA_APP_DIR 変数を設定しない場合、既定値は次のようになります。

  • Windows XP

    ¥Documents and Settings¥<username>¥My Documents¥maya

  • Windows Vista および Windows 7

    ¥Users¥<username>¥Documents¥maya

  • Mac OS X

    ~<ユーザ名>/Library/Preferences/Autodesk/maya

  • Linux (64 ビット)

    ~<username>/maya

MAYA_CMD_FILE_OUTPUT

この変数はスタートアップ時に cmdFileOutput コマンドを有効にして、スクリプト エディタ(Script Editor)の内容を自動的に指定したファイルに出力します。ファイル名を指定しない場合は、エラーは標準エラー出力(たとえばターミナル ウィンドウ)に送られます。この機能は、Maya がスタートアップ時にクラッシュした際、エラー メッセージをトラッキングするのに便利です。

注:

スクリプト エディタ(Script Editor)の内容は、スクリプト エディタ(Script Editor)と指定した出力位置の双方に表示されます。

MAYA_CUSTOM_TEMPLATE_PATH

アトリビュート エディタを使用した場合: この変数は、カスタムのアトリビュート エディタのテンプレートがあるディレクトリをオーバーライドするために使用されます。既定は Maya のインストール ディレクトリの scripts¥AETemplates フォルダです。

ノード エディタを使用した場合: カスタム アトリビュートのリストのテンプレートを作成することによって、各ノードに表示されるアトリビュートのリストをカスタマイズすることができます。次に同じノードを作成するときに、Maya では既存のテンプレートを検索します。1 つが検出された場合、ノードは作成されたカスタム アトリビュートのリストで表示されます。カスタム テンプレートが見つかったネットワークの場所にこの環境変数を設定することで、ネットワーク上で他のユーザとこれらのテンプレートを共有することができます。詳細については、「ノード アトリビュートのリストをカスタマイズする」を参照してください。この環境変数は、Windows 上および Mac OS X/Linux 上で分けられる複数のパスをサポートしています。

MAYA_CUSTOM_TEMPLATE_WRITE_PATH

ノード エディタで使用する場合。カスタム アトリビュートのリストのテンプレートを作成することによって、各ノードに表示されるアトリビュートのリストをカスタマイズすることができます。既定では、テンプレートが $MAYA_APP_DIR/<app_ver>/[localized]/prefs/viewTemplates/ に保存されますが、この環境変数を必要な場所に設定することで、既定の場所をオーバーライドすることができます。詳細については、「ノード アトリビュートのリストをカスタマイズする」を参照してください。

MAYA_FILE_ICON_PATH

この変数は、Maya 3.0 以降は使用されていません。代わりに変数 XBMLANGPATH を使用してください。

MAYA_MODULE_PATH

Maya モジュール ファイルへの検索パスを定義します。モジュール ファイルには、モジュールとして配布されているプラグインのインストール場所が記述されています。Maya ではこのインストール場所のサブディレクトリを、パス変数である MAYA_PLUG_IN_PATH、MAYA_PRESET_PATH、MAYA_SCRIPT_PATH、PYTHONPATH、および XBMLANGPATH に付加します。詳細については、後述する変数の個別の説明と、「Maya プラグインの配布」(Maya 開発者ヘルプ)を参照してください。

次の表は、既定のパスをまとめたものです。これらのパスは、必ず、ユーザが指定したパスの後に来ます。

Windows の既定

<ユーザ ディレクトリ>/My Documents/maya/2015/modules

<ユーザ ディレクトリ>/My Documents/maya/modules

C:/Program Files/Common Files/Autodesk Shared/Modules/maya/2015

C:/Program Files/Common Files/Autodesk Shared/Modules/maya

<Maya ディレクトリ>/modules/
Mac OS X と Linux の既定

$MAYA_APP_DIR/maya/2015/modules

$MAYA_APP_DIR/maya/modules

/usr/autodesk/modules/maya/2015

/usr/autodesk/modules/maya

注:

作成するファイル パスにスペースを使用すると、ファイル パスが Maya では表示されないため、ディレクトリ内に格納されているアイコン イメージ ファイルにアクセスできない場合があります。この問題は、ファイル パスにスペースを使用しないことで回避できます。

MAYA_MOVIE_DIR

この変数は、ムービー ファイルが保管されているディレクトリの設定をオーバーライドするために使用されます。既定は $MAYA_LOCATION/movies です。

MAYA_LOCATION

Maya のインストール ディレクトリへのパス。この変数を設定しない場合、既定で/usr/autodesk/maya<バージョン番号> (Linux)またはC:¥Program Files¥Autodesk ¥Maya<バージョン番号> (Windows)が使用されます。

Mac OS X では、Maya は /Applications/Maya 2015/Maya.app としてインストールされます。Mac OS X アーキテクチャでは Maya アプリケーション パッケージのコンテンツにアクセスすることが難しくなっているため、Mac OS X では MAYA_LOCATION を使用しないことを強く推奨します。代わりに、次の場所を使用してください。

MAYA_PLUG_IN_PATH

プラグインの検索パス。プラグインが相対パス名で指定されている場合、このパス内のディレクトリから指定されたプラグイン名が検索されます。また、プラグイン マネージャ(Plug-in Manager)にリストされるディレクトリは、このパスにより定義されます。さらに、Maya の起動時に検出される各モジュール ファイルについては、モジュールのルート ディレクトリの plug-ins サブディレクトリが、MAYA_PLUG_IN_PATH に付加されます。詳細については、前述の MAYA_MODULE_PATH 変数の説明と「複数ファイル モジュールの配布」(Maya 開発者ヘルプ)を参照してください。

Windows の既定

<ユーザ ディレクトリ>/My Documents/maya/2015/plug-ins

<ユーザ ディレクトリ>/My Documents/maya/plug-ins

<Maya ディレクトリ>/bin/plug-ins

Mac OS X の既定

ホーム フォルダ下: Library/Preferences/Autodesk/maya/2015

ホーム フォルダ下: Library/Preferences/Autodesk/maya

/Users/Shared/Autodesk/maya/2015

/Users/Shared/Autodesk/maya

Maya パッケージ内: /Applications/Maya 2015/Maya.app

Linux の既定

$MAYA_APP_DIR/maya/2015/plug-ins

$MAYA_APP_DIR/maya/plug-ins

/usr/autodesk/userconfig/maya/2015/plug-ins

/usr/autodesk/userconfig/maya/plug-ins

$MAYA_LOCATION/bin/plug-ins

注:

MAYA_PLUG_IN_PATH 環境変数に複数のパスを追加する場合、パスを Mac OS X ではコロン(:)、Windows と Linux ではセミコロン(;)で区切る必要があります。

MAYA_PRESET_PATH

Maya プリセットのロケーションを定義します。パスのエントリはそれぞれ、attrPresets ディレクトリの上にあるディレクトリを示します。さらに、Maya の起動時に検出される各モジュール ファイルについては、モジュールのルート ディレクトリの「presets」サブディレクトリが、MAYA_PRESET_PATH に付加されます。詳細については、前述の MAYA_MODULE_PATH 変数の説明と「複数ファイル モジュールの配布」(Maya 開発者ヘルプ)を参照してください。

MAYA_PROJECT

スタートアップ時に、プロジェクト フォルダの場所を指定します。

プリファレンス(Preferences)ウィンドウのファイル/プロジェクト > プロジェクトの設定(File/Projects > Project Settings)カテゴリにある常時このプロジェクトで開始(Always start in this project)フィールドに、このフォルダ場所が表示されます。変数の設定後、プロジェクト フォルダの場所をプリファレンス(Preferences)ウィンドウから変えることはできません。変数を変更するか、除去する必要があります。

注:

Maya 2013 以降、Linux と Mac の各プラットフォームに関して、lastLocalWS によって示されるディレクトリにアクセス可能であることを、Maya で使用する前に確認するチェック機能が装備されています。 このディレクトリには 555 (r-xr-xr-x)パーミッションが付与されている必要があります。そうでない場合、このディレクトリに 444 (r--r--r--)パーミッションしか付与されていなければ、Maya で使用することはできません。cdls も機能しません。

lastLocalWS 以外にも、Maya のスタートアップ時に使用しようとする他のワークスペースがあり、これらのワークスペースにも同じチェックが適用されます。これらのワークスペースが Maya で使用される順序は以下のとおりです。

  • -proj コマンド ラインの引数から取得された値
  • MAYA_PROJECT 環境変数から取得された値
  • InitialProject optionVar (つまり、常時このプロジェクトで開始(Always start in this project)というラベルが付いたプリファレンス)
  • lastLocalWS optionVar (最後にアクティブだったワークスペースの記憶の終了時に Maya で自動的に保存される)
  • 既定のプロジェクト
MAYA_PROJECTS_DIR

プロジェクト フォルダの場所を指定します。

プリファレンス(Preferences)ウィンドウのファイル/プロジェクト > プロジェクトの設定(File/Projects > Project Settings)カテゴリにある既定のプロジェクト ディレクトリ(Default projects directory)フィールドに、このフォルダ位置が表示されます。変数の設定後、プロジェクト フォルダの場所をプリファレンス(Preferences)ウィンドウから帰ることはできません。変数を変更するか、除去する必要があります。

MAYA_SHELF_PATH

シェルフにアクセスするために Maya が検索するディレクトリに指定します。異なる製作グループがアクセスできるロケーションにシェルフを保存します。その後、各作成グループが、それぞれのワークステーションの MAYA_SHELF_PATH 変数を設定します。

MAYA_SHELF_PATH を使用して複数のディレクトリを指定する場合は、ディレクトリの間をコロンで区切って入力します。たとえば、Production/shelf:Shot/shelf:MyDir/shelf では、3 種類のシェルフ ディレクトリが指定されています。起動時、Maya はシェルフをインスタンス化するために、指定された順序で各ディレクトリを検索します。MAYA_SHELF_PATH で指定されたディレクトリを検索した後、Maya は続けて既定のシェルフ ディレクトリからシェルフを追加します。あるシェルフの存在が確認されたら、その後検索したディレクトリに同じ名前のシェルフがあっても、これは無視されます。

新たに作成されたシェルフは、必ず既定のシェルフ ディレクトリに保存されます。これを共有するには、このシェルフを MAYA_SHELF_PATH に指定されているディレクトリの 1 つに移動します。

シェルフ ディレクトリへのアクセスを制限するには、このディレクトリへの書き込みを禁止します。ユーザが(すべてのシェルフを終了、または保存するときに)制限つきのシェルフ ディレクトリにアクセスしようとすると、警告が表示されます。

MAYA_SCRIPT_PATH

MEL スクリプトの検索パスを、コロンで区切って指定します。未解決の MEL プロシージャが呼び出された場合、このプロシージャを実装するスクリプトが、このパスから検索されます。また、フル パスを指定せずに MEL ファイルをソースにした場合もこのパスが検索されます。

さらに、Maya の起動時に検出される各モジュール ファイルについては、モジュールのルート ディレクトリの script サブディレクトリが、MAYA_SCRIPT_PATH に付加されます。詳細については、前述の MAYA_MODULE_PATH 変数の説明と「複数ファイル モジュールの配布」(Maya 開発者ヘルプ)を参照してください。

重要: カスタム スクリプトパスとカスタム シェルフ パスの両方を定義する(つまり、MAYA_SHELF_PATH と MAYA_SCRIPT_PATH の両方を設定する)選択をした場合、MAYA_SHELF_PATH を最初に(MAYA_SCRIPT_PATH の前に) Maya.env にリストする必要があります。
MAYA_TOOLCLIPS_PATH

ツールクリップの内容を Maya が検索するディレクトリに指定します。

MAYA_TOOLCLIPS_PATH を使用して複数のディレクトリを指定する場合は、ディレクトリの間をコロンで区切って入力します。たとえば、<drive:>¥<path>;<drive2:>¥<path2> では、2 種類のツールクリップ フォルダが指定されています。起動時、Maya は指定された順序で各ディレクトリを検索します。MAYA_TOOLCLIPS_PATH で指定されたディレクトリを検索した後、Maya は続けて既定の user.toolclips ディレクトリ、builtin.toolclips ディレクトリの順に検索します。

キー名がツールクリップの検索パス内にある 2 つの ToolClip.xml ファイルに存在する場合、Maya は最初に遭遇したキー名を使用します。

PYTHONPATH

Python モジュール ファイルをプログラムに読み込む場合のロケーション。モジュール ディレクトリのディレクトリ名のリストに、この変数を設定します。リストは、UNIX の場合はコロンで、Windows の場合はセミコロンで区切ります。

さらに、Maya の起動時に検出される各モジュール ファイルについては、モジュールのルート ディレクトリの script サブディレクトリが、PYTHONPATH に付加されます。詳細については、前述の MAYA_MODULE_PATH 変数の説明と「複数ファイル モジュールの配布」(Maya 開発者ヘルプ)を参照してください。

この変数の使用は、必須ではありません。Python は常にプログラムの最上位ファイルのホーム ディレクトリを検索するため、任意のモジュールが別のディレクトリにあるモジュールを読み込む場合のみに、この環境変数を設定する必要があります。

Windows の既定

/My Documents/maya/projects/default/mel

<ユーザ ディレクトリ>/My Documents/maya/2015/scripts

<ユーザ ディレクトリ>/My Documents/maya/scripts

<ユーザ ディレクトリ>/My Documents/maya/2015/presets

<ユーザ ディレクトリ>/My Documents/maya/2015/prefs/shelves

<ユーザ ディレクトリ>/My Documents/maya/2015/prefs/markingMenus

<Maya>/scripts/startup

<Maya>/scripts/others

<Maya>/scripts/AETemplates

<Maya>/scripts/paintEffects

<Maya>/scripts/fluidEffects

<Maya>/scripts/hair

<Maya>/scripts/cloth

<Maya>/scripts/fur

Linux の既定

$MAYA_APP_DIR/maya/2015/scripts

$MAYA_APP_DIR/maya/scripts

/usr/autodesk/userconfig/maya/2015/scripts

/usr/autodesk/userconfig/maya/scripts

$MAYA_APP_DIR/maya/2015/prefs/shelves

$MAYA_LOCATION/scripts/startup

$MAYA_LOCATION/scripts/others

$MAYA_LOCATION/scripts/AETemplates

$MAYA_LOCATION/scripts/paintEffects

$MAYA_LOCATION/scripts/cloth

$MAYA_LOCATION/scripts/fur

Mac OS X の既定

ホーム フォルダ下: Library/Preferences/Autodesk/maya/2015

ホーム フォルダ下: Library/Preferences/Autodesk/maya

/Users/Shared/Autodesk/maya/2015

/Users/Shared/Autodesk/maya

Maya パッケージ内: /Applications/Autodesk/Maya 2015/Maya.app

TEMPまたはTMPDIR

この変数には、Maya で、次のようなテンポラリ ファイルの保管に使用されるディレクトリ ロケーションを指定します。

  • レンダリング中に一時的に作成されるレンダリング キャッシュ ファイル
  • Maya がクラッシュした場合に作成されるクラッシュ ファイル

Linux では、TMPDIR だけを設定します。Windows では、TEMP と TMPDIR の両方を設定します。この変数を設定しない場合、テンポラリ ディレクトリは /tmp (Linux)、C:/temp (Windows)、または Documents/temp のホーム フォルダ下になります。

XBMLANGPATH

この変数には、シェルフ(Shelf)ボタンで使用されるアイコンなどのアイコン ファイルのロケーションを指定します。Linux では、構文は他のパスと多少異なります。例:

XBMLANGPATH = "./icons/%B:$HOME/dev/icons/%B"

この例では、%B はプレースホルダで、Maya により、ビットマップ ファイル名と置き換えられます。

さらに、Maya の起動時に検出される各モジュール ファイルについては、モジュールのルート ディレクトリ(Linux 上では icons/%B)の icons サブディレクトリが、XBMLANGPATH に付加されます。詳細については、前述の MAYA_MODULE_PATH 変数の説明と「複数ファイル モジュールの配布」(Maya 開発者ヘルプ)を参照してください。

次の表は、既定のパスをまとめたものです。これらのパスは、必ず、ユーザが指定したパスの後に来ます。

Windows の既定

%MAYA_APP_DIR%¥maya¥2015¥prefs¥icons

%MAYA_LOCATION%¥icons

%MAYA_LOCATION%¥icons¥paintEffects

%MAYA_LOCATION%¥icons¥cloth

%MAYA_LOCATION%¥icons ¥fur

Mac OS X の既定

ホーム フォルダ下: Library/Preferences/Autodesk/maya/2015/prefs/icons

ホーム フォルダ下: Library/Preferences/Autodesk/maya/prefs/icons

/Users/Shared/Autodesk/maya/2015/icons

/Users/Shared/Autodesk/maya/icons

Maya パッケージ内: /Applications/Autodesk/Maya 2015/Maya.app

Linux の既定

$MAYA_APP_DIR/maya/2015/prefs/icons/%B

$MAYA_APP_DIR/maya/prefs/icons/%B

/usr/autodesk/userconfig/maya/2015/icons/%B

/usr/autodesk/userconfig/maya/icons/%B

$MAYA_LOCATION/icons/%B

$MAYA_LOCATION/icons/paintEffects/%B

$MAYA_LOCATION/icons/cloth/%B

$MAYA_LOCATION/icons/fur/%B

MAYA_MR_STARTUP_DIR

この変数で maya.rayrc ファイルの位置を指定することができます。