次のセクションでは、大部分のマテリアル間で共有されている mental ray アトリビュートについて説明します。
これは、間接的なフォトンを反射する機能です。これを使用して入射イルミネーション マップをマッピングします(ライティング/シェーディング > バッチ ベイク(mental ray) (Lighting/Shading > Batch Bake (mental ray))を使用して生成されるイルミネーション マップなど)。一般的なベイク処理については、イルミネーションとカラーをベイク処理するを参照してください。
これは、反射されたフォトンのカラーです。
ライトがサーフェスの下でどこまで分散するかを定義します。mental ray では、入射光と分散半径が同じ間隔の場合、そのライトはすべてマテリアルに吸光されたと仮定します。分散半径(Scatter Radius)アトリビュートはワールド空間単位で表され、その既定値は 0 です。
値 0 は、分散がオフになっていることを意味します。他の分散アトリビュートを設定するには、分散半径(Scatter Radius)を 0 より大きい値に設定する必要があります。
分散アトリビュート | レンダリング イメージ |
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分散半径(Scatter Radius)値が 0 なので、分散はオフになっています。このモデルのマテリアルは、ソリッドで、硬く、かつ平坦に見えます。 | |
分散半径(Scatter Radius)値が 0 より大きいので、分散がオンになり、他の分散アトリビュートを調整することができます。このモデルのマテリアルは、サーフェスの下にグローがあるように見えますが、まだ比較的ソリッドに見えます。 | |
分散半径(Scatter Radius)値が 5 に設定されると、その効果はマテリアル全体に広がります。 このイメージの分散では、強すぎるグローが生成され、分散半径(Scatter Radius)値が高すぎることを示しています。 |
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分散半径(Scatter Radius)値が 2.308 に設定されると、このマテリアルは、半透明で乳白色のプラスチックに似ています。 分散は、シャドウ エッジに沿ってライトとグローが減衰するとともに減衰します。 下あごの領域で分散が強くなっています。モデルのこの部分が薄くなっていて、より多くのライトが拡散されるからです。 |
シェーダの分散成分のカラーを定義します。既定のカラーはグレー(0.5, 0.5, 0.5)です。これによって、サーフェスの拡散カラーである分散が生成されます。スライダを使用して分散カラーを変更、またはアトリビュートをマッピングすることができます。
シェーダの拡散成分をぼやかすために、分散半径(Scatter Radius)内からどのくらいサンプリングするかを定義します。既定値は 97 です。
分散精度(Scatter Accuracy)を高くするほど、より多くのメモリと時間が計算に使用されます。
分散パスに沿って、どのくらいの速さでライトを減衰させるかを定義します。次の値の 1 つを設定することができます。
現在のサーフェス ポイントにおける屈折および反射の総数の制限を定義します。現在のサーフェス ポイントにおける屈折および反射の総数が、分散制限(Scatter Limit)より小さい場合に限って、分散を計算することができます。既定値は 1 です。値 0 では分散がオフになります。
効率を改善するために内部でキャッシュされる分散サンプル数を定義します。値 0 (既定値)では、すべての分散サンプルがキャッシュされます。この方法は高速ですが、メモリをかなり使用します。0 より大きい値は、その値までの分散サンプルがキャッシュされることを示します。たとえば、値 3 は、3 つの分散サンプルがキャッシュされることを示します。この方法は、完了するまで時間がかかりますが、メモリの消費は制限されます。
完全な反射または屈折の方向とジッタリングされた光線の方向との間のアングル(度単位)を計算して、反射または屈折のぼけを定義します。値 0 は、完全にスペキュラな反応を作成し、値 90 は、完全に拡散された反射または屈折を作成します。値 10 ~ 30 は、適当な開始ポイントです。
2 次的な反射または屈折のぼかしを定義します。反射/屈折ブラー制限(Reflection/Refraction Blur Limit)が大きいほど、2 次的な反射 / 屈折がぼかされます。
グローバル設定である反射/屈折ブラー制限(Reflection/Refraction Blur Limit)は、レンダー設定(Render Settings):mental ray タブ、精度(Quality)タブにも存在します。2 つの値のうち小さい方が有効になります。したがって、推奨ワークフローはグローバル制限値を上げて、精度を下げる必要のあるオブジェクトの制限を軽減することです。
完全なスペキュラ方向からのランダム偏差をサンプリングするために使用する光線の数を指定します。(ぼやけた反射と屈折は、この機能では光線の方向は定義されていないため、スーパーサンプリングを必要とします。反射/屈折ブラー(Reflection/Refraction Blur)で指定された境界内部で、完全なスペキュラ方向からのランダム偏差が生じる場合があります。
一般的に、よりぼやけた反射または屈折に対しては、より多くの光線が必要です。他のサンプリング パラメータもこの設定に影響を与えます(オブジェクト当たりサンプル数とイメージ空間のスーパーサンプルを設定するレンダー設定(Render Settings)サンプル)。これらの 2 つの設定のいずれかを増加すると、パフォーマンスを大幅に改善しつつ、質を落とさないで光線の数を減らすことができる場合があります。
アトリビュートをMaya から派生(Derive From Maya)に設定したり、オプションをオフにしてスペキュラ カラー(Specular Color)や拡散(Diffuse)などそれ以外のアトリビュートを設定します。したがって、こういったアトリビュートは mental ray を使用して計算が行われます。このアトリビュートを使わずに、アトリビュート エディタ(Attribute Editor)の Maya セクションの設定(マテリアルの共通アトリビュートなど)を変更し、Maya から設定を取得(Take Settings From Maya)をクリックしてこれらのアトリビュートに相当する mental ray 値を算出することもできます。