Abaqus へのインターフェース(3D)

3D モデルの充填+保圧(繊維配向の有無にかかわらず)および反り結果を、さらに構造解析(通常、応力解析)をするために Abaqus にエクスポートできます。

注: この機能は 3D モデルでのみ使用できます。

API スクリプト(PC のみ)を利用して、必要な結果ファイルおよびメッシュ ファイルを Abaqus で使用可能な形式に自動変換できます。

Autodesk Simulation Moldflow Insight 結果は *.xml 形式で、3D メッシュは Abaqus 入力(*.inp)形式でエクスポートします。API スクリプトでは、現在のプロジェクト フォルダに作成したフォルダにインターフェース ファイルを保存します。たとえば、Windows XP では My Documents\My ASMI 20xx Projects¥Project1¥<スタディ_名>_interface_files、Windows Vista では My Documents\My ASMI 20xx Projects¥Project1¥<スタディ_名>_interface_files です。xxxx は使用している Autodesk Simulation Moldflow Insight ソフトウェアのバージョン番号、<スタディ_名>Abaqus にエクスポートするスタディの名前です。

Abaqus へのインターフェース

Autodesk Simulation Moldflow Insight 結果ファイルおよびメッシュ ファイルは、バイナリ ファイルです。これらのファイルを Abaqus で使用するには、ASCII 形式に変換する必要があります。Autodesk Simulation Moldflow Insight は API スクリプト、mpi2abq.vbs を使用してこれらのファイルを自動変換します。

インターフェース ファイル

Autodesk Simulation Moldflow Insight で使用する目的で Abaqus がエクスポートできるファイルの種類はいくつかあります。実際にエクスポートされるファイルは、Autodesk Simulation Moldflow Insight スタディ ファイルに含まれるファイルによって異なります。

メッシュ ファイル

API スクリプトは 3D メッシュを Abaqus 入力形式に変換します。このインターフェース ファイルの名前は、<スタディ_名>_mesh.inp です。Abaqus *.inp 形式に関する詳細に関しては、Abaqus のマニュアルを参照してください。

注: メッシュ モデルに対する、Patran から Abaqus 入力ファイルへの変更

MPI 6.0 より前のリリースでは、Patran (*.pat)ファイル形式を使用して、Autodesk Simulation Moldflow Insight メッシュ モデルを Abaqus 入力用に変換していました。*.pat 形式のメッシュ モデルと元の 3D Abaqus インターフェースで作成される結果データ(*.xml)ファイルとの間にいくつかの不整合が検出されました。例:

  • ショート ショットが予測された場合、メッシュ モデルの未充填の要素には結果が存在しなかった。Abaqus では、メッシュ モデルと対応する *.xml ファイル間の整合性が必要である。
  • メッシュ モデルに金型外部サーフェス メッシュ、冷却管、またはランナー システムがある場合、充填+保圧解析結果では、成形品キャビティの要素のみに対応していた。Abaqus では、メッシュ モデルと結果ファイル間の不整合のために、このようなモデルには対応できなかった。

さらに、3D オーバーモールディングおよび半導体封止成形、またはメッシュ集約を使用した 3D 反り結果を Abaqus にインターフェースする際に、 *.pat ファイル形式の使用には制限がありました。

MPI 6.0 より、3D Abaqus インターフェースを使用して、3D メッシュを Abaqus 入力形式に変換するようになりました。これにより、Autodesk Simulation Moldflow Insight は、剛体運動を防止する 3 点の拘束の出力、複数コンポーネント間の接触面条件の作成、圧力および温度条件を直接 Abaqus 入力ファイルに渡すことができます。

材料特性データ ファイル

繊維充填材料に関しては、次のファイルが作成されます。

主方向
繊維配向の主方向は繊維配向テンソルの固有ベクトルで、対応する主方向に整列する繊維の確率を示す繊維配向テンソルの固有値です。これらのデータは<スタディ_名>_principalDirections.xml に格納されます。
注: 繊維配向テンソルから主方向への変更

MPI 6.0 より前のリリースでは、繊維配向テンソルが 3D Abaqus インターフェースに渡され、インターフェースによって、このデータと機械的特性分布および熱膨張係数分布が一緒に *.xml ファイルとして出力されました。この場合、データ変換の上で不都合な点がありました。MPI 6.0 より、Autodesk Simulation Moldflow Insight は材料特性セットの主方向を直接出力できるようになりました。

機械的特性
要素ベースの結果で次のような工学定数成分ファイルに個別に格納されます。<スタディ_名>_E11.xml<スタディ_名>_E22.xml<スタディ_名>_E33.xml<スタディ_名>_v12.xml。これらは、直交性仮定に基づく主方向の 9 つの成分です。これらの機械的特性は、選択したマイクロメカニックス モデル、9 定数の繊維配向平均方法、および選択した完結近似オプションに基づいて計算されます。これらのオプションは、プロセス設定ウィザードの[充填+保圧設定]ページの[ファイバー パラメータ...]で指定できます。
熱膨張係数
要素ベースの結果で、次のファイルに個別に格納されます。<スタディ_名>_ltec_1.xml<スタディ_名>_ltec_2.xml<スタディ_名>_ltec_3.xml。これらは第 1、第 2、第 3 主方向の線形熱膨張を示します。これらの値は、プロセス設定ウィザードの[充填+保圧設定]ページの[ファイバー パラメータ...]で選択した方法および繊維配向平均に基づいて計算されます。

非充填材料に関しては、次のファイルが作成されます。

  • <スタディ_名>_Moduli.xml
  • <スタディ_名>_PoissonRatios.xml
  • <スタディ_名>_ShearModuli.xml
  • <スタディ_名>_Ltecs.xml
初期応力ファイル

Autodesk Simulation Moldflow Insight は 3D 反り解析で計算された初期応力をインターフェースに渡します。API スクリプトはこのデータを変換して、<スタディ_名>_initStresses.xml に格納します。

注: 体積収縮から初期応力データへの変更

MPI 6.0 より前のリリースでは、3D Abaqus インターフェースは、3D 流動解析の体積収縮結果を strintf3d スクリプトを使用して任意の形式に変換し、この形式から AbaqusAutodesk トランスレータ(*INITIAL CONDITIONS, TYPE=STRESS, USER コマンドを使用)によって初期応力に変換していました。しかし、3D 反り解析では初期応力を独自テクノロジを使用して内部計算するため、3D 反り解析と Abaqus で予測される最終的な反り結果には不整合性が検出されました。この理由で、MPI 6.0 リリースより、3D 反り解析で計算された初期応力データを直接 3D Abaqus インターフェースに渡すようにしました。

単位変換

MPI 6.0 より前のリリースでは、インターフェース ファイルは常に SI 単位系で作成され、単位変換を行うには特別のスクリプトをコーディングする必要がありました。MPI 6.0 リリースより、SI 以外の単位系を選択した場合、mpi2abq スクリプトで単位変換が行われるようになりました。