基本的なモデル解析

これまでのタスクでは、解析に使用するチュートリアル モデルを準備しました。材料の選択、多数個取り金型の設計、ランナー システムおよび冷却システムのモデリングを実行しました。

このタスクの内容
  • 解析によって生成された情報の確認
  • 解析結果のグラフィック表示の確認
  • 金型上の選択した位置の結果値の確認
  • 主要な結果に関する簡単な説明の確認

解析が完了すると、スタディ タスク ペインで結果を選択できるようになります。充填(または充填+保圧)解析の場合、流動フォルダに結果が表示されます。 充填 + 冷却 + 充填+保圧 + 反り など、別の解析順序を選択した場合は、実行した解析タイプに応じたフォルダが追加されます。

このスタディで実行した充填解析では、選択した材料のデフォルトのプロセス設定を使用しています。これらの既定のプロセス設定は、実際の製造設定を反映するように、プロセス設定ウィザードで編集できます。これを行うには、スタディ タスクペインで[プロセス設定]をダブルクリックします。または、 ([ホーム]タブ > [成形プロセス設定]パネル > [プロセス設定])をクリックします。プロセス設定を変更した場合、結果を確認するには解析を再実行する必要があります。

解析情報が[ログ]ペインに表示されます。次の 5 つのタブがあります。
  • [メッシュ ログ]タブには、スタディ内で行ったメッシュの変更のサマリーが、メッシュの生成に使用したパラメータと共に表示されます。メッシュを変更していないので、このタブは空白です。
  • [解析ログ]タブには、解析入力、解析の進捗状況、および主要な結果が記録されます。警告やエラーが発生した場合は、[解析ログ]に表示されます。ここでは、メッシュの一致パーセンテージが低いことについての警告があります。これは、これまでのタスクで、一致パーセンテージを低く抑えることにしていたからです。
  • [充填]タブには、バルク温度、せん断応力、充填過程完了時の固化層比率など、解析入力と結果のサマリーが表示されます。このタブでも、メッシュの一致パーセンテージが低いことがレポートされています。
  • [マシン セットアップ]タブには、解析に使用した成形パラメータの概要が表示されます。たとえば、使用材料のほか、射出成形機の仕様、射出成形機で使用する必要がある温度設定および射出設定などがあります。
  • [充填-チェック]タブには、解析の開始時に実行したチェックの結果が表示されます。
  1. タスク 1 で作成した「 Modeling tutorial 」プロジェクトが開いていることを確認します。
  2. [標準]ツールバーの[インポート] ([ホーム]タブ > [インポート]パネル > [インポート])をクリックします。
  3. ドロップダウン矢印をクリックして、サポート対象のファイルの種類リストを表示します。
  4. [スタディ ファイル(*.sdy)] を選択します。
  5. ソフトウェアのインストール場所である チュートリアル フォルダまでナビゲートします(通常、C:¥Users¥Public¥Public Documents¥Autodesk¥Simulation Moldflow Synergy 20xx¥tutorial)。
  6. [model_4_analysis.sdy]ファイルをクリックして、[開く]をクリックします。

    このスタディでは、以前のタスクでモデルに対して充填解析が実行され、解析結果を確認できます。

  7. 結果を表示するには、スタディ タスク ペインで結果名の横にあるチェック ボックスをクリックします。結果がモデル ペインにグラフィックス表示されます。
    ヒント: 成形品上の任意の位置における結果の正確な値を表示するには、[結果]タブの[確認] ([結果]タブ > [プロット]パネル > [確認])をクリックして、モデル上の 1 つまたは複数の位置をクリックします。
  8. 解析結果の完全なリストを表示する場合や、結果のカスタム バージョンを作成する場合は、[結果]タブの[新規プロット] ([結果]タブ > [プロット]パネル > [新規プロット])をクリックします。

    プロットの形式を変更する方法については、「 ポストプロセス 」のチュートリアルで説明します。

  9. スタディ タスク ペインで[ログ]を選択し、[ログ]ペインを表示します。

Autodesk Simulation Moldflow Insight では、シミュレーションで使用する成形品の設計、材料、および成形条件に関する詳細な情報を参照できます。

次はいくつかの利用可能な充填解析結果の説明です。

充填時間
充填時間 結果は、成形品内の樹脂のフロー パスを示します。成形品の充填に要した時間に対して、結果をアニメーション化できます。
V/P 切り替え時の圧力
圧力 結果は、速度制御から圧力制御への切り替え点における、金型内部でのフロー パス上の圧力分布を示します。
平均速度
平均速度 結果プロットは、流動方向、および金型キャビティ内部で樹脂が移動する速度の平均値を表示します。
コア層配向
厳密な繊維配向解析を実行しない場合は、繊維充填材料を使用したときに分子や繊維が向く方向を知るうえで コア配向 が役立ちます。
突出可能温度への到達時間
突出可能温度への到達時間 結果は、成形品が突出可能温度になるまで固化するために要した時間を、サイクルの開始時点から測定したものを示します。
バルク温度
バルク温度 結果は、結果が生成された時点における、成形品の肉厚方向の加重平均温度を示します。バルク温度は、特定の位置を通って伝達されるエネルギーを表します。
ウェルド ライン
ウェルド ライン 結果は、充填した成形品モデルにおけるウェルドの存在と位置を示します。ウェルド ラインはモデル上に表示され、成形品の強度に問題が発生する兆候となる場合があります。すべてのウェルド ラインを表示するには、必要に応じてモデルを回転してください。
エアー トラップ
エアー トラップ 結果は、2 つ以上のフロー フロントの合流点または充填の最終点で樹脂が止まる領域を示します。この結果で強調表示される領域では、エアー トラップが発生する可能性があります。すべてのエアー トラップを表示するには、必要に応じてモデルを回転してください。エアー トラップは、モデル上に大きな輪郭として表示されます。

解析の結果を確認するときには、まず、 充填時間 結果と 圧力 結果をチェックすると効果的です。これらの結果から、成形品の設計に関連する充填や圧力分布の問題が発生する可能性がある場所がわかります。問題が見つかった場合は、成形品の設計を変更するか、材料と成形条件の組み合わせを変更します。

このスタディの結果は、充填パターンおよび成形品の設計に問題がないことを示しています。

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