ほとんどのLED照明アプリケーションの代表的な解析目標は次の通りです:
- LEDの温度が主要な目標となります。
- 代表的な目標はジャンクション温度を摂氏 90 度付近に保つことです。これにより、装置の耐用年数にわたって適切な照明出力を維持することができます。
- AN58765 CRI (Color Rendering Index) 、および CCT (Color Correlated Temperature)指標に基づいて測定されるLED照明の出力と品質は、高温で急速に劣化します。
材料に関する注意事項
LED
LEDをシミュレートするにはLED材料デバイスを使用します。
- LEDの熱抵抗仕様値 (Theta) を材料エディタのθ-JBに指定します。
- 値が分からない場合には、θJB値10 C/Wを使用します。代表的な値は5-20 C/Wです。
- θJCの値はLEDデバイスの場合滅多に記載されていません。値として1000を指定してください。この値により、熱のほとんどがデバイス上部ではなくPCBを通じて伝導されます。
LED 材料デバイスの利用についての詳細
プリント基板(PCB)
プリント基板は多くのLEDアプリケーションで重要な役割を果たします。プリント基板は電子機能を搭載しているだけでなく、装置の熱管理にも重要な意味を持ちます。多くのアプリケーションにおいて、熱はLEDから直接PCBへ、次いで外側の器具のケースへと放出されます。
ほとんどのアプリケーションでは、PCB材料デバイスを使ってPCBの層をシミュレートしてください。シンプルな代替方法は12-layer-PCB固体材料です。FR4と銅配線を使った一般的な12層のPCBを表す熱伝導率が事前定義されています。
ただし、より直接的なモデリングアプローチが適している特別なケースもいくつかあります。
サーマル ビア
サーマルビアは多くのLEDアプリケーションで見られ、LEDから熱を放出するのに重要な役割をはたしています。PCB上のビアをシミュレートするには主として3つの方法があります:
- CADモデルで、ビアのある領域がPCB内で別のボリュームになるようPCBを分割します。Autodesk Simulation CFD で、この領域に対して基板と直交する方向に高い伝導率を指定します。これはビアの放熱と同じ方向に基板を通る伝導経路を設けるものです。
- ビアをCADツール内でジオメトリとしてモデル化する。これはビアがジオメトリを複雑化し解析の大きさと時間に悪影響があるため一般にお勧めしません。
- ビアを無視する。この方法はLEDから直接基板を通って放熱するビアの効果を無視するものであり、保守的な温度分布を生成します。
メタル コア PCB
メタルコアPCB (MCPCB) も多くのLEDアプリケーションに見られます。モデル化の方法はいくつかあります:
- CADモデルに複数のボリュームを作成してメタルコアと絶縁層をシミュレートする。
- CTMあるいはLED材料が絶縁層に取り付けられている場合には、材料名に"PCB" を含める必要があります。
- 絶縁層ボリュームはメタルコアと比較すると非常に薄いかもしれません。一部のモデルでは、これがメッシュ生成を難しくする場合があります。
- メタルコアをボリュームでモデル化し、絶縁層はサーフェス部品でモデル化してください。
- アルミ(またはその他の適切な材料)をメタルコア部品に割り当てます。材料の名前には"PCB"を含めてください。
- 絶縁層と銅箔両方の効果をシミュレートするには、サーフェス部品に透過な熱伝導率を割り当てます。
- この方法は他の方法よりも熱の分散を効率的に予測できます。
- CADでPCBを表す1つのボリュームを作成します。
- PCB材料を割り当て、100%金属の層を1個指定します。このアプローチはより簡単ですが、他の方法より正確性では劣ります。
注: MCPCBの内部配線は解析モデルから省略しても目立った精度のロスはありません。
熱負荷
- 各LEDに対し、体積発熱量境界条件を指定して熱負荷を適用します。
- LED入力電力は電圧と電流の積です。一般的に、入力電力の75%が熱として放出されます(残りが光となります)。
- LED構成部品以外からの熱放出を考慮するための一般的なアプローチでは、PCBに対して結合された負荷を割り当て、個々の部品のモデリングを行いません。
- LEDに供給される電力の75%である発熱量の強化条件を適用します。
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