Data Standard ダイアログの一部の組み込みスクリプトでは、PowerShell の一部の機能を活用できます。これらの機能を活用することで、値の更新が自動化されるよう Data Standard ダイアログをよりきめ細かくカスタマイズできるようになります。
Prop [ ]関数
Prop[ ]は、バインドに不可欠な関数です。この関数を使用すると、Vault 内のファイルのプロパティにアクセスできます。たとえば、テキスト ボックスを Engineer プロパティにマッピングする場合は、<TextBox text="{Binding Prop[Engineer].Value}"/> と記述します。テキスト ボックスが作成されると、Prop[ ]はこのプロパティの値を返します。テキスト ボックスが更新されるたびに、マッピングされているファイル プロパティに新しい値が記述されたことが Prop[ ]関数に通知されます。
Ps 関数
ダイアログと PowerShell のワールドを結び付ける 3 つのスクリプトがあります。各スクリプトの違いは、戻り値が異なる点にあります。
その他の 3 つの関数は、PsCmd[ ]、PsVal[ ]、および PsList[ ]です。これら 3 つの関数は、Data Standard で使用できるスクリプトまたは関数を呼び出します。Data Standard は、モジュール フォルダ内で検出されたファイルをすべてロードし、これら 3 つの Ps 関数を使用して実行します。このモジュール フォルダは、C:¥ProgramData¥Autodesk¥Vault <リリース年>¥Extensions¥DataStandard¥Vault¥addinVault にあります。このフォルダ内の .ps1 ファイルのみがロードされます。サブフォルダは検索されません。
PsCmd[ ]: スクリプト関数のみを実行できます。値は返しません。
PsVal[ ]: スクリプト関数を実行し、文字列を返すことができます。
PsList[ ]: スクリプト関数を実行し、値の配列を返すことができます。
EditMode と CreateMode
EditMode と CreateMode は、UI 要素を有効または無効にするブール型の関数です。これらは、ブール型の関数です。
以下はその例です。
<TextBox:Name="myTextBox"IsEnabled="{Binding CreateMode}"/>
または、
<TextBoxx:Name="myTextBox"IsEnabled="{Binding EditMode}"/>
スクリプトを関数にバインドすることで、Data Standard ダイアログのフィールドが変更されたときに、イベントを呼び出すことができます。このバインド機能を活用することで、ダイアログのカスタマイズの可能性が大きく広がります。
たとえば、特別な用途向けの詳細なフィールドの表示/非表示を切り替えることができます。1 つのシナリオとして、ユーザが新しいファイルを作成する場合を示します。その際、[Company]フィールドは入力不要です。ただし、このフィールドを入力した場合は、[Engineer name]フィールドまたは[Designer name]フィールドが表示され、ユーザは追加の情報を入力できます。また、ユーザが[OK]をクリックする前に、挿入したフィールド値を検証することもできます。
Data Standard には、3 つのシステム プロパティがあります。これらは読み取り専用です。システム プロパティにバインドを使用する場合は、1 方向(読み取り専用)のバインドになります。
次のシステム プロパティがあります。
これら 3 つのシステム プロパティを組み合わせて使用すると、ファイル名と拡張子を含む、ドキュメントのパス全体を取得できます。
"$dsDiag.inspect()" を使用すると、ウィンドウを作成して、PowerShell スクリプト環境の特定の時点におけるメンバーと値を格納した変数をすべて表示できます。これは、デバッグに役立つツールです。