トランジション トラック上に複数のクリップを配置するときは、任意の 2 つのクリップの間にトランジションを作成できます。トランジションによって、1 つのクリップから別のクリップへ、一定の速度の段階的な変化を生成できます。
トランジション トラック上のクリップとトランジション。トランジションは、クリップ間の色の濃い領域として表示されます。
トランジション トラックの作成方法を理解するには、「ミキサーへのトラックの追加」を参照してください。
クリップ間に、トランジションによって生成されるブレンドよりも非直線的なブレンドを作成する場合は、「トラック ウェイトの調整」を参照してください。
トランジション トラックにクリップをロードすると、クリップ間にトランジションが自動的に作成されます。Mixer でトランジションのいずれかの端をドラッグすることによって、トランジションの開始ポイントまたは終了ポイントを調整できます。
トランジションが斜めの縞模様で表示されている場合は、そのトランジションが無効であることを示します。これは、クリップのブラケットの順序が逆になり、開始ブラケットの前に閉じブラケットがあるときに起こります。この問題を修正するには、トランジションの各端をドラッグして端の順序を入れ換えます。
トランジションは、2 つのクリップがオーバーラップする任意の位置に作成できます。トランジションのいずれかの側にあるクリップの未使用部分は、斜めの縞模様で表示されます。これは、その部分がミックスで使用されないことを示します。このタイプのトランジションは、足ベースのクリップで、トランジションに最適な場所がクリップの端であるとは限らない場合によく使用します。
クリップの中で斜めの縞模様で表示された部分はミックスに使用されません。
モーション Mixer では、2 つのクリップがオーバーラップしていない領域までトランジションを伸ばすことができます。ただし、このようなトランジションを作成すると、通常、ミックスでのモーションが期待どおりになりません。
クリップがオーバーラップしていない領域までトランジションを伸ばすと、予期しない結果になることがあります。
期待どおりの結果を得るには、すべてのトランジションが、2 つのクリップが完全にオーバーラップする領域に収まっていることを確認してください。
トランジションをできる限りスムーズにするには、トランジションを選択し、[トランジション](Transitions)メニュー [最適化](Optimize)オプションを使用します。この機能を使用すると、2 つのクリップからトランジションが最もスムーズになる開始時間と終了時間が検出され、それに応じてトランジションが調整されます。
トランジションの端をクリップの端にスナップする場合は、トランジションの端をドラッグする前に、モーション Mixer のツールバーの[クリップをスナップ](Snap Clips)をオンにします。
トランジション トラック上でクリップを移動またはスケールすると、既定値では、そのトランジションも移動またはスケールされます。クリップの移動またはスケール時にトランジションが変更されないようにするには、モーション Mixer のツールバーの[トランジションをロック](Lock Transitions)をオンにします。
トランジション トラックでは、各トランジションの前後、および片側または両側にトランジションが作成されていない各クリップの先頭または末尾に、トランジション ブラケットが表示されます。
トランジション ブラケット
クリップがすでに配置されているトランジション トラックにクリップをロードすると、トラック上の最後のクリップと新しいクリップの間にトランジションが作成されます。トランジションは、最後のクリップのトランジション ブラケットの位置から作成されます。
次のクリップをロードする前に、トランジション ブラケットを移動して、目的の正確な位置にトランジションを自動的に作成することができます。この機能を使用すると、トランジションが正しく作成されるように一連の多数のクリップをトランジション トラックにロードする操作をすばやく簡単に実行できます。
モーション フローと同様に、ミキサーでも、足ベースのモーション クリップ(IK コンストレイントによってさまざまな時点で足が接地するクリップ)間のトランジションは、アニメーションができるだけ自然になるように注意深く配置および調整する必要があります。ワークフローは、Biped をアニメートしているか、あらかじめ用意されたキャラクタなどの 3ds Max オブジェクトをアニメートしているかに依存します。
足ベースのモーション間のトランジションが最も自然になるようにするには、次のワークフローを実行します。
両方のクリップを調べて、モーションがスムーズになるトランジションの開始時間と範囲を見つけます。両方のクリップで各足が同じ接地状態またはフリー状態になる時間を探します。たとえば、両方のクリップで左足が接地し右足がフリーになっている期間が、トランジションに適切な範囲になります。
トランジションを最適化することによって、手動で検出したトランジションの時間を微調整できます。この機能では、各クリップについてクリップ全体または既存のトランジションの近辺が調べられ、トランジションに最適なタイミングが検出されます。
[ミキサー トランジション エディタ](Transition Editor)ダイアログ ボックス(Biped オブジェクト)でトランジション フォーカスを変更することによって、足ベースのクリップ間のトランジションの動作を向上できます。前述の例では、左足をトランジション フォーカスとして選択します。これによって、左足の接地状態を保ちながら、左足の周囲をアニメーションが動くようになります。
トランジションによって、接地した足がスライドしたり軽くポップする場合、または脚が不自然に伸びきった状態になる場合は、Mixdown を使用して問題を修正できます。「Biped へのアニメーションの書き出し」を参照してください。
足ベースのモーションには、以下のワークフローをすべて実行します。
2 つのクリップ間にトランジションを作成するには:
トランジション トラックにクリップが配置され、その間にトランジションが作成されます。
トランジションを最適化するには:
足ベースのクリップでは、トランジションに最適なタイミングを見つけるために[最適化](Optimize)コマンドを利用できます。[最適化](Optimize)コマンドでは、特定の期間を詳しく調べることによって、足の位置が最も近くなる時間が検出されます。
最適なトランジションが計算され、その結果を反映してトランジションの位置や長さが変更されます。
Biped アニメーションを使った足ベースのトランジションでフォーカスを変更するには:
トランジション エディタが表示されます。また、ビューポートに、2 つのクリップでの Biped の位置を示す 2 つの線画が表示されます。黄色い線画は 1 つ目のクリップでの Biped の位置を示し、赤い線画は 2 つ目のクリップでの位置を示します。
トランジション フォーカスを変更すると、それに合わせて足の位置が変更されます。トランジション フォーカスによってトランジションの中心(フォーカス ポイント)が設定され、その設定に応じて Biped の位置が微調整されます。足ベースのトランジションでは、複数の設定を試して、接地した足について黄色のスケルトンと赤のスケルトンが近づく位置を見つけます。