次の手順では、要素を削除するための基準の定義に、HIN ファイルを使用します。織物材料に使用できる要素削除基準は 3 つあり、そのすべてが TYPE=FIBER を使用します。織物複合材料に使用できる母材タイプ基準はありません。各オプションについて詳しく見て行きましょう。
CRIT=ANY の場合、いずれかのけん引で繊維破損が発生すると、要素の削除がトリガされます。
CRIT=BOTH の場合、両方のけん引で繊維破損が発生すると、要素の削除がトリガされます。
CRIT=RELOAD の場合、けん引方向の応力は、繊維の破損後に監視されます。破損けん引方向の垂直応力 σn は、破損けん引方向の最大引張強度 S11U と比較されます。σn と S11U の比率がユーザの指定値 β を超える場合は、要素が削除されます。β は、キーワード *ELEMENT DELETION の後の最初のデータ行に指定します。次に例を示します。
*ELEMENT DELETION, TYPE=FIBER, CRIT=RELOAD 0.3
この例では、繊維破損の後に σn が S11U の 30% 以上になると、要素が削除されます。また、基準 RELOAD には基準 BOTH のロジックも含まれるため、両方向のけん引で繊維破損が発生すると、要素の削除がトリガされます。
チュートリアルでは、CRIT=BOTH を使用して要素の削除をコントロールします。
*MATERIAL, NAME=DMS2288-epoxy *ELEMENT DELETION, TYPE=FIBER, CRIT=BOTH
要素削除基準を使用したいくつかの追加練習では、次の設定を使用してみてください。
*ELEMENT DELETION, TYPE=FIBER, CRIT=ANY
*ELEMENT DELETION, TYPE=FIBER, CRIT=RELOAD 0.2
ヒント: 既存の入力ファイルと HIN ファイルをコピーし、名前を変更します。前述の各ケースの HIN ファイルを修正し、解析を実行します。結果のすべてについては、後で確認します。