チューブ/ビームの円柱の安定性

複合材チューブの円柱の安定性解析を実行します。

解析を開始するには、下記に示すように、[チューブ/ビーム解析]ウィンドウで[円柱の安定性]タブに移動します。さまざまな荷重に関する計算の基礎は、NASA SP-8007 (参考文献 11.4)に基づいています。さらに、『The Behavior of Structures Composed of Composite Materials』に記載される NASA SP-8007 の解釈が参照されています(参考文献 9.1、161-169 ページ)。

[積層]と[チューブ形状]の定義が完了したら、[円柱の安定性]タブで次のように操作します。
  1. [適用された荷重タイプ]: ドロップダウン メニューから解析の荷重タイプを選択します。選択した荷重タイプの図が示されます。この図には、解析を定義するのに必要な寸法と荷重が示されます。

    4 つの基本的な荷重タイプ(軸圧縮、曲げ、外部圧力、ねじり)を使用できます。さらに、3 つの複合荷重タイプ(軸圧縮+曲げ、軸圧縮+外部圧力、軸圧縮+ねじり)も使用できます。

    基本的な荷重タイプには、次の制限事項があります。
    • 軸圧縮: バランス良好で対称なレイアップである必要があります。
    • 曲げ: バランス良好で対称なレイアップである必要があります。
    • ねじり: 対称なレイアップ([B]=[0])である必要があります。

    レイアップを作成したら、円柱の安定性解析を実行する前に、[A]、[B]、[D] のマトリックスを検査して制限を満たしているかを確認してください。[A]、[B]、[D] のマトリックスを検査するには、[積層]モジュールにある[ABD マトリックス]、[ABD 逆マトリックス]オプションを実行します。

  2. [軸圧縮レイアップ タイプ]: 定義した積層を軸圧縮の荷重シナリオで使用する場合、対称な積層の使用を指定するには[特殊な中立面対称 [B]=0]を選択し、非対称の積層の使用を指定するには[一般的な中立面対称]を選択します。非対称の積層を使用する場合は、このウィンドウの下方に、[ノック ダウン ファクター]を指定するためのオプションがあります(下記の 8 番を参照)。
  3. [長さ]: 円柱の全体の長さを指定します。
  4. [最大縦方向座屈半波長(m)]: (整数で入力)円柱の縦方向(軸方向)に座屈が発生する場合、これには多くの摂動または波動が付随します。最小座屈荷重に達したときに、このような波動がいくつ存在するかを決定することが解析の鍵となります。「m」の各整数値に対し、一意の座屈加重が計算されます。Helius Composite は、「m=1」で開始し、最小座屈荷重が「m = 最大縦方向座屈半波長」になるまで確認します。既定値は 50 です。
  5. [最大円周座屈波長(n)]: 上記 4 番の説明を参照してください。ただし、この項目は円周方向の指定に使用されます。
  6. [圧縮荷重]: (正(+)の数)円柱に適用される軸圧縮荷重を指定します。
  7. [ねじり荷重]: (正(+)の数)円柱に適用されるねじり荷重を指定します。
  8. [ノック ダウン ファクター]: 解析に非対称の積層が使われ、上記の 2 番において[一般的な中立面対称]が選択されている場合、実験データと理論とを関連付けるための[ノック ダウン ファクター](補正係数とも呼ばれる)を指定するオプションがあります。
  9. [計算]: 入力が終わったら、この[計算]ボタンをクリックして円柱の安定性解析を実行します。ウィンドウの右側にある出力ボックスには、定義された解析の結果が表示されます。それぞれの計算結果の前には、検証される結果に対する必要な仮定が示されます。円柱座屈解析を実行するたびに、これらを確認してください。次のような計算結果が表示されます。
    • 臨界圧縮荷重: (単位は力)軸圧縮荷重によって円柱に座屈が発生する荷重。
    • 臨界曲げ荷重: (単位は力)他の荷重とは無関係に、円柱の両端の断面領域に破損が発生するモーメント。
    • 臨界曲げモーメント: (単位は力 x 距離)他の荷重とは無関係に、円柱に座屈が発生するモーメント。
    • 臨界横方向外部圧力: (単位は平方面積あたりの力)他の荷重とは無関係に、円柱に座屈が発生する横方向外部圧力。
    • 臨界外部静水圧力: (単位は平方面積あたりの力)他の荷重とは無関係に、円柱に座屈が発生する外部静水圧。
    • 臨界横方向外部圧力(長い円柱用): (単位は平方面積あたりの力)他の荷重とは無関係に、円柱に座屈が発生する横方向外部圧力。
    • 臨界トルク: (単位は力 x 距離)他の荷重とは無関係に、円柱に座屈が発生するトルク。
    • CTcr: これは、円柱の剛性と形状に依存する、計算された係数です。この係数は、英国単位では 500 以上、SI 単位では 12.7 以上である必要があります。
    • n: 最小臨界座屈値を提供する円周波長です。
    • m: 最小臨界座屈値を提供する軸半波長です。
    • 同時の「m」と「n」: 「軸荷重 + 曲げ」の荷重タイプでは、座屈波長が一致している必要があります。この「m」と「n」の力は同時に評価されるか、軸圧縮と曲げの両方に対して同じ値になります。
    • Rc: 単位のない圧縮荷重比(適用荷重/計算された臨界荷重)
    • Rb: 単位のない曲げ荷重比(適用荷重/計算された臨界荷重)
    • Rlp: 単位のない横方向圧縮荷重比(適用荷重/計算された臨界荷重)
    • Rhp: 単位のない静水圧荷重比(適用荷重/計算された臨界荷重)
    • Rt: 単位のないねじり荷重比(適用荷重/計算された臨界荷重)