チューブ/ビーム カラムの安定性

複合材料のチューブまたはビームで、カラムの安定解析を実行します。

カラムの安定解析を開始するには、下記に示すように、[チューブ/ビーム解析]ウィンドウで[カラムの安定性]タブに移動します。このオプションで実行される計算の基礎には、『Aerospace Design Engineers Guide (参考文献 11.5)』に定義される「オイラーの長柱に対する柱の座屈」が用いられています。

[積層]と[チューブ形状]の定義が完了したら、[カラムの安定性]タブで次のように操作します。
  1. [カラムの荷重/境界条件]: ドロップダウン メニューから解析の荷重タイプを選択します。選択した荷重タイプの図が示されます。この図には、解析を定義するのに必要な寸法と荷重が示されます。

    2 つの基本的な荷重タイプ(点および分布)を使用できます。さらに、4 つの境界条件タイプ(単純-単純、固定-固定、固定-単純、固定-自由)も使用できます。これらは全部で 8 種類の適用可能な荷重/境界条件タイプからそれぞれ 2 種類の荷重タイプが選択されたものです。

  2. [剛性計算方法]: このフォームで特に重要なものがこの[剛性計算方法]オプションです。このオプションは閉じた断面(矩形、円形、楕円形)にのみ適用されます。[各層チューブ]オプションは、すべての曲げ解析が積層の厚さ方向への各層に対して計算されることを強制します。これにより、各層に対する剛性の影響は個別にモデリングされます。[積層チューブ]オプションは、曲げ計算において、積層全体の構造(またはスミア)プロパティを使用します。[積層チューブ]オプションを使用して閉じた断面ビームを解析する場合は、[積層]タブの[連結]オプションを[ゼロ]にしてください。このオプションは、正確な結果を生成するために重要です。
  3. [長さ]: カラム全体の長さを指定します。
  4. [計算]: 入力が完了したら、[計算]をクリックしてカラムの安定性解析を実行します。ウィンドウの右側にある出力ボックスには、定義された解析の結果が表示されます。異なる軸を中心とする異なる面積慣性モーメントの断面を持つカラムの場合、計算には「I」の最も低い値が使用されます。

    結果には次が表示されます。

    • 臨界荷重: (単位は力)カラムに座屈が発生するカラム上の圧縮荷重下記の計算式はオイラーの臨界荷重の式を示します。ここで、「P」はオイラーの座屈荷重、「C」は定数、「EI」はビーム曲げ剛性、「L」はビームの長さです。

      また、下記の計算式はカラムに分布荷重がかかる場合のオイラーの式を示します。ここで、「p」はカラム長の低い側にかかる均一分布荷重、「a」は分布荷重が作用するカラムの底部からの長さです。

    • 臨界応力: (単位は長さの 2 乗あたりの力)カラムに座屈が発生するカラム上の圧縮荷重。下記の計算式は臨界応力の式を示します。ここで、「σ」は臨界応力、「C」は定数、「Ex」は複合材料のヤング係数、「L」はビームの長さ、「ρ」はビーム断面の回転半径です。