すべての地理データは、何らかの座標系、および何らかのデータムのコンテキストで作成されます。データムには、準拠楕円体の情報と、データムの定義が含まれます。たとえば、ドイツで使用されるガウス クリューゲル正角図法システムでは、Bessel 準拠楕円体と Potsdam データム定義を使用します。
完全に新しい グローバル座標系 を作成したり、独自の座標系を作成するためにあらかじめ定義された座標系を基礎として使用することができます。また、定義した座標系を修正したり削除することも可能です。AutoCAD Map 3D に用意されている、あらかじめ定義された座標系は削除できません。事前に定義された座標系を変更する場合、新しい座標系として保存して、元の座標系はそのまま残します。
座標系によっては準拠楕円体のみを指定します。このような座標系は非測地です。完全なデータムを指定する座標系は測地です。座標系を作成する場合、測地または非測地にすることができます。
座標系が測地か非測地にするか決定してから、図面に割り当てます。「概要 - 測地変換」を参照してください。非測地座標系の図面にあるデータの元になるデータムが確認できない場合、測地座標系に図面を変換しようとするとエラーが表示される場合があります。
HPGN システムに対して使用できる 2 つの座標系セットがあります。
測地変換 NAD83_to_HPGN で使用される、HPGN データムを使用するシステムのセットがあります。 このデータムは、米国のすべての HPGN グリッド ファイルで採用されています。 このようなデータムを使用する座標系の一例として、HPGN (HARN) Virginia State Planes、South Zone、「VAHP-SF」と呼ばれる米国フィートなどがあります。
米国の各州個別の HPGN データムを使用する、ローカル座標系のセットもあります。 たとえば、VAHP-SF システムに相当する「HARN/VA.VA-SF」に使用される、HARN/VA などです。
この変換は、通常 C:¥ProgramData¥Autodesk¥Geospatial Coordinate Systems\Usa\Harn フォルダにある、すべての USA HARN las/los グリッド ファイルを使用します。 これらのグリッド ファイルは、2 つのグリッド ファイルが交差して同じ境界領域を含む、2 つの隣接する州の領域で重なります。 重なる領域から離れた位置にある基点には、その領域を含むグリッド ファイルが 1 つだけあり、座標系エンジンは測地変換 NAD83_to_HPGN のリストでそのファイルを正常に検索します。
2 つのグリッド ファイル間で重なる部分がある州の境界上の基点には、座標系エンジンはリストで最初に記録されているグリッド ファイルを使用します。 [MAPCS ライブラリ]コマンドを使用して変換 NAD83_to_HPGN を編集し、表示するファイルがリストの先頭に移動するようにグリッド ファイルを配置することができます。
たとえば、地点(-82.500000000000、36.875000000000)はバージニア州にありますが、ケンタッキー州境界に非常に接近しています。 その地点の座標系は VAHP-SF です。 しかし、ケンタッキー州のその領域のグリッド ファイルが、バージニア州のグリッド ファイルよりも変換リストで高い場合、ケンタッキー州のグリッド ファイルが表示されます。 表示されるグリッド ファイルを切り替える場合は、NAD83_to_HPGN 変換リストを編集する必要があります。
州別 HPGN データムは、グリッド ファイルを並び替えるための、NAD83_to_HPGN 変換リストの編集時間を短縮するために作成されました。 このデータムおよび関連する変換は約 50 のデータムと変換に分割され、米国の各州に対応します。 そのプロセスで、バージニア州の VAHP-SF に相当する HARN/VA.VA-SF のような新しい座標系が作成されました。 そのデータムは HARN/VA で、バージニア州の領域に固有の変換は、単一のグリッド ファイル vahpgn.l?s を持つ「NAD83_to_HARN/VA」です。
このため、データム HARN/VA.VA-SF、ケンタッキー州境界付近の地点(-82.500000000000、36.875000000000)を使用する場合、常に正しい、バージニア州グリッド ファイルが表示されます。