概要 - 測地変換

測地変換は、座標参照系から地図学変換を実行し、地図学座標系(緯度と経度)を生成します。この地図学座標系はソースとなる座標系と同じデータムに参照されます。AutoCAD Map 3D は、変換のライブラリを使用して、図面に使用する地理経緯度を自動的に変換します。指定したグリッド フィルタまたはパラメータに基づく、独自の変換を定義できます。たとえば、Infrastructure for Spatial Information in Europe (INSPIRE) のデータ仕様を使用する場合、INSPIRE で用意されているグリッド ファイルに基づいて、ETRS89 変換を設定できます。

解析公式の方式

補間方式(グリッド ファイルの使用)または解析方式(公式の使用)を指定します。解析公式の場合、次の中から選択できます。

方式 注意事項 尺度 Geocentric Translation (in meters) Axis Rotation of Arc (in seconds) Axis Translation (in meters)
      Delta-X Delta-Y Delta-Z X-Axis Y-Axis Z-Axis X-Axis Y-Axis Z-Axis
測地変換     X X X            
Molodensky     X X X            
Abridged Molodensky     X X X            
4 パラメータ   X X X X            
6 パラメータ     X X X X X X      
7 パラメータ   X X X X X X X      
Bursa Wolfe – Position Vector 回転値は反時計回り方向の正数です(X、Y、Z 座標系の原点に向かった場合)。 X X X X X X X      
Bursa Wolfe – Coordinate Frame 回転値は時計回り方向の正数です(X、Y、Z 座標系の原点に向かった場合)。 X X X X X X X      
Molodensky-Badekas 回転ポイントの X、Y、Z の原点がある場合、同等の座標フレーム変換を計算できます。[Delta-X]、[Delta-Y]、および[Delta-Z]の値は変化しますが、回転と尺度の値は同じままです。 X X X X X X X X X X

補間方式

補間方式にはグリッド ファイルが必要です。作成する測地変換でグリッド ファイルを使用する場合、AutoCAD Map 3D で検索されるフォルダにコピーする必要があります。そのフォルダには、グリッド ファイルを格納できる国別のフォルダが含まれます。場所は、オペレーティング システムのバージョンによって変わります。

Windows XP (32 ビットおよび 64 ビット) C:¥Documents and Settings¥All Users¥Application Data¥Autodesk¥Geospatial Coordinate Systems
Windows Vista (32 ビットおよび 64 ビット)または Windows 7 (32 ビットおよび 64 ビット)

C:¥ProgramData¥Autodesk¥Geospatial Coordinate Systems

任意および null 変換

標準の測地変換に加え、座標系で使用される単位または投影法のみを変更する変換を作成できます(データムまたは準拠楕円体の仕様は変更されません)。この種類の変換は、「任意」変換と呼ばれます。

また、「null」変換も定義できます。たとえば、GDA94 (Geodetic Datum of Australia 1994)およびWGS84 は、技術的に異なる 2 つのデータムです。ただし、それらの違いは小さいため、この 2 つのデータム間で変換する方法ははありません。座標系ライブラリで、2 つのデータムは個別にリストされていますが、それらの変換は null です。

測地変換パス

測地変換パスによって、測地変換の達成に使用する変換の順序を決定します。測地変換パスについての詳細は、「測地変換パスを定義するには」を参照してください。