大規模で複雑なシーンの操作でのファイル リファレンスの場合に考えられるワークフローを次に示します。
シーンにあるオブジェクト、マテリアル、およびアニメーション シーケンスは、制作要件に基づいて簡単に階層形式で構成することができます。ファイルの参照構造を事前に計画しておくことによって、制作チームはプロジェクトにおける共同作業を並行して効率的に実施することが可能になります。
複雑なシーンは、さまざまな多階層のリファレンス ファイルに分割することで管理しやすくなります。シーンのコンテンツがシーンに参照される小さいユニットで構成される場合、そのリファレンスは必要に応じてシーンからロードまたはアンロードできます。これによって他の人の作業を妨げることなく、シーンの特定のセグメントをロードおよび処理することができます。たとえば、都市景観シーンをセグメント化すると、1 つのチームは建物と街路に関連する付随物、別のチームは樹木と植物、さらに別のチームはアニメートされたキャラクタを処理するといったことができます。大きいシーンから 1 つのセグメントをロードすることで、パフォーマンスの向上などのさらなる利点が得られます。
ファイル リファレンスを作成する場合には、リファレンスにネームスペースと呼ばれる個別の名前を付けることができます。ネームスペースを使用すると、重複したオブジェクト名を作成するリスクなく、シーンの中で同じオブジェクトを何度も参照することができます。 詳細については、ネームスペースを参照してください。
プロジェクトのシーン アセットは一度だけ存在するのが理想的であり、複数のユーザが必要に応じて多数の異なるシーン ファイルを何度も参照することで再利用できます。たとえば、木などのアイテムを大規模な都市景観シーンで何度も参照して、参照元ファイルに影響を与えずに再配置できます。モデル、マテリアル、およびアニメーションなどのシーン アセットは、アセットに影響を及ぼさずに個別に処理できます。または、テクニカル ディレクタがすべてのショットに使用されるリグ キャラクタを 1 つ作成するといったこともできます。このマスタ リグはさまざまなアニメーションに使用されます。このようにすると、リグ キャラクタに関する問題が一度に解決できるため、モデルを多くの個別シーンに読み込み直す必要がなくなります。
複雑なシーンは、その代用手法として、簡易な空間リファレンスとして使用可能なより単純なプロキシ シーンを参照するようにできます。これによって双方向性が向上し、アニメーション再生が高速化されて、制作時のライティングとレンダリングのテストでの反復機能を加速できます。詳細については、プロキシ リファレンスの概要を参照してください。