ラティス デフォーマとラティス フレクサ

フレクサとは、リジッド スキニングのデフォメーション エフェクトの制御に使用する特別なオブジェクトをいいます。ジョイント ラティス フレクサとボーン ラティス フレクサがあり、いずれもラティス デフォーマ ノードを使用します。

インフルエンス ラティスのシェイプと場所をリセットする

インフルエンス ラティスをリセットして、インフルエンス ラティスをベース ラティスの位置とシェイプに戻すことができます。

インフルエンス ラティスに行ったすべての調整をクリアする場合は、ラティスをリセットします。これは、次のような場合に使用します。

インフルエンス ラティス ポイントをリセットして微調整を除去する

ラティス ポイントの微調整後や STU 分割の変更後に、ラティス ポイントをローカル空間内の元の位置に戻すことができます。これを実行しても、ワールド空間内のラティス オブジェクトの変形が影響を受けることはありません。この操作は、ラティスの分割数を変更する場合や変形を最初からやり直す場合に実行します。

ラティス デフォーマ セットを削除する

現在ラティス デフォーマの影響を受けていないポイントをセット メンバから外すことができます。デフォメーション エフェクトの影響外のポイントを外すことによって、不必要な変形計算が行われずに済みます。

インフルエンス ラティスの解像度を変更する

ラティス ポイントの数を変更することによって、ジオメトリを高解像度または低解像度で変形させることができます。分割数(Divisions)アトリビュートでは、S、T、U (ラティスが既定の 3 次元空間の原点にある場合、それぞれ X、Y、Z 軸に相当)の分割数を増減することができます。

ただし、分割数を増やすほど、ジオメトリの変形に要する Maya の計算負荷が大きくなり、パフォーマンスが低下します。ラティスの高解像度のエフェクトを抑制してパフォーマンスを向上させる方法については、「デフォーマのオプション」を参照してください。

ラティス内のラティス ポイントの数がジオメトリ上のポイントの数よりも多いと、ジオメトリ 解像度が追いつきません。解像度はラティス ポイントの間にあるジオメトリ ポイントによって制限されます。ポイントを移動した場合は、ポイントをリセットしてから解像度を変更する必要がありますので注意してください。

ラティスをリセットするには、デフォーム > (編集)ラティス > ラティスのリセット(Deform > (Edit)Lattice > Reset Lattice)を選択します。しかし、ラティス ポイントをそのリセット位置から移動した場合、または、ラティスにヒストリがある場合は、ラティスの解像度を変更することはできません。ポイントを移動したラティスの分割数を変更する場合は、デフォーム > (編集)ラティス(Deform > (Edit) Lattice)メニューからラティス微調整の除去(Remove Lattice Tweaks)を選択し、次にラティスの分割数を変更します。また、ヒストリがあるラティスの分割数を変更する場合は、入力のラティスシェイプを見つけて、その分割数を変更します。入力ラティスを見つけるには、ラティスを選択して、アトリビュート エディタでオリジナルのラティスシェイプのタブを参照してください。通常、出力ラティスと同じベース名に Orig という文字が追加され名前になります。

ラティス ポイントのウェイト値によるインフルエンスの度合いを調整する

ラティス ポイントにウェイト値を割り当てて、各ラティス ポイントのインフルエンスの度合いを調整することができます。ラティス ポイントにウェイト値を割り当てるには、次の 2 通りの方法があります。

インフルエンス ラティスをスカルプトする

スカルプト デフォーマを使用して、ラティス デフォーマのインフルエンス ラティスを作成することができます。スカルプト デフォーマをこうした目的に使用すると、スムーズで曲線的なラティス変形を作成することができます。ラティス ポイントを微調整(移動)して同じような曲線的なエフェクトを作成しようとすると、骨の折れる作業が必要になります。「スカルプト デフォーマ」も参照してください。

ラティスの変形マッピングを固定する

ラティス デフォーマのデフォメーション エフェクトは、通常、変形するオブジェクトがベース ラティス(既定の名称は ffdnBase)内にあるかどうかによって左右されます。オブジェクトが完全にベース ラティスの外にある場合、デフォメーション エフェクトは生じません。なぜなら、ラティス デフォーマでは、エフェクトの計算がベース ラティス、インフルエンス ラティス、ベース ラティス内のオブジェクトの位置といった空間的なリレーションシップに基づいて行われるからです。オブジェクトがベース ラティスの外にある場合、Maya はエフェクトを計算することができません。同様に、オブジェクトの一部分だけがベース ラティス内にある場合は、ベース ラティス内にあるコンポーネント(CV など)だけがインフルエンス ラティスの影響を受けます。

ラティスの変形マッピングを固定すると、インフルエンス ラティスは、インフルエンス ラティス内にある変形可能オブジェクトのコンポーネントを制御できなくなります。オブジェクトやベース ラティスを移動したときでも、変形可能オブジェクトのコンポーネントをそのままインフルエンス ラティス内に残してそのインフルエンス下に置く場合は、ラティスの変形マッピングを固定します。

ラティスの変形マッピングを固定すると、インフルエンス ラティスとその内部にあるすべてのコンポーネントのリレーションシップが固定されます。固定時にインフルエンス ラティス内にあったオブジェクト コンポーネント(CV など)はラティス内に固定され、インフルエンス ラティスに変更があった場合のみに影響を受けます。ベース ラティスを移動してコンポーネントをベース ラティス内に留めないようにしても、コンポーネント自体はインフルエンス ラティスのインフルエンス下にとどまり続けます。ただし、インフルエンス ラティスの外にあるコンポーネントは、オブジェクトと共に移動し、オブジェクトはデフォメーション エフェクトを受けます。

ラティス デフォーマを作成するときにフリーズ モード(Freeze Mode)オプションをオンに設定すると、変形マッピングを固定することができます。「デフォーマ > ラティス(Deformers > Lattice)」を参照してください。ただし、インフルエンス ラティスがオブジェクトを取り囲んでいる場合は、ジオメトリのフリーズ(Freeze Geometry)アトリビュートの設定を変更しない限り、インフルエンス ラティスの外にあるコンポーネントを移動することはできません。ラティス デフォーマを作成した後、ジオメトリのフリーズ(Freeze Geometry) アトリビュートを編集することで、変形マッピングを固定するかどうかを変更できます。詳細については、ffdLatticeShape を参照してください。

ベース ラティスを編集する

ベース ラティスは、選択しない限り可視になりません。ベース ラティスを移動、回転、スケールすることはできますが、インフルエンス ラティスと違ってベース ラティスにはラティス ポイントがありません。

ベース ラティスとインフルエンス ラティスをグループ化する

ベース ラティスとインフルエンス ラティスを一緒に移動するには、グループ化を行います。ラティスを移動することで静止しているジオメトリを変形させる場合にこれらをグループ化します。たとえば、キャラクタの頭の上に金魚鉢を投げ落としたら、頭が金魚鉢のシェイプに変わるアニメーションを作成するとします。まず、ラティス デフォーマを使用して金魚鉢のジオメトリと頭のジオメトリを作成します。次に、ベース ラティスと変形したラティスをグループ化して金魚鉢のジオメトリにペアレント化し、それらを頭から離していきます。ラティスを頭から離すと頭は元のシェイプに戻りますが、頭の上に戻すと頭が金魚鉢のシェイプに変わります。

変形オブジェクトに対してラティスをペアレント化する

ベース ラティスとインフルエンス ラティスによって変形されているオブジェクトにそれらのラティスをペアレント化すると、ジオメトリの変形を維持したままジオメトリを移動することができます。たとえば、キャラクタのつばの広いソフト帽をラティスを使用して変形している場合、帽子を移動しても帽子の変形が維持されるように、ベース ラティスとインフルエンス ラティスを帽子にペアレント化することができます。

ラティスを他のデフォーマで変形する

他のデフォーマを使用してジオメトリを変形できるように、インフルエンス ラティスも変形することができます。たとえば、スカルプト デフォーマやクラスタ デフォーマをラティスに配置して、ラティスのシェイプを変形することができます。

ベース ラティス内を通過するオブジェクトをスムーズに変形する

変形可能オブジェクトがベース ラティス内を通過するようにセットアップまたはアニメートする場合、インフルエンス ラティスの最も外側にあたる部分を編集すると、オブジェクトのシェイプが唐突に変形してしまうことがありますので注意してください。インフルエンス ラティスの最も外側の部分を編集した場合、変形可能オブジェクトはベース ラティス内に入った途端に変形します。

パフォーマンスを改善する

ラティス ポイントを多く設定するほど精密にデフォメーション エフェクトを制御することができますが、パフォーマンスは低下します。ラティス ポイントの数は、変形可能オブジェクトのポイント数よりも必ず少なくなるようにしてください。ラティス ポイントをオブジェクトのポイントより多く設定しても、デフォメーション エフェクトをより細かく制御することはできません。

ノード動作を編集してパフォーマンスを改善することができます。詳細については、ラティス デフォーマのパフォーマンスの設定を変更するにはを参照してください。

ラティスの解像度パフォーマンスを変更することもできます。ラティスの解像度のパフォーマンスを変更するには、部分解像度(Partial Resolution)アトリビュートを設定します。詳細については、ラティスの解像度の設定を変更するにはを参照してください。