ここでは、mental ray の Ibl (イメージ ベースド ライティング)ノードのアトリビュートについて説明します。イメージ ベースド ライティング(空のような照明)と非常に離れた(空のような)照明と反射をレンダーするも参照してください。
Maya 2015/2016 では、この機能ははるかに高速に高品質のレンダリング結果を生成するように改善されました。
これらは、イメージ ベースド ライティング アトリビュート(Image Based Lighting Attributes)セクションにあるアトリビュートです。
環境球の UV 空間として、球面(spherical) (緯度-経度)、または角度(angular) (HDR Shop)を選択します。
IBL テクスチャとして、ファイル テクスチャとプロシージャル テクスチャのどちらをマップするかを選択します。ファイル テクスチャはインタラクティブにプレビューできます。テクスチャ(Texture)も参照してください。
ディスク上のイメージ名。ファイルを参照する場合、参照(Browse)ボタンをクリックします。
オンの場合、テクスチャのファイル名はフレームごとに変わります。これは 1 つのファイルではなく、イメージ シーケンスをロードするために使用されます。
フレーム拡張子です。
タイプがプロシージャ(Procedural)に設定されている場合、2D テクスチャ シェーディング ネットワークをこの入力に接続します。
このアトリビュートの既定値はオンであるため、既定では IBL 動作が有効になります。
このアトリビュートをオフにすると、IBL が制限あり(Finite)モードに切り替わります。制限あり(Finite)モードの場合、IBL は有限の球として動作し、移動や均一なスケーリングがサポートされます。フォトンおよびライトの放出は、ディレクショナル ライトではなくポイント ライトとして動作するため、IBL を閉じた環境で使用できます。アーティファクトを避けるために、必ず IBL 球でシーン全体を囲んでください。
イメージによって使用される入力カラー スペースを指定することができます。カラー管理が有効になっている場合、カラー値は、レンダリングのために自動的にこのスペースから作業中のカラー スペースに変換されます。
IBL ノードが既定の Raw になるため、入力にトランスフォームは適用されません。ただし、レンダリング スペースがファイルのスペースと異なる場合は、カラーが正しくレンダリング スペースに変換されるように、使用される正確なカラー スペースを指定することをお勧めします。
一般的なカラー管理の詳細については、「カラー管理」を参照してください。
入力カラー スペース規則(Input Color Space Rules)を再適用したときに、割り当て済みのカラー スペース(Color Space)が変更されないようにします。これは、カラー スペース(Color Space)を手動で変更し、規則が再適用された場合にそのカラー スペースを変更しないときに便利です。規則による設定ではなく特別なカラー スペースを使用する特定のイメージ ファイルがある場合などです。
これらのアトリビュートは、ライト放出(Light Emission)セクションにあります。
ワールド空間の原点に向かって、IBL 環境から内側にライトを放射状に照射することができます。ライト放出(Light Emission)をオンにした場合、IBL ノードはこのシーンで本当の光源のように機能します。IBL テクスチャは、実際の光源のように、mental ray のライト シェーダにマップされます。
非常に離れた IBL 環境からライトを放出する場合はこのオプションを有効にします。
Maya 2015 では、ライトの放出(Emit Light)機能が改善され、より高精度なレンダー結果と、IBL ライティングの精度を適切にコントロールする精度(Quality)コントロール スライダが提供されるようになりました。これは、IBL ノードを作成するときに IBL ライティングの精度を調整するための主要なコントロールであり、IBL 設定のための簡略化されたユーザ インタフェースを提供します。この機能の改善を利用するには、ライトの放出(Emit Light)オプションを有効にする必要があります。
User Legacy(ユーザ旧式)オプションを有効にして旧式(Legacy)セクションの設定からコントロールを調整すると、引き続き旧式(Maya 2015 以前)のコントロールにアクセスすることができます。
IBL 加速度データの解像度をコントロールします。
環境がサンプリングされ、レンダリング時の高速ルックアップのためにデータ構造にベイク処理されます。解像度が高いとより高精度の結果が得られますが、計算時間が長くなり、より多くのメモリを必要とします。解像度が低いと、環境の強度の高いホットスポットであってもソフト シャドウやハイライトのようにディテールが細かくなくなります。
IBL 加速度データの精度をコントロールします。
前処理での計測単位のサンプル数を指定します。解像度(Resolution)の値が非常に低い場合、この値を使用して環境のサンプリング精度を上げることができます。値が大きくなるほど前処理の時間が長くなります。
IBL 環境からのイルミネーションの寄与度をスケールです。
環境からのイルミネーションは、この係数、またはこのカラー(個々の RGB コンポーネントが提供される場合)によって乗算されます。直接目に見える環境には影響しません。
ライト シェーダは、ライト放出のために “制御テクスチャ” をセットアップします。このテクスチャのピクセルはすべて、事実上、ディレクショナル ライトを表します。これらには制御テクスチャの解像度を指定します。値が多ければ多いほど、精度が高くなりますが、プロセッサの利用度もより高くなります。ロードされた IBL テクスチャはフィルタの解像度までダウンサンプルされます。手続き的テクスチャは、最適なパフォーマンスのために、この解像度でピクセル単位でサンプリングされます。
制御テクスチャで表すしたすべての「ディレクショナルライト」 をサンプリングすると、コストがかかり過ぎることがよくあります。したがって、シェーダには主な(キー)ライトを選択するための重要なメカニズムが組み込まれています。
最初のサンプル パラメータには、サンプリングの必要がある重要なライトの数を指定します。2 つ目のパラメータは、副次(フィル)ライトをいくつか、ほぼランダムに選択します。
ロー サンプル(Low Samples)には、ファイナル ギャザリング中に IBL から収集されるライト サンプルの数を指定します。既定では、通常のサンプルの 8 分の 1 (つまり、2 分の 5)が設定されます。
制御テクスチャ球の各 “ディレクショナルライト” により、球の方向が決まります。焦点の変更(Vary Focus)をオンにすると、方向がランダムに多少オフセットされるため、質が向上します。
サーフェスの後方が、サーフェスのイルミネーションには寄与していない場合(つまり、シーンに透過性がない場合)、このオプションをオンにする必要があります。これによりサンプリングが大幅に最適化されます。
これらのパラメータは、Maya の標準的なライトにおけるアトリビュートと同じです。
これらのアトリビュートは、Maya テクスチャ ノードの対応するアトリビュートと同じです。これらは、IBL に対してと同様の方法で適用されます。
テクスチャ ノードの詳細については、「テクスチャ ノードの概要」を参照してください。
これらのアトリビュートは、フォトン放出(Photon Emission)セクションにあります。
フォトンは IBL 環境球から放出することができます。このためには、グローバル イルミネーション(Global Illumination)フォトンやコースティクス(Caustic)フォトンを、レンダー設定(Render Settings)ウィンドウでオンにする必要があります。放出の方向は、フォトンそれぞれについて、ランダムに選択されます。ライトの放出と同様、フォトンは、IBL テクスチャ(ファイルまたはプロシージャル)からの放出の方向に基づいてカラーを選択します。このカラーは、可能であれば、カラー ゲインおよびカラー オフセットによって調整されます。このマップの結果は、mental ray フォトン放出シェーダにマップします。
ライトを非常に離れた IBL 環境からフォトンを放出する場合はオンにします。
放出されるグローバル イルミネーションフォトンの数を決定します。
放出されるコースティクス フォトンの数を決定します。
フォトン放出のために使用されるべき乗数を決定します。
オフの場合、フォトンは最初のヒットで保存されます。これは、グローバル イルミネーション フォトンだけを使用して IBL を実現する場合には便利です。現実世界の環境でたとえると、このスイッチは、地表に届く前に大気中に散乱する太陽からのフォトンと考えることができます。
このオプションは、コースティクス フォトンを放出する場合や、フォトンと組み合わせてライトを放出する場合にオンにします。
これらのアトリビュートは、Maya テクスチャ ノードの対応するアトリビュートと同じです。これらは、IBL に対してと同様の方法で適用されます。
テクスチャ ノードの詳細については、「テクスチャ ノードの概要」を参照してください。
IBL テクスチャの可視性を、ある種類の光線に制御します。これは mental ray のカメラ環境シェーダにマップします。すべてのコントロールが非アクティブになっている場合、環境シェーダは処理されません。従来のイメージ ベースド ライティングでは、IBL テクスチャはファイナル ギャザー レイから認識可能でなければなりません。また、ファイナル ギャザリング(Final Gathering)は必ずオンにしてください。
オンに設定すると、サーフェスがビューとレンダーで可視となります。
オンの場合、環境光線からサーフェスを見ることができます(環境からの直接のリフレクション)。mental ray のレンダー設定(Render Settings)ウィンドウから IBL ノードを作成したのではない限り、このアトリビュートは既定でオフです。
オンの場合、サーフェスから副次的な反射光線を見ることができます。mental ray のレンダー設定(Render Settings)ウィンドウから IBL ノードを作成したのではない限り、このアトリビュートは既定でオフです。
オンに設定すると、サーフェスが透明なサーフェスで屈折します。
オンの場合、ファイナル ギャザリング光線からサーフェスを見ることができます。また、サーフェスを使ってシーンを照らすことができます。オフの場合、ファイナル ギャザリングは IBL による影響を受けません。mental ray のレンダー設定(Render Settings)ウィンドウから IBL ノードを作成したのではない限り、このアトリビュートは既定でオフです。