ABS 樹脂

一般的に、ABS(アクリロニトリル - ブタジエン - スチレン)には、優れた成形加工性、外観、低クリープ、寸法安定性、および衝撃強度があります。

代表的な用途

射出成形条件

乾燥
ABS グレードには吸湿性があり、成形前の乾燥が必要。推奨乾燥条件は、80~90℃で最低 2 時間。樹脂の含水率は、0.1% 未満であることが必要。
樹脂温度
200~280℃。目標: 230℃
金型温度
25~80℃金型温度は成形品の光沢を決定し、金型温度が低い程、光沢度が低くなる。
樹脂射出圧力
50~100 MPa
射出速度
中速~高速

化学的特性および物理的特性

ABS は、3 種類のモノマー(アクリロニトリル、ブタジエン、スチレン)の重合により生成されます。各モノマーには、次のような異なる特性があります。アクリロニトリル - 硬度、耐薬品性、および耐熱性。スチレン - 成形加工性、光沢、および強度。ブタジエン - 靭性および耐衝撃性。形態学的には、ABS は非晶性樹脂です。

3 種類のモノマーの重合により、ターポリマーが生成されます。このターポリマーには、スチレン - アクリロニトリル(SAN)の連続相、およびポリブタジェン ラバーの分散相の 2 つの相があります。ABS の特性は、各モノマーの含有率と 2 相の分子構造によって決定します。このことは、柔軟性に富んだ製品設計が可能になることを意味し、数百種類のグレートが市販されています。市販グレードは、中~強度の耐衝撃性、低~高程度の表面光沢、高熱変形などにおいて多様な特性を提供します。