高度な物理特性

[アドバンスト]ダイアログには、混合(スカラー量を使用)、湿度、質量率、キャビテーションのためのコントロールがあります。

一般スカラー

デフォルトはスカラー無しで、これは、解析にスカラーの計算が含まれないことを意味します。

一般スカラーを選択すると、一般スカラー変数の輸送がモデル化されます。このスカラーは、海水の流体解析における塩分濃度、複数スカラー種解析における混合の割合、何らかのマーカーなどであると考えられる。

拡散係数は、周囲流体へのスカラー量の拡散をコントロールすることができます。ゼロの値は、スカラー量の拡散を一切防ぎます。この量は、フィックの法則で次式のようになります。

ここで、 j A は、化学種 A の質力流束です。この関係式は、化学種 A の(時間あたり、および輸送方向に対して垂直方向の単位面積あたりの)輸送量を表しています。これは、混合質量密度と、化学種の質量分率 mA に比例しています。拡散係数の単位は、長さの2乗を時間で割った値である。

スカラー混合解析の設定についての詳細

湿度

湿潤空気をシミュレートするには、湿度を選択します。相対湿度と凝縮水の両方を可視化できます。Autodesk® CFD では、湿潤空気の凝縮はモデル化できますが、水から気体への蒸発はモデル化できません。

伝熱計算をオンに設定する必要があります。

相対湿度が圧力に依存する場合、亜音速圧縮性も有効にしなければなりません。

材料ダイアログより、その気体(気体のみで、液体との混合物は含まない)に対する正確なプロパティを必ず定義します。湿度(湿潤空気)解析を設定する手順は、以下の通りです。

  1. 湿度の境界条件をすべての入口に設定する。
  2. 湿潤空気を流れ領域(1個または複数個)に指定します。
  3. オプションタスクのスカラーサブダイアログから湿度を選択する。

湿度解析の設定についての詳細

質量率

水と蒸気のみから成る均質混合物のシミュレーションを行う場合は、[質量率]を選択します。スカラーは質量率です(蒸気を含まない場合は 0、すべてが蒸気の場合は 1)。プロパティは熱力学テーブルを使って計算されます。伝熱計算を有効にする必要があります。この種類の流れに対して、エネルギー方程式はエンタルピーによって記述される。エンタルピーもポスト処理することができる。

蒸気/液体解析の設定についての詳細

キャビテーション

キャビテーションとは、多くの高速液体流れで発生する物理的な現象です。液体圧力が蒸気圧を下回ると、液体の中に蒸気泡が形成されます。キャビテーションは、高性能のバルブや流れを制御する装置、ポンプ内でよく見られ、これらの装置の効率を大幅に悪化させる場合があります。キャビテーションが長く続くと、装置の孔食、壊食が発生する恐れがあり、費用のかかる停止期間や修理の必要性につながります。

キャビテーションモデルは蒸気泡の体積分率を計算し、流れの中での気泡の発生と位置を予測します。これは小さいキャビテーション領域の予測に最も適しており、大量の蒸気が発生するような場合には適していません。キャビテーションモデルは小さな気泡の集まりを想定しており、全体的なキャビテーション領域に対応したものではありません。

キャビテーションを有効にすると、液体の圧力は飽和蒸気圧を下回りません。(キャビテーションを無効にすると、圧力は???理的制限を下回るまで低下することが許容されます)。これにより、キャビテーションが存在する場合に、壁面の計算によって計算される力の精度が向上します。

キャビテーション解析の設定についての詳細

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