追加的なアダプティブ コントロールはアダプティブ メッシュの主なオプションを補完する機能です。
これらのコントロールは、[実行]ダイアログの[アダプティブ]タブで使用できます。表示するために、[アダプティブ オプション]リストを展開します。
デフォルトで、アダプティブ メッシュはフィールド変数(速度、圧力、温度)に基づいてメッシュを最適化します。大量の流れの分離や循環を含む領域の分割数を改善するには、 流れ角度を有効にします。
自由せん断レイヤは、自由流速とかなり遅い流れ(伴流や分離領域など)が交わるところで発生します。これらには、速度勾配が著しいという特徴があり、粘性せん断応力が重要です。
固体の境界に隣接する境界レイヤ内部のせん断レイヤと異なり、自由せん断レイヤは流れストリーム内部で発生します。流れの予測を正確にするには、過酷な流速勾配を自由せん断レイヤ内に取り込めるほど十分に精密にメッシュを配分することが重要です。
流れの中をそのような強い速度勾配が起きると思われる場合は、自由せん断レイヤを有効にします。ベンド内の後続の流れでは、流れが分かれる領域がパイプの内側半径で発生し、自由ストリームの流れの中心部が外側半径に押し出されます。
次の図では、メッシュが自由せん断レイヤに適合されていないため、この領域の流れが鮮明に定義されていません。
この図では、メッシュが自由せん断レイヤに適合されています。自由流と分離領域の間で速度勾配がはっきりと分かれていることに注目してください。
近くの壁または他の構造物に囲まれていない流れで自由せん断レイヤが発生すると思われる場合は、[外部の流れ]を有効にします。[外部の流れ]オプションでは、アダプティブ メッシュが微調整でき、大きく無制限な流れドメイン(空気力学的流れをシミュレートするときに使用するものなど)において粘性のある流れと自由ストリームの流れの間に発生する速度勾配の高い領域にあるメッシュをリファインできます。
圧縮性流れの中の衝撃波の位置と勾配に関してメッシュに注目する場合に、衝撃オプションを有効にします。次の図では、オブジェクトの上流で衝撃波が形成されているのが分かりますが、[衝撃]オプションが無効になっていたため、メッシュは衝撃に適合されず、勾配が拡散されています。
衝撃が有効になっている場合、メッシュが衝撃の形成に基づいて調整され、その位置が明確に定義されます。
流れの再付着や渦発生など「ダイナミック」な領域が含まれる場合非定常特性を有効にします。
これはエラー基準1個あたり3回の最適化を実行してから次の(より厳しい)基準に進みます。そのため、静的な流れ領域が過剰に最適化されず、ダイナミックな部分の解析が改善されます。
多くの乱流流れ、特に外部あるいは空力の関係するものは境界要素の厚さに影響を受けやすくなります。これを特徴づけるパラメータは "Y+" と呼ばれ、これは壁面節点と対応する隣接接点間の無次元距離です。これは壁面の乱流則の構成要素です。
境界要素の厚さがアダプティブ サイクルごとに変化するようにするには、[Y+ アダプティブ]を有効にします。メッシャーはモデル全体で Y+ の値を評価し、境界要素の厚さの値が高すぎるところを下げます。
シミュレーションが以前 [Y+ アダプティブ] を無効にして実行されている場合、境界層の厚さは最初のアダプティブ サイクルの最後に変化しません。
壁面の乱流則および多くの研究により、Y+ の理想的な値は35~350の間であることが知られています。Y+ アダプティブのデフォルトでの上限は 300 です。一部の条件の厳しいケース(非常に高速な空力条件等)では、必要な精度を得るためにMax Y+の値を下げる必要があるかもしれません。
関連トピック
以下のトピックでは、[アダプティブ]ダイアログのその他のパラメータについて説明しています:
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