[カスタム結果]コマンドを使用すると、モデル上のコンターとしてプロットできる新規結果を作成することができます。この新規結果は、材料特性、要素プロパティおよび現在の結果に基づき作成できます。このコマンドを選択すると、[計算]ダイアログにアクセスできます。カスタム結果を作成するための基本的なプロセスには、5 つの手順があります。
- 新規のカスタム結果に名前を付けるまたは既存のカスタム結果を選択する: [計算]ダイアログにアクセスしたら、[名前:]ドロップダウン ボックスから[新しい計算]オプションを選択します。このドロップダウン ボックスをクリックすると、カスタム結果に対してわかりやすい名前を入力できます。この名前は、[カスタム結果]ドロップダウン メニューに表示されます。このドロップダウン ボックスには、前回のカスタム結果がすべて一覧表示されます。
- カスタム結果の計算に使用する変数に名前を付ける: ダイアログの中央にある表には、カスタム結果の計算で使用する変数が一覧表示されます。変数を追加するには、表で空白行を選択します。[名前]列をクリックすると、変数の名前を入力できます。
注: 変数名には、すべての英数字または「_」記号を使用できます。変数名には、スペースを含めることはできません。名前の最初の文字に数字を使用することはできません。変数名は、大文字と小文字が区別されます。
- 変数を定義する: 変数を定義する方法は 3 つあります。これらの方法には、変数の行を右クリックしてアクセスできます。
- [アクティブ ウィンドウの結果]: このプルアウト メニューには、[結果コンター]タブで使用できるコマンドを多くが含まれています。選択した変数に対して使用する値を選択します。ほとんどの値はスカラーです。[ベクトル プロット]オプションが使用可能な場合、それを選択すると、3D ベクトルが選択されます。
- [解析タイプの結果]: このプルアウト メニューには、現在の解析タイプで使用できるすべての結果タイプが含まれます。これらの値は、スカラー、ベクトルおよびテンソル値です。 このメニューのほとんどのコマンドの意味はその名前から判断できます。 [位置]コマンドでは、解析開始時点の節点の X、Y および Z 座標を提供します。
- [AGSDB の問い合わせ]: モデル データベースからの特性は、Autodesk Simulation General Simulation Database (AGSDB)からアクセスできます。値は、モデルの model.dbf ファイルから選択できます。これは、ユーザ定義の計算に材料特性を含める場合に使用できます。このコマンドを選択すると、データベース変数を入力するための[AGSDB クエリー]ダイアログにアクセスできます。変数 /p および /e は、それぞれパーツ番号および要素プロパティ ID の代入として使用できます。例えば、カスタム結果で各パーツのヤング率を使用する場合、変数を Material(/p).Linear.Isotropic.Emodulus として定義できます。
各変数には、それに関連付けられている次のプロパティがあります。
- [値]: 一般結果カテゴリです。例の値は、変位および応力です。 このプロパティは、変数を定義すると自動的に定義され、変更することはできません。
- [操作]: 値のサブセットです。例の演算は、変位値の大きさおよび最大主応力値です。このプロパティは、変数を定義すると自動的に定義されます。ただし、演算は変更できます。ほとんどの値と演算の組み合わせでは、表の変数行を右クリックし、[オペレーターを追加]: [絶対値]コマンドを選択して、絶対値演算を追加することができます。変数から演算子を削除するには、表の変数行を右クリックし、[演算子をクリア]コマンドを選択します。演算子を削除した後に、新しい演算子を追加するには、表の変数行を右クリックし、[オペレーターを追加]プルアウト メニューのコマンドを選択します。
- [タイプ]: スカラーおよび 3D ベクトルの 2 つの結果タイプを使用できます。このプロパティは、変数を定義すると自動的に定義され、変更することはできません。
- [定義する]: このプロパティには、4 つの可能な値があります。[節点]では、モデルの各節点において計算された結果を参照します。[要素-節点]では、節点を共有する各要素の結果を含む結果を参照します。[要素-面]では、要素の各面において計算された結果を参照します。[要素]では、各要素の図心において計算された結果を参照します。このプロパティは、変数を定義すると自動的に定義され、変更することはできません。
- [単位系]: モデルの単位系に基づき、変数に使用される単位のリストを表示します。このプロパティは、変数を定義すると自動的に定義され、変更することはできません。
変数を削除するには、表の行を右クリックし、[変数削除]コマンドを選択します。
- 式を作成する: ダイアログの下部にあるフィールドにカスタム結果の式を入力します。変数名は、大文字/小文字が区別されます。表の名前と正確に一致しなければなりません。スカラー値は、1.23 のように裸の値として入力するか、{1.23} のように波括弧で囲んで入力します。ベクトルは、{1,2,3} のように 3 つの連続した式を現在のロケールのリスト区切りで区切り波括弧で囲んで入力します。テンソルは、{1,2,3,4,5,6} のように 6 つの連続した式を現在のロケールのリスト区切りで区切り波括弧で囲んで入力します。次の表に、スカラー、ベクトル、テンソル値の可能な関数の一覧を示します。場合によって、スカラーをベクトルおよびテンソルと組み合わせることができます。x*y は、x または y がスカラーである場合に有効です。x/y は、y がスカラーである場合に有効です。モデルの領域の計算結果が有限実数でない場合、モデルのその部分は影付けされません。式の結果がベクトルまたはテンソルの場合、プルアウト メニューにスカラー化された値が表示されます。ベクトルの結果は、ベクトル フィールドとしてプロットすることもできます。
異なる結果タイプを式に組み合わせることができます。例えば、節点結果を要素-節点結果と組み合わせると、結果は要素節点結果になります。[適用]ボタンを押すと、式全体の結果タイプが[名前:]ドロップダウン ボックスの下にあるテキスト文字列に表示されます。
注: 節点結果を要素-面結果と組み合わせることはできません。この組み合わせを実行すると、無効警告が表示され、その結果は[カスタム結果]ドロップダウン メニューに表示されません。
ベクトル演算(x および y はベクトル変数) |
-x |
負の値 |
x+y |
加算 |
x-y |
減算 |
x*y |
クロス乗積 |
x.y |
点乗積 |
x^y |
指数 |
UOpVectorX(x) |
X 成分 |
UOpVectorY(x) |
Y 成分 |
UOpVectorZ(x) |
Z 成分 |
UOpVectorMagnitude(x) |
大きさ |
スカラー演算(x および y はスカラー変数) |
-x |
負の値 |
x! |
階乗 |
x+y |
加算 |
x-y |
減算 |
x*y |
乗算 |
x/y |
除算 |
x^y |
指数 |
sin(x) |
正弦 |
cos(x) |
余弦 |
tan(x) |
正接 |
asin(x) |
逆正弦 |
acos(x) |
逆余弦 |
atan(x) |
逆正接 |
sinh(x) |
双曲線正弦 |
cosh(x) |
双曲線余弦 |
tanh(x) |
双曲線正接 |
asinh(x) |
双曲線逆正弦 |
acosh(x) |
双曲線逆余弦 |
atanh(x) |
双曲線逆正接 |
abs(x) |
絶対値 |
ln(x) |
自然対数 |
log(x) |
log base 10 |
exp(x) |
指数 |
sqr(x) |
平方根 |
logn(x,n) |
log base n |
rootn(x,n) |
n 番目の根 |
テンソル演算(x および y はベクトル変数) |
-x |
負の値 |
x+y |
加算 |
x-y |
減算 |
UOpTensor11(x) |
テンソル 11 値 |
UOpTensor22(x) |
テンソル 22 値 |
UOpTensor33(x) |
テンソル 33 値 |
UOpTensor12(x) |
テンソル 12 値 |
UOpTensor23(x) |
テンソル 23 値 |
UOpTensor31(x) |
テンソル 31 値 |
UOpVonMises(x) |
フォンミーゼス |
UOpTresca2(x) |
トレスカ*2 |
UOpMinimumPrincipal(x) |
最小主応力 |
UOpIntermediatePrincipal(x) |
中間主応力 |
UOpMaximumPrincipal(x) |
最大主応力 |
UOpMinPrincipalDirection(x) |
最小主応力(ベクトル) |
UOpIntPrincipalDirection(x) |
中間主応力(ベクトル) |
UOpMaxPrincipalDirection(x) |
最大主応力(ベクトル) |
- [適用]ボタンを押す: 式が有効である場合、結果タイプが[名前:]ドロップダウン ボックスの下に表示され、結果が[カスタム結果]ドロップダウン メニューの下に表示されます。[カスタム結果]ドロップダウン メニューは、[計算]ダイアログを終了せずにアクセスすることができます。変数または式に変更を加える場合は、[適用]ボタンを押し、ドロップダウン メニューで結果コマンドを再び選択して、表示コンターを更新する必要があります。また、既存のカスタム結果に変更を加える場合は、[名前:]ドロップダウン ボックスで別のカスタム結果に切り替える前に、[適用]ボタンを押して、変更を保存する必要があります。
作成したカスタム結果は、すべての解析の[カスタム結果]ドロップダウン メニューに表示され、必要なデータが使用可能な状態になります。カスタム結果を削除するには、[名前:]ドロップダウン ボックスで結果を選択して、[削除]ボタンを選択します。
注: 計算で使用したすべての値がモデルに存在しない限り、計算は
[カスタム結果]ドロップダウン メニューには表示されません。例えば、式で応力を使用している場合に、応力を含まないモデル(熱解析、モーダル解析など)の結果を表示すると、その計算は、
[カスタム結果]ドロップダウンのリストに表示されません。別の例として、要素の体積を使用する計算があります。体積結果は、重量と図心ツール(
[解析]
[解析]
[重量と図心])によって作成されるため、重量と図心ツールを使用していない場合、体積を使用する計算は
[カスタム結果]ドロップダウンに表示されません。
重要: 単位系は、カスタム結果コンターの凡例ボックスに表示されません。カスタム結果は、アクティブな[表示単位系]に基づいて変換されません。単位に関係なく、すべてのモデルには同一の方程式が使用されます。例えば、英国単位のモデルまたは[表示単位系]のカスタム結果を作成する場合に、方程式に英国単位の拘束が含まれる場合、SI 単位のモデルまたは[表示単位系]でカスタム結果を使用しても、それらの拘束は変換されません。