固有値解析(初期応力考慮)

解析する周波数/モード数を定義する

解析する周波数/モード数は、[解析パラメータ]ダイアログ ボックスの[パラメータ]タブの[計算する周波数/モードの数]フィールドで指定します。BCSLIB-EXT スパース ソルバーを使用する場合(下記の「ソルバー オプション」を参照)、[下部の遮断周波数][上部の遮断周波数]に値を入力して、解析対象の結果の範囲をさらに限定できます。指定したモード数を上限として、遮断周波数の上限と下限の範囲内にあるモードがプロセッサにより出力されます。

対象のモデルに固有値解析を既に実行していて、この解析結果を基に荷重硬化解析を開始する場合は、[線形モーダル解析結果から開始]チェック ボックスをオンにします。

ビーム モデルでねじりモードを想定する場合は、[ビーム要素の回転質量を含める]を選択します。このオプションでは、ビーム要素の回転質量が近似化されます。このオプションを選択しない場合、ビーム要素は集中質量として表され、ねじりモードは計算されません。詳細については、「ビーム要素」を参照してください。

[荷重乗数]領域

モデルへの適用時に各種荷重の大きさをコントロールする乗数が 4 つあります。これらは、[解析パラメータ]ダイアログ ボックスの[パラメータ]タブの[荷重乗数]領域にあります。[圧力乗数]フィールドの値は、モデルの圧力またはサーフェス荷重の大きさを乗算します。[加速度乗数]フィールドの値は、モデルの加速度荷重の大きさを乗算します。[変位の乗数]フィールドの値は、モデルに適用された変位境界要素の大きさを乗算します。[熱の乗数]フィールドの値は、モデルの熱荷重を乗算します。熱荷重は、(線膨張係数) * (節点温度 - 応力なしの参照温度)に比例します。指定温度は熱乗数で乗算されません。

ソルバー オプション

解析で使用するソルバーのタイプは、[解析パラメータ]ダイアログ ボックスの[解法]タブの[ソルバーのタイプ]ドロップダウン メニューから選択します。[自動]オプションを選択すると、モデルのサイズおよび解析対象の周波数に基づいて、使用するソルバーのタイプがプロセッサで選択されます。ほとんどの場合、BCSLIB-EXT スパース ソルバーが使用されます。スパース ソルバーは、システムで複数のスレッド/コアが使用可能な場合、これらのすべてを使用して一連の方程式を解決します。大きなモデルの場合は、スパース ソルバーをお勧めします。部分空間ソルバーは、反復解法により複雑度の低いモデルの解析効率を高めることができます。

スパース ソルバーの場合、要素データの読み取りおよびマトリックスの作成で使用できる RAM の容量を[メモリ割り当てのパーセンテージ]フィールドでコントロールします。スペース ソルバーを使用する場合は、小さな値を入力することをお勧めします。サブスペース ソルバーでは、このフィールドは解析全体の利用可能な RAM の使用量を制御します。サブスペース ソルバーを使用する場合は、比較的高い数値を入力する必要があります。100% 以下の値を指定すると、使用可能な物理メモリが使用されます。100% より大きな値を指定すると、メモリ割り当てにより使用可能な物理メモリと仮想メモリが使用されます。

剛性マトリックスの生成後にプロセッサが解析を実行できないようにするには、[剛性計算の後停止]チェック ボックスをオンにします。解析時に発生した負の対角要素の修正をプロセッサで試行する場合は、[エラーを無視して実行]チェック ボックスをオンにします。(要素の形状により、0 に近い非常に小さな負の値が生じる場合があります。このような剛性を正の値に切り替えると、解析を続行することができ、解析への影響を一般的に無視できる程度に抑えることができます。ただし、負の値が大きい場合は、このチェック ボックスをオンせずに、モデルを修正してください)。

使用するソルバーのタイプがスパース ソルバーのときに、[固有値の収束許容誤差]フィールドで指定した許容誤差に対して固有値の精度が高い場合は、部分空間反復法アルゴリズムにより計算が終了します。指定した許容誤差について、収束で実行できる反復の回数を[反復の最大数]フィールドでコントロールできます。[バンド幅の最小化を無効にする]チェック ボックスがオンになっていないことを確認してください。このチェック ボックスをオフにすると、部分空間ソルバーを使用する場合の解析時間が短くなります。BCSLIB-EXT スパース ソルバーを使用する場合、これら 3 つのフィールドの設定は効果がありません。

[スパース ソルバー]領域の[ソルバーのメモリ割り当て]フィールドでは、BCSLIB-EXT ソルバーがスパース マトリックス解析で使用するメモリの容量を設定します。一般的に、割り当てるメモリの容量を多くするほど、解析の処理時間は短くなります。

上記で説明したように、一部のソルバーでは、コンピュータの複数のスレッド/コアを利用できます。これに該当する場合、[スレッド/コアの数]ドロップダウンが有効になります。解析結果を最速で得られるようすべてのスレッド/コアを使用できます。ただし、解析と同時に他のアプリケーションを実行するための演算処理能力が必要な場合は、スレッド/コアの数を少なくするよう選択することもできます。

出力コントロール

特定の結果と入力データはテキスト ファイルに出力できます。出力されるデータを制御するには、[解析パラメータ]ダイアログ ボックスの[出力]タブ内のオプションを使用します。次の 3 つのオプションは、テキスト タイプの結果に含まれるものを制御します。

上記の 3 つのオプションのテキストは、解析の概要ファイル内に含まれており、レポート環境から参照可能です。

さらに、次の解析入力データは、概要ファイル内に必要に応じて含めることができます。

[出力]タブ内の次の 2 つのオプションを使用して、(結果環境内に表示可能な結果コンターを生成するために使用される) バイナリ の出力を制御します。

正規化された応力およびひずみは特定の構造荷重または加振にスケール変更されません。これらは、さまざまなモード形状に相対的な応力およびひずみの分布を示すことを目的としています。これらの結果の絶対的な大きさは有意ではありません。

接触設定

接着連結の処理には 2 通りの方法があります。適用する方法は、2 つのパーツ間で節点が一致しているかどうかによって一部決まります。

[接触]タブの[スマート接着/溶接接触を有効化]チェック ボックスをオンにすると、パーツ A、サーフェス B 上の節点をパーツ C、サーフェス D 上の最も近い節点と接着する必要がある場合に、多点拘束(MPC)方程式が使用されます。形状関数により、サーフェス B 上の節点の変位がサーフェス D 上の節点に補間されます。したがって、パーツ間でメッシュを一致させる必要はありません。すべての節点が一致しない場合、サーフェス接触ペアのすべての節点について常に MPC が使用されます。すべての節点でメッシュが一致する場合、接触サーフェスの結合に節点一致が使用されます。隣接するパーツ上の 2 つの頂点が 1 つの節点に折りたたまれ、接触するサーフェスに MPC の方程式は使用されません。 スマート接着のオプションを次に示します。

スマート接着オプションは、接着接触および溶接接触に適用されます。接触の定義とスマート接着の使用に関する追加の情報については、「接触のタイプ」ページを参照してください。

既定では、スマート接着は縮合法を使用して解析の解を求めます。解析が収束しなかったり、想定どおりに実行されない場合は、MPC 方程式で使用する別の解法を選択することもできます(「多点拘束」を参照)。[セットアップ] [荷重] [多点拘束]をクリックし、[解析手法]オプションから選択します。 [ペナルティ法]を使用する場合、[ペナルティ乗数]フィールドを使用することによって、解の精度をコントロールできます。ペナルティ解析時に、モデル内の最大斜め剛性を乗じるペナルティ乗数が使用されます。102 ~ 104 の範囲の値を指定することをお勧めします。

注:
  • [多点拘束を定義]ダイアログ ボックスで選択した解法は、MPC を含むすべての機能で使用される解法になります。これらの機能には、周期対称、摩擦なし拘束、スマート接着、ユーザ定義の MPC などがあります。たとえば、ペナルティ法を使用して、スマート接着に関連するすべての解析の解を求める場合、[多点拘束を定義]ダイアログ ボックスで[ペナルティ法]を選択して、既定の縮合法をオーバーライドすることができます。
  • スマート接着は、ブリック要素およびプレート要素間の接触に適用されます。接着接触に他の要素タイプが含まれる場合、節点が一致することが必要とされ、スマート接着の設定には影響されません。

[スマート接着/溶接接触を有効化]チェック ボックスをオフにすると、パーツ間で節点が一致している場合にのみパーツが接着されます。