このトピックでは、実世界での光について説明します。シーンにライトを当てる場合に、光の本来の状態を知っておくと非常に役立ちます。
光線がサーフェスに当たると、サーフェスは光線の全部または少なくとも一部を反射します。サーフェスが見えるのはこのためです。サーフェスの外観は、サーフェスに当たるライトと、カラー、滑らかさ、不透明度などサーフェスのマテリアル特性によって見え方が異なります。
マテリアルでサーフェスの表示プロパティを指定できます。
原点での光の強度は、光が物体を照らす明るさに影響します。明るい色のオブジェクトに薄暗いライトを当てると薄暗い色を示します。
左: ろうそくで照らされた部屋の光源強度は弱い
右: 電球で照らされた部屋の光源強度は強い
光源に対してサーフェスの傾斜が大きいほど、サーフェスが受け取る光量は少なくなり、暗くなります。光源に対するサーフェス法線の角度を、「入射角」といいます。
入射角が 0 のとき、つまり光源がサーフェスに垂直に当たるとき、サーフェスは最高強度の光源で照らされます。入射角が増加するにつれて、照明の強度は減少します。
入射角は強度に影響を及ぼす
現実の世界では、距離が遠くなると光は弱くなります。光源から離れたオブジェクトは暗く、光源に近いオブジェクトは明るく見えます。この効果を減衰といいます。
自然界では、光は距離の逆二乗の割合で減衰します。つまり、光の強度は光源からの距離の二乗に比例して減少します。一般的に光が大気中の粉塵、霧、雲などによって消散されると減衰が増えます。
A. 逆減衰
B. 逆二乗減衰
減衰カーブのグラフ
ある物体の反射光が他の物体を照らすことがあります。サーフェスが反射する光が多いほど、その環境内で他の物体を照らす光が増えます。
反射光により、周囲光が生じます。周囲光は一様な強度を持ち、一様に拡散します。はっきりとした光源や方向はありません。
A. 直接光
B. 反射光
C. 発生する周囲光
光の色は、その光の生成過程に左右されることがあります。たとえば、タングステン電球はオレンジ色がかった黄色の光を出し、水銀燈は冷たい青白い光を出し、サンライトは黄色がかった白色です。さらに、光の色は光が通過する媒体にも左右されます。たとえば、大気中の雲は昼光青色の色彩で、ステンドグラスはほぼ純色です。
光の色は加色法で、三原色は赤、緑、青(RGB)です。複数の色を持つ光が混じると、シーン内の全体の光は明るくなり、最終的には白色になります。
着色光の加法混色
色温度とは、色を温度(単位はケルビン: K)で表現したものです。これは、光源の色および白色に近いその他の明度を記述する場合に役立ちます。次の表は、一般的なタイプの光の色温度を等価な色相番号(HSV 形式の色表現)とともにまとめたものです。
シーン内で光の色相番号を使用する場合、全値(255)を設定してから、彩度を調整して、シーンの条件に合わせます。人間の感覚は、物体が白色光で照らされて見えるように光を補正する傾向があります。通常、シーン内の色温度の効果はごくわずかです。
光源 | 色温度 | 色相 |
---|---|---|
曇天の昼光 | 6000 K | 130 |
真昼の太陽光 | 5000 K | 58 |
白色蛍光灯 | 4000 K | 27 |
タングステン/ハロゲン ランプ | 3300 K | 20 |
白熱電灯(100 ~ 200W) | 2900 K | 16 |
白熱電灯(25W) | 2500 K | 12 |
日暮れまたは日の出の太陽光 | 2000 K | 7 |
ろうそくの炎 | 1750 K | 5 |