インスタンス(モーション Mixer)

3ds Max の「インスタンス」という用語には、2 つの意味があります。1 つは標準の定義で、もう 1 つはモーション Mixer 内のクリップに固有の定義です。

一般に、インスタンスはオリジナルのオブジェクトのクローンで、完全に交換可能です。インスタンス化オブジェクトを修正すると、オリジナルも同様に修正されます。

モーション Mixer では、同一クリップが複数のトラック上で複数回使用されると、これらのクリップは相互にインスタンスまたは適合となります。

1 つの Biped または同じサイズの複数の Biped に対して複数回使用されている同じクリップは、インスタンスと呼ばれます。異なるサイズの複数の Biped に対して使用されている同一クリップは、適合と呼ばれます。

たとえば、同じサイズの Biped がシーンに 2 つ含まれ、それぞれの Biped の Mix でも同じクリップを使用しているとします。一方の Biped の Mix に含まれるクリップは互いにインスタンスであり、サイズが同じ 2 つの Biped の Mix に含まれるクリップも互いにインスタンスです。インスタンスには、クリップ名の末尾に同じ番号がミキサー内で付けられます。

ここで、サイズの異なる 3 番目の Biped を追加し、その Biped の Mix で同じクリップを使用するとします。その新しいクリップは、他の 2 つの Biped で使用されているクリップの適合となります。クリップ名の末尾には、増分番号がミキサー内で付けられます。

これらの用語が使用される理由は、ロードしたクリップをミキサーが Biped のサイズに調整するためです。初めてクリップがロードされると、ミキサーは必要に応じてクリップを調整しますが、この時点ではインスタンスと適合との区別は発生しません。クリップは 1 回しか現れないためです。

クリップをクローンまたは再ロードすると、ミキサーは必要に応じて新しいクリップを Biped のサイズに調整し、それ以前にロードされたクリップとの相違点を検査します。同じである場合は、新しいクリップと以前のクリップは、互いにインスタンスとなります。同じでない場合は、新しいクリップと以前のクリップは、互いに適合となります。