従属サブオブジェクト(NURBS)

NURBS サブオブジェクトには、独立と従属の 2 種類があります。従属サブオブジェクトは、他のサブオブジェクトのジオメトリに基づくサブオブジェクトです。たとえば、ブレンド サーフェスは他の 2 つのサーフェスを滑らかに結合します。オリジナルの親サーフェスのいずれかを変換またはアニメートすると、ブレンドの形は変わりますが、親サーフェス間の関係は維持されます。

親サーフェスを移動するとブレンド サーフェスが変更されます(ブレンド サーフェスは緑色で表示されます)。

この親と従属サブオブジェクト間の直接的なインタラクティブな関係は、リレーショナル モデリングとして知られています。NURBS モデルが特に変更およびアニメートしやすい理由の 1 つは、このリレーショナル モデリングにあります。

重要: 従属サブオブジェクトは、同じ NURBS モデルのサブオブジェクトでもある親を持つ必要があります。オブジェクト レベルの NURBS カーブまたはサーフェスの間には、従属関係は存在しません。トップレベルの NURBS オブジェクトを使って従属オブジェクトを作成する場合は、まずトップレベルのオブジェクトをアタッチまたは読み込む必要があります。3ds Max オブジェクトをアタッチおよび読み込みを参照してください。

従属サブオブジェクトを独立サブオブジェクトにするオプションがあります。このオプションを選択した場合、サブオブジェクトはその親と無関係になります。前の親を変更してもサブオブジェクトに影響はなく、独立したサブオブジェクトとして編集および変換ができます。

適切なサブオブジェクト レベルでは、独立した NURBS がワイヤフレームのビューポートに緑色で表示されます。表示カラーを変更するには、[ユーザ インタフェースをカスタマイズ](Customize User Interface)ダイアログ ボックスの[カラー](Colors)パネルを使用します。

リレーショナル モデリングは、モデルの計算に余分な時間がかかるので、サブオブジェクトを他の方法で変換または編集すると、通常はパフォーマンスが低下します。従属サーフェス サブオブジェクトを希望の形にした後で、これをリジッド サーフェスにすることでパフォーマンスを上げることができます。

従属サブオブジェクトを変換

一般に、従属サブオブジェクトは選択や変換が可能ですが、変換の効果はサブオブジェクト タイプによって異なります。従属オブジェクトの中には、モディファイヤで使用されるのに似たギズモを持つものもあります。ギズモを持たないサブオブジェクトは、その親オブジェクトと相関して変更できません。この種のサブオブジェクトの場合、変換はサブオブジェクトと親に同等に適用されます。たとえば、ブレンド サブオブジェクトを移動すると、その親も移動します。ギズモを持つサブオブジェクトは、その親オブジェクトと相関して変更できます。この場合、ギズモを使用するモディファイヤと同様、実際に変換するのはギズモです。たとえば、ミラー サブオブジェクトを回転するとミラー軸が変わり、その結果親カーブまたはサーフェスに対するミラーの相対位置が変わります。

既定値では、従属 NURBS サブオブジェクトを +クローンすると、親オブジェクトもクローンされます。たとえば、UV ロフトを Shift + クローンすると、すべてのロフト カーブもコピーされます。すなわち新しいオブジェクトは元のオブジェクトと同じタイプになります。クローン作成されたオブジェクトには親があるので、オリジナルを編集するようにクローン オブジェクトを編集できます。NURBS サブオブジェクトを Shift + クローンする場合、従属関係を削除してパフォーマンスを上げることも選択できます。

従属サブオブジェクトのエラー条件

場合によっては、親オブジェクトの変更によって、従属オブジェクトのジオメトリが正しく更新できなくなることがあります。たとえば、2 つのカーブ間をフィレットするには、それらのカーブが共面でなければなりません。カーブの 1 つを(またはその CV かポイントを)移動したためにカーブが共面でなくなると、フィレットを正しく更新できません。この場合、独立したオブジェクトのジオメトリは既定の位置に戻り、エラー条件を示すオレンジ色で表示されます([ユーザ インタフェースをカスタマイズ](Customize User Interface)ダイアログ ボックス[カラー](Colors)パネルでエラー カラーを変更することができます)。

エラー状態にあるセグメントを示す矢印

シード値

ある種の従属サブオブジェクトは、複数のソリューションを持つジオメトリに依存しています。たとえば、サーフェスとカーブの交差点を作成するとき、カーブがサーフェスと複数の箇所で交差している場合、3ds Max はどの交差をポイントの位置にするかを決定しなければなりません。

この種のオブジェクトについては、シード値パラメータがその決定を制御します。シード位置は親オブジェクト上にあり、作成条件を満たすシード値から最も近い場所を 3ds Max が選択します。シード値は、この種の従属サブオブジェクトを編集する際に変更できます。シード位置は、黄色の正方形で表示されます。

たとえば、サーフェスとカーブの交差点のシード位置が親カーブの長さに沿った U 位置であるとします。シードに最も近いサーフェス/カーブの交点が、従属ポイントの位置として選択されます。

サーフェスのシード位置は、サーフェスのパラメータ スペース内の一組の UV 座標です。

親サブオブジェクトを置換

従属サブオブジェクトに、1 つまたは複数の親オブジェクトを置換できるコントロールが使用できます。たとえば、[オフセット サーフェス](Offset Surface)ロールアウトには、[ベース サーフェスを置換](Replace Base Surface)ボタンがあります。このボタンをクリックして、別のサーフェスをクリックすると、それがオフセットのベースとなります。

この機能を使って、トリムしたサーフェスをトリムしていないサーフェスに、またはその逆に置換することができます。この場合、選択フロータのサブセットである[サブオブジェクトを選択](Select Sub-Objects)ダイアログ ボックスを使用する必要があります。このダイアログ ボックスはサブオブジェクトの作成中、およびサブオブジェクトの選択中に使用できます。たとえば、トリムしたサーフェス サブオブジェクトを選択し、[キーボード ショートカットの切り換え](Keyboard Shortcuts Override toggle)をオンにします。[ベース サーフェスを置換](replacement)ボタンをクリックし、H キーを押してサーフェスのツリーを拡大してから、トリムしていないサーフェス サブオブジェクトの名前をハイライト表示にします。