フィジカル マテリアルは、実世界のマテリアルに対して最も適切なシェーディング効果を含むシェーディング モデルを使用する一方、扱いやすいことと論理的なレイアウトとのバランスを維持します。
フィジカル マテリアルは最新の層状マテリアルで、物理ベースのワークフローに焦点を当てたコントロールをともないます。これは、ART レンダラーと mental ray レンダラーの両方との互換性があります。
注: フィジカル マテリアルは従来のスキャンライン レンダラーを使用してレンダリングしますが、スキャンラインは物理ベースのレンダリングに適していません。スキャンラインではマテリアルの表現のみがレンダリングされ、より複雑なシェーディング効果の多くが欠けています。
マテリアルには次が含まれます。
- フレネル駆動の型誘電体反射による拡散反射光カラー、またはカラー メタルの反射のいずれかとなる基本レイヤ
- 透明度
- サブサーフェス スキャッタリング/トランスルーセント
- 放出(自己照明)
- 上のクリアコートの層
エネルギー保存
フィジカル マテリアルは、光が増幅しないようにエネルギーを保存します。さまざまなシェーディング コンポーネントの合計が 100% を超えることはないので、光エネルギーは常に拡散または吸収されるのみとなり、生み出されません。ただし放出は例外的にエネルギーを増幅します。
注: エネルギー保存の数値演算は重みのパラメータに対して厳密に作用し、カラー パラメータは無視されます。また、サブサーフェス スキャッタリングはそのエネルギーを拡散反射と共有します。たとえば、サブサーフェス スキャッタリングの重みが 0.5 の場合、サブサーフェス スキャッタリング カラーが黒に設定されていても、拡散反射光からエネルギーの 50% を取り除き、実質的なスキャッタリングはまったく生成されません。
エネルギー保存の論理をシェーディング効果の階層化と考えます。
- サブサーフェス スキャタリングは、拡散反射光からエネルギーを取ります。サブサーフェス スキャッタリングの重みが 1.0 の場合、拡散反射光はありません。
- 透明度は、拡散反射光およびサブサーフェス スキャッタリングから重みを取ります。透明度の重みが 1.0 の場合、拡散反射光またはサブサーフェス スキャッタリングはありません。
- 反射はその他すべてのレイヤの重みを取ります。
- [メタル](Metalness)が 0.0 の場合、反射の重みでは角度依存(屈折指数またはカスタム カーブに基づくフレネル効果)が考慮されます。反射の重みが 1.0 の場合でも、フレネル カーブによって実際の反射率はより低くなります。カーブにより定義される量に関係する透明度/拡散反射光/サブサーフェス スキャッタリングのみからエネルギーが取られます。
- [メタル](Metalness)が 1.0 の場合、フィジカル マテリアルは不透明とみなされます。拡散反射光/透明度/サブサーフェス スキャッタリングの効果はありません。
- クリア コートの層はその他すべてのレイヤ上にあり、クリア コート層の反射の程度とコーティングの透明度カラーに基づいてエネルギーが減少します。
- 放出レイヤは必ず付加的であり、光エネルギーを常に増幅します。エネルギー保存には関与しません。
インタフェース