ここでは、[カメラ トラッカー](Camera Tracker)ユーティリティの使用時によくある問題と、その対処法を紹介します。
フィーチャ トラッキングの突然の停止
フィーチャ トラッカーが、最初の数フレームをマッチングした後で突然停止した場合は、次の事項をチェックします。
- 有効なエラー スレッショルドの 1 つが低すぎる可能性があります。[バッチ追跡](Batch Track)ロールアウトで[状態をチェック](Check Status)ボタンを押してチェックを実行し、[追跡エラーのレビュー](Tracking Error Review)領域のリストのレポートを参照します。また、[エラー スレッショルド](Error Thresholds)ロールアウトのしきい値を一度に 1 つずつ無効にして、問題が解消するかどうかも試してみます。必要に応じて、問題のあるしきい値を調整します。各トラッカーの[エラー時に再サンプル](Resample On Error)チェック ボックスをオフにして、エラーしきい値のチェックをすべて無効にすることもできます。
- トラッカーの検索境界ボックスが、フィーチャのフレーム間モーションに対応できる十分な大きさであることを確認します。検索境界ボックスの大きさは、少なくとも、フィーチャ境界ボックスで選択した動くフィーチャと周囲のコントラスト領域を十分に囲むことができるように設定する必要があります。
- シーン オブジェクトとトラッカーが、適切に関連付けられていることを確認します。[モーション トラッカー](Motion Trackers)ロールアウトの上部のリストでエントリをチェックして、確認できます。関連付けたオブジェクトがある場合は、リストのエントリにオブジェクト名が表示されます。関連付けたオブジェクトがない場合は、「なし」と表示されます。関連付けた 3ds Max シーンを開く前に、以前に[カメラ トラッカー](camera tracker)ユーティリティでトラッカーを設定したムービー ファイルを開くと、オブジェクトがシーンのトラッカーに関連付けられません。適切な 3ds Max シーンを開いていることを確認してから、[カメラ トラッカー](Camera Tracker)ユーティリティでムービー ファイルを閉じ、もう一度開く必要があります。これによって、シーン オブジェクトが検出されます。
- 1 対または複数対のトラッカーに関連付けたシーン オブジェクトを不注意で取り換えてしまうと、マッチムーブで計算ができなくなります。
マッチムーブ エラーの繰り返し
カメラ マッチムーブのエラーが繰り返し発生する場合は、次の事項をチェックします。
- エラー フレームでトラッキングするアクティブなフィーチャが少なくとも 6 つあり、そのうちの少なくとも 2 つは、他のフィーチャの平面から十分に離れていることを確認します。
- エラーが発生したフレーム周辺で、[ムービー](Movie)ウィンドウを使ってトラッカー ギズモをチェックし、明らかなフィーチャ トラッキング エラーがないことを確認します。
- マッチムーブの前に、[位置合わせの移動](Match-Move)ロールアウトの[位置合わせ](Match)領域で無効にしたパラメータがある場合は、そのパラメータが、マッチング対象のカメラにシーン内で適切に設定されていなければなりません。たとえば、ロールと視野を無効にすると、3ds Max で直接または以前のマッチムーブの結果として、適切な視野およびロールの方向がカメラに設定されている必要があります。マッチング アルゴリズムでは、見積もるパラメータの計算に、「決定した」カメラ パラメータがすべて使用されます。パラメータが不適切な値で決定されている場合は、アルゴリズムが作動しません。
- マッチング シーケンス中に変化しないカメラ パラメータがいくつかあることが分っていても、その値を確認できないことがあります。このような場合は、最初のマッチングでパラメータをすべて有効にしてから、[移動のスムーシング](Move Smoothing)ロールアウトで直線平均フィルタを適用します。これによって、[位置合わせ](Match)領域でパラメータが自動的に無効になり、また、修正した位置の適切な見積もりがパラメータに設定されることもあります。