オーバーレイを利用すれば、循環従属を起こさずに複数のシーンを参照できます。
オーバーレイとしてマークされたシーンの外部参照は、そのオーバーレイを参照するマスター シーンにのみロードされます。そのオーバーレイを使用するマスター ファイルを外部参照するその他のシーンからは見ることができません。相互に参照する 2 つのシーンについて考えます。
通常、3ds Max はこの状態を循環従属として認識し、許可していません。ただし、次の手順に従って、このような外部参照の組み合わせを設定することができます。
シーン 2 はシーン 1 に外部参照されますが、シーン 1 はネストされた外部参照にはなりません。
このような例は、実際にはあまり存在しないかもしれません。しかし、シーンの一部を隠して、そのシーンを外部参照する他のアーティストには見えないようにすることは考えられます。たとえば、ある建物のシーンが、建物の配管設備を配置する CAD ファイルと、いくつかの樹木への外部参照を含む地表のシーンを外部参照しているとします。この外部参照シーン グラフは、次のように見えます。
建物シーンは、地表および配管設備のデータを外部参照しています。地表シーンは樹木を外部参照しています。この CAD 配管設備のデータは、他のアーティストに見えないようにします。CAD 配管設備のデータは、建物の中で流し台が必要な場所に配置するだけなので、その外部参照はオーバーレイとして設定します。建物シーンを含むその他のシーンからは、配管設備は見えません。たとえば、照明やカメラを担当するアーティストは、建物シーンへの外部参照を設定します。外部参照グラフは次のように見えるようになります。
この例では、データ情報を他のマスター シーンから隠すために、オーバーレイが使用されています。オーバーレイは、循環外部参照を回避するために使用することもできます。たとえば、4 人のアーティストが街角のシーンを操作しているとします。2 人のアーティストがそれぞれ別の建物を操作し、1 人のアーティストがそれらの 2 つの建物を接続するスカイ ブリッジを操作し、4 人のアーティストがカメラとライトを設定しています。この外部参照シーンのグラフは、次のように見えます。
ここで、建物 A を操作しているアーティストとスカイ ブリッジを操作しているアーティストは、相手の作業の準備がすべて完了しているように見えなければなりません。この問題は、相手のシーン ファイルを外部参照することで解決できます。
ただし、3ds Max は、循環外部参照を検出すると、その外部参照を許可しなくなります。建物 A のシーンとスカイ ブリッジのシーンの外部参照がオーバーレイとして設定されていれば、この問題は回避されます。