シーンを開こうとしたときに、何のエラーもないはずなのに、「障害エラー」、「ファイルを開くことができませんでした」などのエラーが発生するのは、非常に不愉快なことです。また、何のエラー メッセージも表示されず、ただファイルがロードされないということもあります。このような場合は、一般にファイルが損傷しています。
ファイルの損傷の要因として、次のようなことが考えられます。
障害エラーは、損傷したファイルをロードしようとしたときによく発生するエラーです。エラー メッセージには、損傷したファイルの名前と損傷箇所(行番号)が示されます。メッセージの確認後、再試行するかキャンセルするかを選択できます。
残念ながら、ファイル名と行番号の情報はあまり役には立ちません。その場所が実際のエラーの発生場所であるとは限らないからです。ほとんどのユーザは、[再試行](Retry)オプションを繰り返しクリックして、虚しく時間を過ごした後、最終的に諦めることになります。けれども、心配する必要はありません。再構築を行う前に、試す価値があることは、まだたくさんあります。
まず、[再試行](Retry)ボタンをクリックし続けてみてください。オブジェクトの頂点が損傷している場合、オブジェクトのすべての頂点の解析を行う必要があるかもしれません。たとえば、Autodesk 製品サポートでは、「tab.h ファイルの参照時に「障害エラー」を返すファイルがありました。」という報告を受けたことがあります。シーンには、現在は 3ds Max では認識されない AutoCAD コンポーネントが読み込まれていました。しかし、サポート担当者が[再試行](Retry)ボタンをクリックし続けたところ、88 回目にようやくシーンが開きました。その後、シーンを保存し直すと、次回から問題なくファイルを開けるようになりました。
通常の手続きでシーンを開くことができない場合は、シーンの合成を試してください。ファイルの損傷がそれほど激しくなければ、シーン内のコンポーネントを一覧表示する[合成](Merge)ダイアログ ボックスを開くことができます。ダイアログ ボックスが開けば、それほど苦労せずにファイルを修正できる可能性があります。ここで、ロード エラーの原因となったオブジェクトを絞り込む必要があります。
[合成](Merge)ダイアログ ボックスが開き、シーン内のすべてのコンポーネントが表示されます。
まず、シーン内に損傷したオブジェクトやシェイプがあるかどうかを確認します。
オブジェクトがビューポートに表示されれば、シーン コンポーネントに問題はありません。次に、[リスト タイプ](List Types)の他のオプションにチェックマークを付けて、このステップを繰り返します。
オブジェクトが正常に合成されたら、その他のオブジェクトへの合成を試みます。その前に、合成したオブジェクトをシーンの再構築の基礎として保存するのを忘れないでください。
エラー メッセージが表示された場合、選択したオブジェクトのうちの 1 つに問題があることが分ります。次の手順に従います。
前のリストのどのオブジェクトが損傷しているのかを正確に絞り込む必要があります。
これら 10 個のオブジェクトが正常に合成されたら、シーンを保存し、次の 10 個のオブジェクトの合成に進みます。最終的に、合成しようとしたオブジェクト セットのいずれかでエラー メッセージが表示されることになります。
時間のかかる処理ですが、以前の作品の大部分をそのまま活用したい場合、試してみる価値はあります。
既定値では、3ds Max の自動バックアップ機能はオンになっており、シーンの編集中、5 分ごとに合計 3 つのバックアップ ファイルに保存されます。 バックアップ ファイルは、システムのクラッシュや電源障害でファイルが損傷した場合、たいへん役に立ちます。
既定では、/autoback パスは使用しているオペレーティング システムによって異なります。
/users/<ユーザ名>/my documents/3dsmax/autoback/
ただし、プロジェクト フォルダを設定している場合は、 /autoback フォルダがそのプロジェクトに含まれます。
必要に応じて、バックアップ シーン ファイルの名前を変更できます。
ファイルが開いたら、シーンを保存し、最後の 5 分間で失われた内容を再構築します。
自動バックアップの設定を編集するには、[カスタマイズ](Customize)メニュー/[基本設定](Preference Settings)を選択し、[基本設定](Preference Settings)ダイアログ ボックスの[ファイル](Files)パネルを使用します。